NDロードスターのセッティング考察も人気でアクセスが多いので、追加の記事をどんどん書いていきたいところですが、マツダスピードアクセラでFFのセッティングを考え始めてからFRとの違いに興味がわいてきました。
もちろん自分なりにきちんと考えてセッティングを進めていきますが、FRって仮によくわかんなくても、とりあえずちょっと固めのスプリングにテキトーな車高調だけ取り付けておけば、多少乗り難くてラップタイムは微妙でも、明らかに見当違いなセッティングでもない限りはなんとかなる感じがするじゃないですか(笑)
まあ、単純に私がFRばかり乗っていたせいで慣れているだけかもしれませんが、FFって相当難しい気がしませんか?仕上がりの悪さをFRほど誤魔化せない感じ。
駆動も舵も全て前輪に任せていて相対的にリアが極端に軽く、見方によっては後輪など惰性で勝手に転がってるだけ。
じゃあ前輪だけに重点を置いてセッティングしていけば、後輪はトラクション抜け回避のためだけにある補助輪やつっかえ棒みたいな考えで良いわけ??
もちろん、そんなに単純な話ではない。
■実は凄い!トーションビームの動き
余談ですが、私は元々車には全く興味がなかったので、運転に関しては自動車学校で習った程度の理解度だけで、レジャー感覚のストレス解消と言う不純な動機からサーキットに通い始めた少数派のタイプです(笑)
サーキットを走り始めた当初は子供の頃に触れたミニ四駆だけが私の頭の中の車の構造のイメージで、駆動輪など考えた事も無かったので、当時乗っていたムーヴやNBロードスターでさえ4輪動いているものだと”本気で”思っていたくらい。。。
その後、ようやく車の構造に興味を持ち始め、少しずつ理解し始めたのが24~25歳くらいの頃ですが、この頃までに実はFFも数台乗っているし、その中にトーションビームの構造の車も含まれていますが、当時は何も知らないし構造の違いなどに興味も無かったので、事実上、私が触れる初めてのトーションビームのFF車が今回のマツダ2(DJデミオ)となるわけ。
アクセラに乗ってからFFを本気で走らせようと考え始めるが、車が古過ぎるのでマツダ2に乗り換えと言う流れ。
この時点では同じFFと言うだけで違いをあまり意識していなかったんですよね。。。
そう、ご存知の通りアクセラの足回り構造はフロントこそ同じストラット式だが、リアがマルチリンク式であるのに対し、マツダ2はトーションビームとなっている。
納車直後にリアを覗いてみると、アクセラの時に初めて見たのと同じセパレート式(スプリングとダンパーが別々になっている)だったため、同じ構造だと思い込んでいたのですが、いざ試しに走らせてみるとギャップでリアが左右に揺れる様な違和感のある動きが出るため、何かおかしいぞ?と思って確認すると、そもそも足回りの構造が違う事に気付く。
「アームはどこだよ!左右が繋がってんじゃねーか!」と言うのが最初の感想である(笑)
さあ、このトーションビームと言う足回りの構造ですが、どんな物かご存知?
実際にセッティングをするならこの足回りの動きを理解して、弱点と思われる部分も頭に入れておいた方が良さそうなので、マツダ2その物の挙動を追う前に、まずはこのトーションビームを確認してみる。
念のためですが、実際の走行ではブッシュの変形やアームの軸となる位置関係などでもっと複雑な動きとなりますが、単純な上下方向のストロークのイメージでは、タイヤ(ハブ)の軌跡に特徴が見られます。
ストラットのフロントは横から見た場合、単純な上下方向のストロークとなるのに対して、トーションビームのリアは上の図ほど極端ではないが弧を描く様に動く。
これは、黄色の線で示したアームと支点の位置関係が”前後”の配置となるため。
極端な言い方をすれば、ストロークする度にホイールベースが伸びたり縮んだりすると考える事も出来る。(これはあまり気にしなくても良い?)
同時に、キャンバー&トーゼロの場合を除き、ストロークに合わせて僅かにだがキャンバーやトーも変化する様な気がするが、実際には上に乗っかっている車体の方が上下する事になるので”対地”で見た時の変化はない(負荷による構造の捻じれなどを無視した場合の話)と思われる。
同じ理屈で、フロントのストラットもアームと支点の位置関係が左右に配置される事から、タイヤの動きは前方から観察するとストロークに合わせて弧を描く様に動く事がわかる。
もちろん、この図の様に極端な軌道ではないが、これも先程のトーションビームを横から見た時の理屈に当て嵌めれば、ストロークによってフロントのトレッドが僅かに伸び縮みすると考える事もできる。(これも特に気にする必要はない)
対するリアは真後ろから見た場合、トーションビームだとアームの支点が前後方向の配置となるため、見掛け上は単純な上下のストロークとなる。
これがトーションビームでは車高を下げたり、ストロークしてもキャンバー変化が起こらない(起き難い)と思われている理由の一つである。
そしてもう一つ、トーションビームの特徴として、左右が堅牢なクロスビーム(梁)で接続されているため独立して動く事が出来ず、理論上は左右が同じ動きをするのですが、現実にはそうはならない。
そうはならない一つ目の理由は、ラダーフレーム程ではないが上に乗っかっているボディ側も動くため、試しに片方だけ思いっきり車高を下げてみるなどした場合、当然車高の左右差が出て車は傾く。
もう一つの理由が、トーションビームは単なる台車の様な動きではなく、実は想像以上に複雑な動きをすると言う点である。
どんな動きをするのかと言うと、これが結構凄い。
単なるコストダウンだとか、貨物用の足回りだとバカにする人も多いし、本音を言えば私も図面や資料などを見るまではそう思っていたが、本格的なスポーツカーであるシビックTypeRなどにも採用されるくらいだ、ナメてはいけない。
マツダが登録している特許の添付画像をお借りしますが、トーションビームの構造はこんな感じ。
赤丸の位置がピボット、即ち軸となる部分で、青い丸を付けた部分にハブ(タイヤ)が接続される。
支点との位置関係が前後となる事で前述した軌道を描く事は分かると思いますが、更に赤い矢印で示した部分などが負荷によって捻じれたり曲がったりする事でキャンバーを変化させたりと、単純な上下方向のストロークでは出来ないと思われがちな制御をやってのける。
また、独立懸架ほどの自由度は無いが左右のストロークに差を生じさせ、荷重の抜けた側もある程度はきちんと伸びると言う点も意外であるが、これが”トーション(捻じれ)”ビームの名前の由来であり、単なるリジッドアクスルとは異なる点と言えます。
更に、トーションビームの動きはこれだけではない。
こちらはトーションビームを真上から見た図となりますが、ピボット部にゴムブッシュを使う事で、旋回中にタイヤを介して横方向からの入力が生じると、ブッシュが変形して左右にズレる。
この時、ブッシュの配置と軸方向の角度によってトーションビームの構造全体が”回転する様に捻じれて動く”のである。
動くとどうなるのか?と言うと、勘の良い人は既にお気付きだと思いますが、トーが変化する(コンプライアンス・トーイン)ってわけ。
主には内側のタイヤはトーアウト方向に、荷重の掛かっている外側のタイヤはトーインに変化する事でリアの安定性を確保する。
しかし、このトーコントロールの機能にはフィーリング面での弱点があって、前述した”ギャップでリアが左右に揺れる”様な違和感のある動きがそれである。(ダブルウィッシュボーンやマルチリンクのトーコンブッシュの様に、初期にグニャッとした違和感が出るレベルではなく、リア全体が大きく横へズレる様な動き)
一定の旋回Gで曲がっていても、トーコントロールが働くターンインではリアが横へズレる様な動きが感覚として伝わって来るので、初めて走らせてみた時は”リアが滑っている”と誤認して咄嗟にアクセルを緩めたり修正舵を加えたりと、慣れるまでは気味の悪い動きに感じる。(この辺りのフィーリングは過去に投稿したマツダ2のレビューでも伝えている)
これらの動きに制限を掛ける事は可能で、ピボットのブッシュをハードな物に交換すれば所謂トーコンキャンセルとする事も出来るし、追加スタビライザや補強プレートなどでアームやクロスビームの剛性を上げればロール剛性やダイレクト感は増す。
ただし、いずれもやり過ぎると特性はどんどんリジッドアクスルに近付いていき、それこそ単なる台車となってしまうので、セッティングを進めていく上ではコースのレイアウトや車の挙動に対して、または自分の運転スタイルに対して何が必要で何が不要かを良く見極めて味付けする必要がある。
見誤ると抵抗になるリアを引きずり回して画に描いたようなどアンダーのFFが出来上がったり、ズルズル滑って向きは変わるが、速い気がするだけのアクセルが踏めない車に仕上がる恐れがある。
■絶妙なバランスは手を加える事を躊躇させる完成度
セッティングを検討する前に、マツダ2の素の動きを確認しておきましょう。
ロードスターでもそうでしたが、まずはフルノーマルの状態で挙動を見て、その特性から何を伸ばして何を抑えるのかイメージを整えておきたい。
とは言っても素人なので、体感と実際の動きや理論に乖離が生じる事も多々あると思いますが、何も考えずにただ買ったパーツを取り付けると言うのはチューニングではなくただの改造である(笑)
実際にノーマル車両をミニサーキットで走らせてみて感じたのは、最近のマツダ車全般の味付けなのか、ロードスターでも感じた”過剰気味”なダイアゴナルロールだ。
ただ、ロードスターでは過剰な前傾姿勢でリアが不安定になるこの挙動をもう少し抑えたいと言ったが、マツダ2の場合はどうも様子が違う。
ブレーキングで深く沈み込むフロントに対し、大きく持ち上がるリア、そしてハンドルを切り込んで旋回を開始するターンインのタイミングでは、一気に前輪外側のタイヤに荷重が集中して対角となる後輪内側のタイヤの荷重が抜ける。
これがダイアゴナルロールで、繰り返す様ですがこの挙動自体が悪いわけではなく、過剰か否かが問題です。
マツダ2とロードスターでは駆動輪が異なるため、その影響なのか、足回り構造、引いてはシャシー性能の違いなのか、ターンインから先で明らかに異なる挙動を見せる。
ターンイン開始直後に、外側のタイヤグリップだけに頼っているリアが僅かに滑る様な気配を見せるものの、駆動はしていないのでそのまま派手に滑り出す様な危うさはない。
そのままアクセル操作を加えて、旋回Gを一定に保つクリップから立ち上がりに掛けてのコーナーリングに於いては、フロントに乗っていた荷重がリアに移って接地を促すと同時に、強力なスタビライザとして働くトーションビームの効果でリアのロールが収束してドシッと安定する印象を受ける。
するとどうだろう。リアのロール剛性につられてフロントの姿勢が安定し、フロント内側の接地感が増す手応えがあり、切り足しても舵は利くし、オープンデフなのにトルセンLSDの付いていたアクセラと同等かそれ以上の車速と一定の旋回Gキープしたまま、比較的浅い舵角でもスムーズに曲がって行ける。
リアの軌道も、まるで内輪差がないかの様な動きで抵抗なくフロントについて来るので、以前レビューで書いた様に”思い描いたライン”で走り易い。
この絶妙なバランスはロードスターにも勝る完成度だと言っても過言ではないし、バネが柔らかい分S字などの素早い切り返しの鈍さを最大の弱点と感じるが、少なくとも単発のコーナーに於いてはノーマルのショックでも全く不満は感じない。(ロードスターは”低速コーナーが異常に速い”が、バランス良く安心感のある動きとは程遠い)
故に、このバランスを崩してまで、車高調を取り付けてセッティングする事にやや躊躇してしまう。。。
しかし、前述した通りノーマルのスプリングレートでは柔らか過ぎるので、タイトなヘアピンコーナーやS字などの素早い切り返しが鈍いと言う弱点をスポイルするためには、車高調などで足を固めなければミニサーキットやジムカーナではお話にならない。
■とりあえず足を固めるのもアリだが問題も多い
ノーマルのバランスは抜群だが、まずは切り返しのレスポンスに狙いを定めて”とりあえず”車高調を取り付ける事から始めてみた。
既製品のセットアップで、スプリングはフロント12kg-f/mm、リアは伸び切りを警戒して標準から少し柔らかめの8kg-f/mmをオプションで選択。
まずは前後の車高バランスをフラットに設定してどうなるのか試してみる事にした。
標準車の車高バランスはフロントに荷重を乗せるためなのか、フル乗車を想定しているのかは不明だが前傾姿勢となっているので、ノーマル比でリア下がりのバランスとしてあると考える事も出来る。
また、以前乗ったアクセラでは、フロントの減衰を緩めていた方が立ち上がりなどでフロントのグリップを稼ぎやすいと言う教訓(こちらの記事参照)が得られたが、そもそもパワーが全然違うのでマツダ2でアクセルをドカンッと踏んだ程度でフロントが浮き上がる様な心配はないだろうと考え、まずは強めの減衰から試してみる。
対してリアは重量とパワーに対して固めのスプリングレートで縮みは抑えられると判断し、リアを伸ばして縮み難くなったフロントへの荷重移動を促せる様に緩めの減衰としてある。
今回使用している車高調はクスコのSPORT_Rですが、減衰を強めに設定していると縮み側でもまるでスプリングが固くなった様に明らかな抵抗感が出て来るのが体感できる。
この状態でコーナーリングを開始してみると、極端な前傾姿勢が抑えられ、ターンインで前輪外側に荷重を掛けても対角の後輪内側が伸び切る様な動きは出ないので、過剰なダイアゴナルロールを抑えると言う目的は達成できた様に思える。
しかし、どうもこの状態では全体的なロールが抑えられトータルグリップが増している分、高速コーナーは速いが低速コーナーが非常に曲がり難い。
やや強引だがもっと舵角を大きくすればフロントは反応してくれるものの、現状のセッティングではフロントタイヤの外側に対する負荷が大き過ぎるので、ここはフロントのキャンバーで適正化を図ってみよう。
しかし、ここで問題が発生!
せっかくキャンバー調整機構が備わっていると言うのに、いざキャンバーを調整しようと思ったらショックとタイヤが干渉してネガティブ側にはほとんどキャンバー角を付けられないのだ。
ダブルウィッシュボーンやマルチリンクのFRばかり触れてきたので、キャンバーの調整でショックとタイヤの距離など意識した事もなかったが、実際に触れてみるとなるほど。。。
ショックはハブに接続されているし、キャンバー調整ボルトでホイールをハブごと傾けるのでタイヤの上方がフェンダーの内側へ移動する。
つまり、傾け過ぎればショックと干渉するってわけ。
アクセラの時はキャンバー調整機構など付いていなかったので、単純に履けるか履けないかの判断だったが、今回のマツダ2はホイールのサイズにも注意が必要である。
純正ホイールのリム幅が5.5インチに対して、サーキット用に準備したホイールが7.0インチ、タイヤサイズも標準の185に対して205を選択しているが、現在のオフセットが+42となっているので、2度以上のネガティブキャンバーに設定する前提ならフロントをもっと攻めた+30前後のサイズに変更する事で調整幅も稼げそうだ。
いきなりセッティング幅の制約に縛られ、土台としてのホイール探しから始める事となってしまった。。。
嫌でもホイールを交換しなければセッティングどころではない。
スポーツホイールのカタログに目を通していると、レイズのTE37 Sonicなどで良い感じのサイズは見付かったものの、新品のレイズなんて何か月待たされるかわかりませんからね(笑)
急いでいるのですぐに手に入る中古で探そうとしたのですが、195~205幅のタイヤを履かせる前提で6.5~7.0Jクラスになると、オフセットが+30~35なんてサイズは意外と見付からないんですよ。
ドレスアップ向けのギラギラしたホイールとか、やたらとレトロな似合いそうにないデザインだったり、無難なエンケイのRPF1などが見付かってもガリキズだらけでボロかったり。。。
なんだかんだで使い物にならないタイヤ付きで新品並の価格となってしまいましたが、どうにか見付けたCE28 CRを履かせる事となりました。
サイズは15インチの7.0Jで、オフセットは+28となっています。
履かせてあるタイヤは195/55R15とし、外径を一回り小さくする事で擬似的にスポーツグレードの15MB相当のローギア化で加速性能も稼ぐ。(私の車両は標準車のブラックトーンエディション)
これが本当にギリギリで、フロントのキャンバーを3度ほどに設定して辛うじてフェンダー内に収まっていますが、ショックとのクリアランスは3mm程度しかないのでこれ以上は寝かせられないし、寝かせすぎていたとしてもキャンバーを起こす事も難しい。
これ以上も以下もない。どうしようもない。
このホイールを履く以上、フロントキャンバーは3度で固定である。。。
ちなみに、この3度と言うフロントのネガティブキャンバーも、7.0Jクラスでは+28のオフセットでもショックとの干渉リスクがあるため、アッパーマウント側で最大付近までネガティブ側に角度を付けた上でハブ側のキャンバー調整ボルトはポジティブ側に起こして調整している。
■経験不足ではバランスを取るのが難しい
際どいながらもフロントに3度、リアは調整不可だが1度半程度のキャンバーとなっているので、アライメントについては現状これ以上はほぼ調整しようがないセットで走らせてみる。
フロントも舵角を大きくする事に対して余裕が出てきた分、ヘアピンも曲がり易くはなったがハンドルに頼るコーナーリングではボトムスピードも落ち込み、パワー不足とトラクション不足によって立ち上がりのロスも大きいので、もう少し楽に曲がれる様にフロントの減衰を緩める方向で検討する。
減衰を緩めておけば、フロントに荷重が乗り易くなるので初期の回頭性も良くなり、立ち上がりでは伸びやすくなる分アクセルオンでフロント荷重が抜けても接地を促せるからだ。
確かに曲がり易くはなったが、高速コーナーではリアが滑りやすくなった印象に。
フロントの摩耗は穏やかなのにリアタイヤの摩耗が激しく、それも外側ばかり摩耗が目立つようになったので、良く言われる通りリアのキャンバーが足りていないのだろうと考えていた。
解決策にはアフターパーツのキャンバープレートなどがあり、それを利用してリアのキャンバーを稼ぐ人も多い様です。
もう少し減衰調整などを試して改善が難しい様ならキャンバープレートも検討してみようと考えていたのですが、どうもそんな事ではなさそうである。
フロントの減衰を緩めるとステアリングレスポンスは良くなり、立ち上がりのトラクションも随分マシにはなるが、ターンインでのダイアゴナルロールが過剰になって悪影響が出ている事に気付く。
ご覧の通り、対角のリアが完全に浮き上がっているので、リアは外側のタイヤグリップだけに頼って外側摩耗を誘発。
フロントに対してリアのグリップも大幅に低下するので、車速を上げてコーナーに進入すると前半で滑り易い状態となり、アクセルオンのタイミングが遅れてしまう。
リアのスプリングレートを下げればもう少し伸びを稼げるかもしれないが、リアのロール自体も大きくなるので、トーションビームだと沈む外側につられて内側が思う様に伸びない。
かと言って、純正並に柔らかいレートにすると、今度はアクセルオンでフロントの荷重抜けやロールオーバーを誘発する事になるし、ではリアの減衰を締め上げるか…なんて事をすれば結局リアの伸びも悪くなるので本末転倒だ。
それなら潔く、フロントの減衰は固めに設定してダイアゴナルロールその物を抑え込んでおく方がマシだろう。
トーションビームではリアの内輪が浮き上がるのは仕方がないと言う意見も多いが、ラップタイムも速く安定感のある走りをする人の車を観察していると過剰なインリフトは起きていないので、FFであっても速さを求めるにはリアのグリップも重要である事がわかる。
現状の一本クヌギのラップタイムもベストで36秒5と、オープンデフのNA1.5Lである事を考えれば遅いタイムではないが、NAの軽自動車でも35秒台で走る人もいるのでもう少し頑張りたいところ。。。
ただ、現状の手応えでは最良でも36秒フラット~35秒後半が私のレベルでは限界だと思うので、フロントは固めのまま機械式デフでトラクションを稼ぐ方向にシフトして考えるのが手っ取り早いかもしれない。
FFの経験が浅いので乗り方もセッティングも探りながらとなるため、なかなか正解が見えてこない。
経験不足では独立していないリアの足回りが厄介で、単純にスプリングレートや減衰だけではイメージ通りに伸縮してくれないのでバランスが取り難いのだ。
その分、好奇心は満たされるので、触っていて面白いとは思うが(笑)
現状では、こんなに長々と書いておきながら単なる”印象”の域を出ない話で終わってしまうので、期待して読みに来た方をガッカリさせてしまったかもしれない。。。
今後も色々と試して、何か上手くいった事や閃きなどがあれば追って第二弾の記事を書こうと思います。