オマエラー!!ラジエターキャップをちゃんと交換しろー!!

サーキットを走る人など、オーバーヒートを恐れてラジエターを大きな物に替えたり、追加メーターを取り付けて数値と睨めっこしたり、高価なクーラントに替えて神に祈ったりと何かしら対策をする人も多いですが、現実にはノーマルでサーキットを走っても真夏に長時間連続走行するレースでもしない限り、そうそう深刻なオーバーヒートに至る事ってないですよね。

最近はわざわざ交換する人も少なくなった気がしますが、社外品のカッコいいデザインのラジエターキャップに交換して、替えたらそれっきりって人も少なくはない。

軽く見られがちなラジエターキャップですが、実は”超重要な部品”です!(ラジエターキャップの役割についてはこちらの記事参照)

これが悪くなっちゃうと主な前兆として、最近冷却水の減りが早いな~とか、キャップ周りが濡れて甘い香りがするなんて症状が出て来るので、気が付いたら今すぐ交換しろ!

末期になると、冷却装置の内圧が保てなくなってオーバーヒートしやすくなる、または、閉じた状態で固着すると最悪の場合は逃げ場を失った圧力でホースやラジエター破裂などに繋がる恐れがある。

意外と知らない人が多いんだけど、ラジエターキャップの推奨交換時期ってご存知?

一応、推奨は1年で交換って事になってます。。。

ただ、本当に1年でダメになるのかと言えば、余程過酷な条件で使用していない限り大丈夫だと思いますし、普通に乗る分には10年くらい未交換でも特に症状はない場合も多いですが、高価な部品ではありませんので2~3年に1度、せめて車検の度に交換すれば夏を恐れる事もないし、安心して旅行などにも乗って出掛けられる。

冷却系の強化だのなんだのと言う前に、前提として”基本的な整備”を怠ってはならないのだ!

…って事で、話は終わってしまいましたが(笑)

せっかくなので、今日はマツダ2ロードスターのキャップを交換したついでに気付いた事を。

ロードスター用のラジエターキャップに隠された秘密が明らかに…!?

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◆ラジエターキャップの交換方法

◆流用例も多いマツダ2とロードスターのキャップ比較

■ラジエターキャップの交換方法

ラジエターキャップの交換くらい、説明するまでもないだろ~って思う人も多いでしょうけど、みんなが車に詳しいわけではありませんからね。

中には、ラジエターキャップって何??って人もいるかもしれません。

コイツがラジエターキャップだ!

中にはリザーブタンク側に付いていたり、ちょっと変わった形をしている物もありますが、大体の車種は写真の様にラジエターの上にカレーパンマンの頭部みてーな形をしたキャップが付いている(笑)

察しの通り、これを外して取り換えるだけの作業ですが、くれぐれも注意して欲しいのが走行直後など”冷却水が温まっている状態でキャップに触れない事”を徹底してくださいね!

中身のLLCは主成分がエチレングリコールと言う猛毒(少々手に付着した程度ではどうって事ないですが)ですし、加熱されてラジエターの内圧が上がっていると、キャップを外した途端に高温のLLCや蒸気が吹き出して大やけどを負う恐れがあるので、必ず冷えている状態で作業してくださいね。

主流のこのタイプのラジエターキャップは、反時計回りに回すと簡単に取り外せます。

たまに開けた時に少量漏れる事があるので、心配な方はキャップの周りに要らないタオルなどを敷いておくと良いかも。

あとは逆の手順で新しいキャップを取り付けるだけ。

新しいキャップは少し手応えが固いかもしれませんが、しっかり確実に締めておきましょう。

たったこれだけのお手軽作業で交換が終了しますし、新品部品も1500~2000円程度なのでケチらず2年毎には交換しておきましょうね!

左の新品と、右の古いキャップを比べてみると、外観上はゴムパッキンの部分にクセが付いて変形している程度で、見た目では状態の良し悪しを判断するのは難しいです。

中央は指で押さえると裏側のスプリングの抵抗があり上下に稼働しますが、これも明らかな固着などなければ正常かどうかを判断するのは難しいですね。

なので、パッキンが切れたり極端な変形でもない限り、大丈夫と思って使い続ける方も多いですが、判断が難しいからこそ定期的に交換するのが望ましいです。

ちなみにこちらはNDロードスターラジエターキャップ

ラジエター上部でもなければリザーブタンクでもなく、ホースの途中に付いていますが、これはロードスターラジエターがコアサポートの下に隠れているため、単純に作業性の問題からこの位置に付いているだけだと思います。

これも取り付け方の見た目は違いますが、交換方法は全く同じです。


■流用例も多いマツダ2とロードスターのキャップ比較

ご存知の通りマツダ2(DJデミオ)とNDロードスターは、内部の仕様こそ違いますが同じP5型のエンジンとなっており、ラジエターキャップも共通…と思っている人も多いですよね。

実際、社外品のキャップを見てみると、どちらも同じ品番で対応する様になっています。

…が、実は違う。

完全に互換性があるかどうかはともかく、純正部品はマツダ2用(マツダ純正品番:PE01-15-205)とロードスター用(マツダ純正品番:PE11-15-205)は品番が異なります。

表面上の見た目では、マツダ2用のキャップには圧力表示の刻印があるのに対し、ロードスター用はラベルのシール以外に記載などはない。

どちらもFL22型で加圧弁圧は1.1kg-f/c㎡となっているので、一応互換性はあるはずです。

では、何故わざわざ別品番で分けてあるのか?と気になるところですよね。。。

ちなみに純正部品の価格は”ロードスター用の方が数百円安い”ので、ケチってロードスター用をマツダ2に流用するのかと思ったらそうではなく、刻印入りがカッコイイと言う理由からマツダ2用をロードスターに流用する人が多い様です(笑)

ちなみに、キャップの裏側がどうなっているのかと言うと、まずはゴムパッキンの部分。

ここの径が異なり、マツダ2用(右)に比べてロードスター用(左)は外径で2mmほど小さい。

…何故??(汗)

試しにマツダ2用をロードスターに取り付けてみても問題なくキャップを締める事は出来ましたので、どこかに干渉するとかそんな問題ではなさそう。

逆にロードスター用をマツダ2に取り付けてみた感じも特に問題はなさそうですが、パッキンの径が小さいとしっかり密閉出来ているのかちょっと心配にはなりますよね。。。

念のため、ロードスター用を他車に流用するのは控えた方が良いかも?

また横から覗き込んでみるとココにも違いがあり、圧力弁のスプリングにカバーが付いているのがロードスター用(左)、スプリングが剥き出しになっているのがマツダ2用(右)となっています。

この部分については写真ではサイズ感が分かり難いですが、カバーの径の方が細いところを見ると内部のスプリングの巻き径が小さいと思われるので、スプリングが小さい分軽い可能性がありますね。(圧力弁圧が同じなので、スプリングのレートは同じはず)

“まさか”とは思いますが、マツダお得意の”グラム作戦”とやらで、こんな部分まで重量を削いでいるって可能性があるかも?

マツダ2だけでなく、CX-3CX-5マツダ3などなど、このラジエターキャップが共通部品となっているのに、なぜか”ロードスターのみ品番が違う”のだ。

さすがに考え過ぎな気もしますが、マツダだったらやりそうな気がしなくもないので、わざわざ専用品番になっている理由が他に思い付かない(笑)

って事で、僅かな差でも確認できるように0.0001g単位で測定可能な精密天秤を使って比較してみた。

…が、それ程の精度が必要ないくらい差があるようで、なんと10gも違う(笑)

ゴムパッキンを小さくして数グラム、スプリングを小さくして更に数グラム…

単なるラジエターキャップだと思っていましたが”同じ物”が10gも違えば、もはや”同じ”とは言えないですよね。

本当にコレがマツダのグラム作戦に含まれている部品なのかは不明ですが、軽量化している物をわざわざ重たい物に交換するのはちょっともったいない気がします。

ロードスターを愛するなら、是非ロードスター専用の純正ラジエターキャップを使いましょう♪

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