以前、DJデミオがビッグM/Cでマツダ2へ改名(厳密には海外モデルと名称統一)され、気に入って買っちまったよ!って記事を投稿しました。

デザインや内装の質感などについては過去の記事で紹介しているので、そちらを読んで頂くとして。

走行レビューは後日投稿すると言ったまま、随分経ちましたよね。。。

今更なんですが、先日マツダ2を車検に出したところ、たまたま代車でお借りしたマツダ2が改良型の高圧縮エンジン搭載モデルとなっていたため、改良前後の比較も兼ねてレビューしてみたいと思います。

燃費もパワーも改善されている様ですが、どれくらい差があるのかな??

普段使いはもちろん、サーキット走行を視野に入れたユーザーにもオススメ出来る車なのだろうか?

◆Mazda2は改良前後で何が違う?

◆改良型のパワーアップは体感できるのか?

◆市街地走行からワインディングの印象は良好

◆サーキット走行の入門車両にも最適!

■Mazda2は改良前後で何が違う?

名称がマツダ2へと変更される以前から、同じDJ型にはデミオが存在するので、厳密にはデミオから数えるべきかもしれないが、日本国内に於いてはマツダ2の名称が使われ始めてからマイナーチェンジはそれ程多くはない。

なので、ここでは私のマツダ2を前期と位置付け、全グレードに高圧縮エンジンを採用した改良型を後期と呼び分ける事にする。

ちなみに現行型は再びデザインも変更され、リラックマのニセモノみたいなプリティな車となっているが、グレードの見直しや装備こそ若干違えど、エンジンなどの主要部分に大きな変更は見られないので、ほぼ同じだと思って差支えないだろう。

気になるのは、エンジンが変わる前と後の違いである。

こちらは、私が購入した前期で、1.5Lのガソリンエンジンに6速MTのブラックトーンエディションと言うグレード。

現在は既に車高を下げてホイールまで変わっているが、購入当時のノーマルはこんな感じです。

デザインについての詳細が知りたい方は過去の記事を読んでください。

んで、今回お借りしたのは後期です。

デザインが変更された現行モデルがあるので、中期と言うべきかもしれないが。。。

こちらも1.5Lのガソリンエンジンを搭載した、同じブラックトーンエディションと言うグレードですが、ご覧の通り外観上のデザインは全く同じですね。

唯一の違いはホイールのデザインで、好みは分かれると思うが、これを交換してしまえば前期と後期の差は何もない。

尚、サイズはどちらも同じ16インチの5.5J+40となっており、装着されるタイヤサイズも185/60R16で共通となっている。

装備されるブレーキのサイズなども変更はなく、履けるホイールやタイヤのサイズも全く同じなので、ランニングコストに差はない。

見ての通り、洗い易さは前期の方が良好でしょう(笑)

内装については全く同じで、何一つ違いは見当たらない。

強いて言えば、エンジン始動直後にセンターコンソールのインフォメーションディスプレイに後部座席のシートベルトリマインダーが警告表示される様になっている点と、マツダコネクトのファームウェアVer.が少し新しいくらいの違いであり、ディスプレイサイズなどに変更はない。

尚、これは前期と後期の違いではなく私のマツダ2との違いですが、こちらの車両はATとなっています。

搭載されているのは先日レビューしたCX-3と恐らく同じトランスミッションで、6速のトルクコンバータ式ATはマニュアルモードに加え、なんとハンドルにはパドルシフトが装備されている。

ギア比はCX-3と共通ですがファイナルギアが異なり、マツダ2の方がハイギアとなっていますが、タイヤ外径の差もあるので各ギアのトップスピードに大きな差は見られない。

MTとAT比較でも大きな差はありませんが、ATの方が3速まではややクロス気味で4速以降はワイド。

レブリミットはどちらも同じ6800rpmの設定となっています。


■改良型のパワーアップは体感できるのか?

そしていよいよ本題の、前期と後期の最も大きな違いがこちら!

前期と後期の違いは搭載されるエンジンである。

これは前期の1.5Lガソリンエンジンの写真ですが、エンジンカバーを取り外せばご覧の通りシンプルだ。

対して、こちらが後期の1.5Lガソリンエンジンとなりますが、真上に銀色の物体が乗っかっており、全車エンジンカバーが廃止となっている(笑)

代わりにボンネット裏にインシュレーターが装備されているのでちょっとうらやましいが、この銀色の物体の機能はともかく、目立つところにドカッと置かれているのは後付感があって見た目がよろしくないのは後期の欠点だろうか。

ちなみにこの銀色の物体の正体は何かと言うと、こいつが最近の車にちょこちょこ採用され始めた噂のEGRクーラーと言う装置である。

細かい仕組みまでは確認していませんが、全体が排気再循環のラインで、中央には恐らく水冷のヒートエクスチェンジャーと思われる箱が付いているのが確認出来る。

循環量やタイミングはインテークに取り付けられたソレノイドバルブで制御している様ですが、径を見てもわかる通り結構容量は大きいですね。

この装置によって循環させる排気を冷却する事で、従来のEGRより更に燃焼温度を下げてノッキングを抑制し、高圧縮化によるパワーアップと熱損失低下による燃費向上を実現するのである!…との事。

その圧縮比ですが、従来の12:1に対し、改良型では14:1と言う目ん玉飛び出しそうな数値を弾き出している!(ミラーサイクルなので、見掛けの数値ほど圧縮圧力が高いわけではない…と思う)

…が、実のところこの装置によって14と言う圧縮比を達成しているわけではなさそうなんですよね。

改良前から存在するモータースポーツベースの15MBと言うグレードは、EGRクーラーを装備しなくても圧縮比14のエンジンを搭載していたので、無くても高圧縮比を実現する事は可能。。。

ただ、15MBはオクタン価の高いハイオクガソリンを使用するエンジンだったのに対し、EGRクーラーを装備した後期エンジンは全車レギュラー仕様となっているのは、やはりEGRクーラーの力なのか。

マツダ2自体の動きやフィーリングについてのレビューは次項からお話ししますが、とりあえず改良前後の差について先に結果報告すると…

燃費については、確かに前期より後期の方が良さそうです!

加速時はマニュアルモードで当然の様に4~5000rpm程度まで回して、気を遣う事なく普段通りに乗り回してみましたが、私の前期型に比べて平均燃費がリッター当たり2km以上も上回っています。

お借りしている車なので400kmほどしか走っていませんが、表示は20km/L前後で増減しているので、大体これくらいの燃費だと思って差支えないかと。(私の前期は18km/L前後)

尚、ATの使い勝手(マニュアルモード)はMTと遜色ないくらい素早く自在なシフトチェンジも可能ですし、アクセル操作に対しても遅れる事なくエンジンの回転はついてきますが、肝心のパワーについては体感はできず(笑)

パワーアップしたと言うのだから悪くはなっていないのでしょうけど、サーキットなどを走るとしても絶対後期を買わなきゃ!と言う程の差はなく、6馬力のパワー差による加速力は誤差レベルと考えて良いでしょう。

気にする事なく前期でも後期でも好きな方を選びましょう!

個人的には、余計な物が付いていない分、むしろ前期の方がトラブルのリスクは低いんじゃないかな?なんて。


■市街地走行からワインディングの印象は良好

この車を候補に考えている人の多くは、普段の通勤やお買い物の足としての用途が多数派で、時々ドライブなどに出掛けた際に長距離走っても疲れないのか、乗り心地は悪くないのか?などを心配する、ごく一般的な層だと思います。

しかし足車とは言っても、やっぱり高いお金を払ってマイカーに選ぶならオシャレなデザインが良いし、なるべく安っぽい内外装は避けたいし、乗り心地も良くて、運転し易くて、人や荷物も載せられて、燃費も良くなきゃイヤだ!

…かと言って、高速道路の合流でしっかり加速してくれなきゃ困るし、制限速度以下でチンタラ走ってる車をぶち抜きたいし、なんならサーキットでも楽しい車が良い…けど、高い車を買うお金はないから安くなきゃ困る。

そんな都合の良い車があるわけねーだろ!…と言いたいところだが、あるんだわ!!

それがMazda2である(笑)

マツダ2の何が凄いかと言うと、まずその価格である。

最低グレードなら新車が160万円台~となっており、同価格帯のライバル車種ではスズキ・スイフトホンダ・フィットトヨタ・ヤリスなどがあるが、ハッキリ言って内装の質感やデザインの高級感では群を抜いており、とても200万円以下の車には見えない。(内外装のデザインや質感についてはこちらの記事をご覧ください)

デザインや質感の面で価格以上の満足度を備えていれば、後は気になる走行性能や乗り心地がどうかと言う点である。

質感にステータスを振った分、肝心の車の作りが安っぽくては話にならない。

まずは普段使いを想定して、市街地やワインディングで走らせてみる。

 

○サイズ感や視界はどうか

サイズは5ナンバークラスの小型乗用車で、旧規格の駐車場でも十分に収まるサイズ感は非常に扱いやすい。

今時、街を走っていて3ナンバーの普通車でも困る事はないが、そもそも必要以上に車をデカくする理由はないわけで、デパートの狭い立体駐車場での乗り降りなど、日常生活の中には意外と小さい事が歓迎されるシチュエーションは多い。

デカい車に乗っていると、狭い駐車場ではドアも満足に開けられずに這う様に乗り降りするはめになるし、欲しくもないミニバンのスライドドアだけは羨ましく見えたりしますよねえ?(笑)

かと言って、本当に小さいかと言えばそんな事もなく、大人4人が十分に乗れる広さを有しているし、フル乗車で買い物を楽しんでも必要十分な荷室が備わっている。

ただ、運転し易い車なのかと言うと残念ながら少し欠点はあって、運転席からボンネットのラインは見えないので、慣れないと鼻先の位置が分かり難いため、狭い場所で方向転換する際には前方の距離感を見誤らない様に注意が必要。

しかし、今時の車にしては珍しく後方視界に優れるので、意外と死角は少なく、ミラーだけでも後方の状況が把握し易いのはGood!

最近の車なら当然だが、全方位にクリアランスソナーが付いているので何かにぶつかりそうになっても警報が鳴るし、選択するオプションによっては非常に見易い全方位モニターが付くので、初心者でも安心して乗り回せる。

 

○乗り心地やフィーリング

遮音性については良好で、普通に走っている分には自車のエンジン音すら気にならないレベルで静かである。

しかし、アクセルを踏み込めばスポーツカーさながらの迫力のあるエンジンサウンドが響き渡るので、ついついぶん回したくなってしまう中毒性のあるエンジンが罠でしょうか。

中身の仕様こそ異なるものの、NDロードスターと同じP5型エンジンを搭載しているので非常に良く似た音がする。(遮音性がまるで異なるので、ロードスターほどの迫力はないが)

排気音も比較的静かではあるものの、歯切れ良く、乾いたサウンドはかわいらしい車の見た目からは想像も出来ない程カッコイイですよ(笑)

高回転までエンジンをぶん回せば、比例して音量は増し、音の周波数も上がって行くので窓を開けて聞きたくなる。

お陰様で、マフラーは慣らし運転が終わった直後に、あっと言う間に焼けて虹色に変わるのだ(笑)

トランスミッションについてですが、ATの場合はシフトショックもほとんどなく、素早いチェンジで滑らかに加速していくが、AT任せにしていると減速時のシフトダウンはルーズなので急制動時はやや不安定になり易い。

積極的にエンジンを回すなら、是非マニュアルモードでシフト操作とセットで考えておこう。

MTについては、シフトのフィーリング自体はまるでおもちゃのシフトノブを扱っている様なチープな感触ではあるものの、非常に扱い易く、指先で摘まんで動かす様なラフな操作でも引っ掛かる事なく自在に扱えるのでストレスは感じないし、1速固定でのろのろ動いている範囲に於いては、ATに比べてギクシャク感はないので好印象。

また、駐車場での極低速や、30km/h以下で曲がる交差点などでのハンドリングについては、軽自動車の電動パワステの様なスッカスカな手応えではなく、ハンドルを通してしっかりセルフアライニングトルクを感じる事が出来るし、手応えも適度な重さで違和感なくダイレクトな感触は良いですね。

どの程度切り込んでいるのか、路面がどんな状態なのか、低速でも十分に感じ取れるだけのインフォメーションが備わっているので、交差点でお釣りを貰う様な醜態を晒す心配もない。

足回りの動きについては、マツダ2も含めマツダ車全般で足が固いと言う評価が多いが、少々荒れた路面や段差を越えても突き上げる様な衝撃は全くないし、かと言ってフワフワするわけでもなく、むしろバランスが取れていて良好でしょう。

まあ、後述するワインディング走行でも感じましたが、ややスポーティな感触である事は間違いないと思いますので、他社に比べると確かに固いのかもしれない。

しかし、それがそのまま”乗り心地が悪い”と言う評価にはならないです。

フワフワして路面の状態が全く分からない方が問題なので、そんな足が最良と言えるのは後部座席に乗る身分に限定した話であって、運転席に座る者にとっては最悪のフィーリングと言わざるを得ない。

運転する上で必要な情報を感じ取るためには、適度な固さは必要なのである。


○マジで気持ちの良いワインディング走行!

気になるのは、マツダ2はスポーツカーなのか否か。

エントリーモデルで比較的コストを抑えた車種なので、主には通勤や買い物に利用する幅広い一般層をターゲットにしているのは間違いなく、走行性能を重視しているとは考え難いのですが、そのわりにはぶん回せと訴えかけて来る見易いタコメータを装備していたり、優れたステアリングフィールやアクセルレスポンスなど、スポーツカーと言っても差し支えのない走りの質感を有している。

事実、ロードスターのNR-Aに相当するモータースポーツベースのグレード15MBのラインナップがあり、ワンメイクレースなども開催されている事から、十分にスポーツ走行を楽しめるパッケージとなっているのは明らかだ。

実際に、連続したカーブの多いワインディングロードを流してみると、その挙動やフィーリングに結構驚かされるはず。

車重は1050kg以下と軽いが、出力はカタログ値で110馬力前後なのでお世辞でも速い車とは言えないものの、ブレーキングからハンドルを切り込んで行く際に軽々とノーズが入って行く様な動きを見せ、コーナーが意外と速い。

フロントの反応はクイックですがリアはドッシリ安定していて、ロードスターの様な嫌な気配を感じる事もなく、舵角に応じてグイグイと難なく曲がるので思い描いたラインで走り易いので、初心者でも非常に扱い易い車だと思います。

ステアリングの手応えも抜群で、深く切り込んで行く際の過渡特性も良好。

軽自動車やコンパクトカーに多いぐにゃぐにゃ感はなくインフォメーションに優れるので、少々飛ばした程度では修正舵も最小限で済む。

足回りの動きについては減衰までが早めのバウンス特性で、ギャップを越えた際に1~1往復半程度で収束するスポーティな動きを見せる固めのセッティングとなっているが、ややロールは大きめで、カーブへの進入速度を上げると旋回開始の初期にロールオーバー気味の挙動が現れ易いです。

しかし、そのままリアが制御不能な程滑り出す挙動とはならずにノーズが入って行き、それについて来る様に緩やかにリアが動く(外側に滑っている感じではなく、まるで内輪差が無い様な印象の動き)ので、ヘアピンの様なカーブでもそこそこ速いスピードを保ったまま曲がって行ける。

この動きのせいなのか、前輪駆動なのにフロントよりリアタイヤの摩耗が早い(笑)

軽さと適度なパワーで扱い易い事に加え、優れたハンドリングや安心感のある挙動を見せる足のセッティングで、ワインディングも非常に気持ちよく走れるが、少し気になるのはギャップを越えた時のリアの妙な動きである。

特に、旋回中に車体が上下にバウンドする際に強く感じますが、これはトーションビーム特有の動きで、リアが左右に揺れて一瞬滑った様な動きがあります。

フロントは素直に旋回しているのにリアが揺さぶられる様な動きは、ブッシュの捻じれによるトーコントロールが働くために発生する動きなので、滑っているわけではないし、これによって挙動が乱れるわけではないのですが、慣れない内はちょっと気味の悪い動きですよねえ。

私も最初は何かわからず咄嗟に反応して、ハンドルを戻す方向に修正舵を加えたり、アクセルを緩めたりしましたが、構造を見るとリアのアクスル全体が回転する様に動く様になっていて、荷重の掛かった外側の車輪はトーイン方向に、内側の車輪はトーアウト方向に動く。

この際にリアが左右に揺れる様な動きを感じると言うわけ。

これを嫌ってブッシュを固めてしまうと、所謂トーコンキャンセルと言う事になるのだと思いますが、それでは単なるリジッドアクスルと変わらなくなってしまうので、トラクション性能は低下するし、マツダ2の利点と言えるアンダーを相殺する程良いリアの動きは失われてしまう恐れがある。

標準状態で非常にバランスの良い、気持ちよく走れる仕様に仕上がっているので、下手に触らない方が良さそうです。

それくらい完成度は高い。

価格も考慮すると良い意味で異常であり、利便性も兼ね備えた万能型のスポーツカーと言って差支えないでしょう。


■サーキット走行の入門車両にも最適!

既にワインディングでペースを上げても好感触だと感じているが、もっと高負荷を掛けて走らせるサーキットでも満足できるのだろうか?

サーキット走行に於いては、今時の車なので買った状態でそのまま持ち込んでも何ら問題はない。

強いて言えば、速度域の高い大きなサーキットへ行く場合は、耐熱性の高いブレーキパッドに変更する程度でとりあえず走れるでしょう。

今回は低速コーナーの多いミニサーキットでのチェックとなります。

ご覧の通りフルノーマルの状態なので、車高やタイヤはもちろん、ブレーキパッドも純正のままです。

まず直線加速については、ロードスターより低回転のトルクは出ている様で一瞬期待してしまうのですが、加速感が増す3000rpm以上になってもやはり速くはない(笑)

回転の上昇も鈍る事無く上まで回るものの、ピークは5000rpmを超えた辺り、6000rpm以上については惰性で回っている感じです。

ただ、速くはないが遅いと言うわけでもないので、初心者でも恐怖感はなく、そこそこ気持ちの良い適度な加速で雰囲気は楽しめる。

そのまま車速の乗る1コーナーに突っ込んでみると、まずはフロント外側に全荷重が乗っかる様なダイアゴナルロールを感じるのはロードスターに似ているが、そのままリアが流れ出す事もなく緩やかについて来る動きでアンダーはまるで感じない。(前述した通りリアが滑るわけではなく、内輪差が無いか、むしろフロントより若干外の軌道を通る様な印象の動き)

軽さに加えて4輪のバランスの良いグリップを活かしてロードスターと大差ない速度でターンインをクリアできるし、舵の操作を加えても修正が効く程度の余裕も十分あり、高速旋回中のスキール音(タイヤの鳴き)も一定なので、剛性がしっかりしていてバタつかない証拠とも取れる。

ただ、旋回中のアクセル操作に対しては、大胆に開けると内輪の空転を助長するだけで前に進む感じではないので、失速させずに車速を保つ程度のアクセル操作に留まるのはオープンデフなので仕方がないか…?

ちなみに、中ストレートなどハードなブレーキングを要求されるシチュエーションでのペダルのタッチ感自体は悪くないが、シフトダウンを伴う場合にヒール&トゥでアクセルでブリッピングを加えると、これが噂に聞くオーバーライドシステムなのか、体感的にペダル踏力が一定でも一瞬ブレーキがやたら強く効く様な挙動が現れ、ペダルをリリースしてもまるでパッドが貼り付いている様な感触のまま減速終了がワンテンポ遅れる。

ロードスターではこれ程ハッキリとは感じないが、この動きのせいで減速過剰になり易いので、マツダ2でスポーツ走行をする際にはBOSをキャンセル(エンジン始動後、ブレーキを踏んだままアクセルを3度踏む)しておいた方が良いかもしれない。

また、ワインディングや大きなサーキットではほとんど気にならないが、ジムカーナやミニサーキットの様に1速を使って曲がる超低速ヘアピンなどのタイト過ぎるコーナーが唯一の弱点か?

まあ、ロードスターはこのシチュエーションが異常な程速い車なので比較対象が間違っているのかもしれないが、マツダ2で低速ヘアピンを素早くクリアしようと思ったらかなり辛い。

タイトコーナーであっても、まるでアンダーとは無縁の動きは見せるものの、ターンインをクリアしてからアクセルを加えるととてもそうはいかない。

オープンデフのままでは大きくロールしたまま前輪にトラクションを掛ける事が難しいのは仕方がないにしても、高速コーナーでは緩やかに外側の軌道で動いてくれていたはずのリアがだんまりを決め込んでまるでついて来なくなる。

入口ではリアが軽く流れる様な気配を感じていても、舵角が大きくなるとリアのコンプライアンストーインが大きくなるのか突然動きは止まり、ドッシリ安定方向で危険な挙動が出難いと言えば聞こえが良いが、ちょっとくらい滑って向きを変えて欲しいと言う願いは無視されるのだ(笑)

FRでサイドブレーキを使って抵抗を掛けてやる様に、左足で軽くブレーキを掛けてやればFFでもLSDに近い動きが出せると思ったが、試してみると前述したBOSの挙動なのか失速のロスの方が大きくて小技も使い物にならないのでお手上げである。

…と言うより、ノーマルシートのホールド性自体はそれ程悪くないが、さすがにタイトコーナーを曲がっている最中にバケットシート無しで両足を浮かすとなると、ドアパネルに肘を突く姿勢になるのでペダル操作の加減も良くわからず、単純にブレーキを踏み過ぎている可能性もある(笑)

余計な事はせず、そのまま惰性だけで曲がればアンダーは出ず、ストレスを感じる事もなく素直に曲がれるので只管待つしかないのは理論通りと言えばその通りですが、アクセルで曲がると言う感覚は機械式デフを装備してからの話になりそうです。

また、低速コーナーの立ち上がりについてはFFの宿命か、やはりオープンデフのままでは引っ張れないので、立ち上がり付近は只管ロールを抑える大回りのラインを選択する事になる。

1速を使う様な超低速ヘアピンこそ苦手である点と、ノーマル足のままではやはりスラロームの様な動きで鈍さは感じるものの、全体的にはサーキットを走っても差し支えないハンドリング、コーナーリング性能、ブレーキの効きは備わっているし、アクセルレスポンスも申し分ない。

エンジン出力に対してシャシー性能が明らかに上回っているので、少なくともノーマルで走らせる範囲では初心者でも安心してサーキットを走れるパッケージに仕上がっていると思います。

動き自体は過去に乗ったシルビアなんかに比べても、断然マツダ2の方がスポーツカーらしい仕上がりなので、絶対この車じゃなきゃイヤだ!と言った拘りがなければ、モータースポーツの入門用としても本気でオススメ出来る車ですよ♪(シルビアが悪いわけではないが、現代の車に比べるとさすがに古過ぎる)

マツダ2はまだまだ値が張りますが、ほぼ同じDJデミオなら中古市場も比較的安価な車が揃っているので、学生でも手を出し易いです。

もちろん、普通に乗るのも全然ありな万能タイプなので、車選びに迷っている方は是非候補に加えて検討してみてください!

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