以前に投稿した記事で、車のフィルター類は1年1万kmでどの程度汚れるのか?交換は必要なのか?と、実際に新品と比較して汚れ具合のチェックをしました。

シビアコンディションだとしても、メーカーの推奨交換時期より短い1万km程度では大した問題にはならない印象でしたが、それでは2年2万km使用したフィルター類はどうでしょうか?

12km少ないとか細かいツッコミは無しで(笑)

前回はNDロードスターでチェックしましたが、今回はマツダ2(DJデミオ)でチェックしてみたいと思います!

尚、車の使用状況については、ロードスターと同じく通常の街乗りや高速道路での使用から、ミニサーキットの走行までこなしているので、大体同条件と言った感じ。

街乗りでも常用する回転域は加速時に4~5000rpm、巡航でも2500~3000rpmくらいなので、標準的なユーザーに比べると比較的高回転でガンガン空気を吸わせている様な条件ですね。

2万kmは、シビアコンディションであればメーカーの推奨交換時期を5000kmほど過ぎている辺りで、該当しない場合は5000~1万kmほど早い時期となりますが、おおよそ交換が望ましいタイミングになると思います。

本当に交換しないといけないのかな?案外大丈夫かな?

それでは実際にチェックしてみましょう!

関連記事:車の各種フィルターを点検 1年1万キロでどれくらい汚れるのか

◆エアコンフィルターをチェック!

◆エアエレメントをチェック!

■エアコンフィルターをチェック!

エアコンフィルターについてはエンジンと直接関係ないので、使い方自体にシビアコンディションも何もありません。

強いて言えば、砂埃の多い道路やオフロードを良く通るとか、常に外気で送風MAXとか、そんな使い方でなければ推奨の交換頻度で問題ないでしょう。

エアコンフィルターはおおよそ一律で1万~15000km辺りが推奨交換時期となっていますので、今回の例ではちょっと交換時期を過ぎている事になりますね。

こちらが新品のエアコンフィルターです。(マツダ純正品番:DB9L-61-J6X)

ロードスターと違って標準でエアコンフィルターが装備されているので、交換用のフィルターカートリッジも純正部品が設定されています。

車種にもよりますが、標準のフィルターは社外品も含め大体2500~3000円くらいで販売されており、花粉除去や抗菌効果だったり脱臭機能が付加した様な高級タイプでも5000円前後と言った感じ。

ちなみに、エアコンフィルターには向きがあるので、取り付け時は注意しておきましょう。

…とは言っても、上下の爪の形状が異なるので、付く様にしか付かないとは思いますが。

今回はマツダ2(DJデミオ)の例となりますが、大体の車種はグローブBOXの奥にエバポレータやブロアモーターがあり、そこを通過する前にエアコンフィルターが取り付けられています。

グローブBOXの中身を全部出してから、矢印で示した辺りを内側に向かって両手で押さえながら手前に倒しましょう。(車種によってはヒンジ脇にダンパーなどが付いている場合があるので注意)

この様に、べろ~んと開きます。

BOX自体は下段に引っ掛けてあるだけなので簡単に取り外せる物も多いですが、マツダ2の場合は特に邪魔にはならないのでこのまま作業して問題ありません。

普段はグローブBOXに隠れている裏側を覗き込むと、こんな感じでエアコンフィルターのカートリッジが装着されているので、指で爪を押さえて手前に引き抜いてください。

車種によってはネジ留めされていたり、周辺部品を分解しないと交換出来ない複雑な構造となっている場合もありますが、最近の車は簡単に交換できる物が多いですね。

しかし、なんだかカートリッジが黒いですね。

私が用意した物は白いですが…

それでは比較してみましょう!…って、なんじゃこりゃ!?

そうなんですよ。これ、純正オプションの高級フィルター(純正品番:D09V-V9-030)が装備されていた事を忘れていたんですよね。。。

対して、今回用意したのは標準のエアコンフィルター

ろ布の色が全然違うので写真では汚れ具合の比較が難しい。。。

それより密度が全然違っていて、ろ布の折り返しが少ない標準フィルターはスッカスカに見えます。

表面積が全然違うので、当然集塵能力にも大きな差があるし、送風抵抗も少ないでしょう。

材質による差があるのかと思っていましたが、こう言う差の付け方は反則でしょ!(笑)

色味では汚れ具合の比較が難しいですが、とりあえずろ布を広げてみたら、砂埃や綿の様なゴミが結構引っ掛かっています。

しかし、送風量は落ちていないし、この程度の汚れならまだまだ全然使えそうな気がしますね。

3万kmくらい使っちゃっても問題ないかも??

フィルターカートリッジの交換は、先程取り外した穴にスロットイン!

上下を間違えない様に注意しながら押し込み、爪がしっかりロックされた事を確認すればOK。

あとはグローブBOXを元通りにすれば交換作業は完了です。


■エアエレメントをチェック!

さあ、続いてエンジンの方を確認してみましょう。

エアエレメントはご存知の通り、エンジン内部に異物が入らない様に空気をろ過している重要な部品ですね。

これが目詰まりしてしまうと、ゴミは吸い込まないにしても燃焼に必要な空気も足りなくなってパワーダウンや燃費悪化に繋がる事も。

コンディションを保つためにも、定期的な点検と交換が強く推奨されます。

エアエレメントはエンジンルーム内のBOXに入っています。

こちらもマツダ2(DJデミオ)の例ですが、まずは赤丸で示したホースバンドのボルトを緩めて、BOXからホースを引き抜きましょう。

構造的に、たぶんホースを引き抜かなくても開ける事は出来そうですが、やけに開き難いので。。。

続いて、矢印で示した左右2ヶ所にあるクリップを外せばBOXのフタを開ける事が出来ます。

エアエレメントの交換だけなら、エアフローセンサーのコネクタは取り外さなくても問題ありませんが、邪魔に感じる場合は引き抜く事で作業性が更に良くなると思います。

フタを開けばご覧の通り、エアエレメントが直接確認出来るので、あとは手で掴んで引っ張り出し、新しいエレメントに交換するだけです。

しかし、これを見た感じだとほとんど汚れていませんね。

…と言うのも、こちはろ過後の空気が出てくる出口側なので、万が一こちら側にゴミや砂埃があったら結構ヤバいです(笑)

まあ、社外品の中にはそう言う症状の出る粗悪な物も時々あるのでご注意あれ。

大きなゴミや小石などでなければ即座にトラブルに発展する例は稀ですが、粉塵などを吸い込み続けていると徐々にダメージも蓄積されていくので、そう言った異常を早めに見付けるためにも交換時期に限らず時々開いて目視点検するのが良いでしょう。

それでは取り外した2万km走行後(左)と、新品(右)のエアエレメントを比較してみましょう。

こちらは先程言った出口側なので、表面の汚れや異物の付着は見られませんが、比べてみると少し黒っぽくなっている様に見えますね。

汚れが引っ掛かるのはこちらの入口側なので、これは明らかな違いが見られます。

単純に異物が引っ掛かっているだけでなく、ろ布自体も変形したり表面の毛羽立ちが見られたりと、ちょっとくたびれた様子。

異物は引っ掛かっていますが、2万km使用しても思った程汚れてはいませんよね?

本当に交換が必要か?と言われると、まだまだ余裕はありそうですし、そもそも推奨交換時期はコンディションを保てている内に交換しましょうって目的なので、使えるか使えないかで言えばまだまだ使えるのは間違いないと思います。

実際、何の不調もなく動いていますしね(笑)

ただ、調子が悪くなってからでは遅いので、素直にこの辺で交換しておくのが理想でしょう。

ちなみに、エアエレメントの交換自体は特に難しい事もなく、BOXを開いて入れ替えるだけで完了なのですが、今回マツダ2エアエレメントを交換していて気付いた事が。

裏表は付く様にしか付きませんので間違える心配はないし、どう見ても左右対称の部品にしか見えませんが、何故か左右の向きに指定がある様なのです。

実は左右で微妙に違うのかもしれませんが、目視で確認する範囲では左右の差はわかりません。

良く見ないと気付き難いのですが、エアエレメントの枠に「←LEFT」「RIGHT→」の刻印があります。

逆向きに取り付けたら何か問題があるのかどうかはわかりませんが、一応指定の向きに合わせておいた方が無難でしょう。

念のためにNDロードスターの方も確認してみたのですが、ロードスターのエアエレメントには左右の方向指定はありませんでしたから、車種にもよると思います。

社外品のフィルターにも左右の指定があるのか不明ですが、取り付けの際は良く確認して作業した方が良いかもしれませんね。

関連記事
車の各種フィルターを点検 1年1万キロでどれくらい汚れるのか