今回は、車のフィルター類が使用期間1年、走行距離1万キロでどの程度汚れるのか?交換は必要なのか?実際に確認をしてみたいと思います。

車に付いているフィルター類には様々な物があり、一般ユーザーでも最も馴染みのある物がエンジンが吸い込む空気をろ過するエアエレメント(エアクリーナー)、エアコンの外気取り入れ口に付いているエアコンフィルターの他、一番交換頻度の高い物ではオイルエレメントも通常メンテで触れる範囲内だと思います。

その他にも燃料フィルターやVVTアクチュエーター、オイルパン内に付いているポンプのフィルターなどなど、フィルターと一言に言ってしまえば結構沢山の部品がありますが、これらは並のメンテさえしていればそうそう交換する機会は訪れないので今回の項には含んでいません。

新車で乗り始めて、NDロードスターもちょうど1年1万キロとなりました。

交換にはちょっと早いですが良いタイミングなので、一般ユーザーでも簡単にチェックや交換の出来るフィルター類がどれくらい汚れるものなのか、調査を兼ねて点検してみましょう!

特にロードスターの場合、ドレンフィルターのチェックは重要ですよ!

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◆エアコンフィルターをチェック!

◆エアエレメントをチェック!

◆ドレンフィルターをチェック!

■エアコンフィルターをチェック!

実のところ、ロードスターには通常エアコンフィルターはありません。

他にも標準装備されていない車種もありますが、その様な車種にはオプションや社外品で後付フィルターが販売されていたりします。

私のロードスターにも社外品のエアコンフィルターを取り付けてありますが、取り付け方法については以前書いた記事で紹介していますので、こちらをご覧になってください。

今回用意したエアコンフィルターはこんな感じ。

実は現在付けている物も、新しく用意したこちらも、枠とフィルターが分離出来る構造なので、安価にフィルターのみの交換が可能です。

ただ、現在付けている物はちょっと作りが荒いので、枠ごと取り換える事に。

こちらがロードスター用のエアコンフィルターの枠ですが、左が新しく用意した物、右は3Dプリンターで出力された物です。

使用には全く差支えなく、しっかり機能しているので気にしなくても良いのですが、なんとなく(笑)

標準でエアコンフィルターが装備されている車は、助手席足元のブロア上部に引き出し構造で取り付けられている物が殆どですので、サービスマニュアルを確認すれば簡単に交換できると思います。

では、フィルターを確認してみましょう。

さて、どちらが新品でしょうか?…なんて聞くまでもなく、全然色が違いますね(笑)

エンジンの吸気量に比べれば、エアコンのブロアの送風量なんてたかが知れていると思いますが、フィルター面積が小さいからでしょうか。

一応、エアコンフィルター自体は平均で1年、または1~1.5万kmが交換目安となっており、こちらのフィルターは特に小さいので半年、もしくは5000kmでの交換が推奨との事でしたので、倍ほど使っている事になります(笑)

ただ、新品に比べて明らかに変色はしていますし、隙間に小さな虫やゴミが引っ掛かっているものの、この状態でも送風が弱くなる様な事はなかったので、フィルターが完全に目詰まりするにはまだまだ余裕がある様ですよ。

走行時は常に外気で送風していてこの程度なので、通常の交換頻度で問題なさそうです。


■エアエレメントをチェック!

みんな大好きエアクリーナー!(笑)

エンジンの吸気を綺麗にしてコンディションを保つ他、劣化は吸気抵抗の増大に繋がってパワーダウンを招く事もあるので、サーキットを走られる方は忘れずに点検する場所だと思います。

ただ、一般のユーザーだとオイルエレメントと違ってディーラーでも車検時くらいしか薦められる事もないので、10万kmくらい走っても未交換なんて例も珍しくなかったり。。。

そう言う意味では、通常走行くらいでは差支えない程の高耐久部品なのかもしれませんが、気付かないだけでパワーや燃費の悪化は起きていると思います(汗)

通常、交換目安は2.5~3万km、シビアコンディションで1.5万km辺りが推奨となっている部品ですので、興味ないよって方でも車検を2回受ける間に1度は交換しておきたいところ。

NDロードスターエアエレメント交換はすっごい簡単♪

ボンネットを開いて正面に見えるエアクリーナーBOXは、赤い矢印の位置にあるクリップで蓋を固定しているだけなので、指でパチンッと外してやればあっさり開きます。

あとは内部のフィルターを持ち上げれば簡単に取り外せるので、新品と入れ替えるだけですね。

ほとんどの車は分かりやすい位置にBOXがあり、ロードスターと同様に簡単に開けられるものが多いですが、車種によっては周辺部品が邪魔で取り外す物が多かったり、RX-8の様にちょっと力技が必要だったりと面倒なパターンもあります。

それではフィルターを比較してみましょう。

あらら??

意外ですが、エアコンフィルターと違ってあまり汚れている様には見えませんね。。。

1万km使用した右のフィルターが若干黒っぽく見えますが、並べずに単体で見ると分かり難い程度の汚れ方で、全然綺麗ですよ。

隙間に多少のゴミは引っ掛かっているものの、1万km程度ならまだまだ全然問題なさそうですねえ。

推奨交換時期に比べてかなり早い段階でのチェックではありますが、もっとハッキリ汚れがわかるものだと思っていました。

外から直接吸っているエアコンフィルターと違い、エアクリーナーBOXの吸気口はバンパーの裏側に隠れていますから、入ってくる空気自体がそれ程砂やゴミを含んでいないのかもしれませんね。

吸気口に細工をしているとそうはいかないでしょうから、汚れ方も全然違うかもしれません。

ラムエアダクトなどを取り付けている方は1万kmでも点検した方が良いかもしれませんよ。

ノーマルだとそんなにシビアにならなくても良さそうな印象でした。


■ドレンフィルターをチェック!

幌の雨樋を伝って車内に入ってきた水を排出するための、ドレンホースが詰まらない様に取り付けられている部品がドレンフィルター。

オープンカー特有の部品…と言いたいところだけど、NDロードスター以外の車種に付いているのかどうかわからない(笑)

過去にNAロードスターNBロードスターも所有していますが、どちらも幌両脇からサイドシルへ繋がった穴はありましたが、薄いゴムの弁の様な部品が付いているだけでフィルターは装備されておらず、定期的にエアコンプレッサーや針金などで突いて掃除するのが定番でした。

NCロードスターも似た様な構造だったはずです。

NDロードスターから新たに追加された部品ですが、ネット上の報告などを見る限り、これが原因で歴代のロードスターに比べて車内浸水までの期間がかなり短くなっている印象です。

ドレンが詰まり難くなると言うメリットはありますが、フィルターが詰まれば車内が水浸しになるので、どちらが良いのか微妙なところですよね。

問題のドレンフィルターは、シート後方の幌の骨組の支点辺りの奥にあり、幌を閉じていても開けていても目視では確認ができません。

ただ、ちゃんとサービスマニュアルに目を通している方なら、ここを年に1度は清掃する様に指示が書かれているので、フィルターの存在はご存知だと思います。

どんな感じに付いているのかと言うと…

こんな感じで、赤丸で囲んだ部品がドレンフィルターです。

最も簡単な方法は、シートベルト周辺のトリムを分解して横から手を突っ込む方法となるのですが、内装を分解する自信がないと言う方はディーラーに持ち込んで清掃をお願いするのが手っ取り早い(笑)

…とか言っちゃうとネタが終わっちゃいますし、中には”何らかの理由(笑)”でディーラーにお願い出来ない方もいると思うので続けましょう。

作業方法はシンプルに、座席を前にスライドさせて後方のスペースを確保した後、シートバックトリムの裏側へ腕を突っ込み手探りで取り外します!

外し方自体は簡単なんです。

ただ、見えない位置である事に加えて、片腕しか突っ込めないので方向が分かり難く、慣れないとかなり苦戦する方もいる様です。

赤丸の位置にある爪を中指で下向きに押さえながら、スポンジの付いた突起を摘まんで矢印の方向に引っ張れば外れます。

下段は溝に嵌っているので、上部を引っ張って斜めに引き抜くイメージでしょうか。

幌を半開にする方も多い様ですが、作業性は変わらないので閉じたままでも大丈夫…と言うか同じです。

NBまでとNC以降で幌の畳み方が異なるので、完全に開けても直視できる構造ではないんですよね。

オープン時の見た目は良くなりましたが作業性は悪い。

とは言え、慣れると難なく着脱は出来るので、NDロードスターが納車されたらまずはこの日のために練習しておきましょう!(笑)

利き腕等の問題もあると思いますが、私は助手席側はあっさり。運転席側の方がちょっと外し難く感じますね。

はい、外れました。

先程見えていた樹脂製のカゴの様な部品と、その下にスポンジ状のフィルターがありますので忘れずに取り外してください。

こちらがちょうど1年の汚れ具合。

カゴの方には落ち葉などの大きなゴミが引っ掛かる様で、スポンジは泥をキャッチしてくれる様です。

汚れ具合としては一見汚い様にも見えますが、スポンジは表面の泥付着程度で思った程ではない印象。

スポンジは大した値段ではないので、気になる方は定期的に新品交換でも良いと思いますが、洗えばまた使えます。

流水で汚れを流したら、水を張ったバケツで軽く揉み洗い。

カゴの方もバケツの中で濯いで軽く水を切ればOK。

常にジメジメした様な場所の部品なので、特に乾燥を待つ必要もなく、このまま取り付けちゃいましょう。

取り付け時は向きを間違えない様に、スポンジの大きく張り出した方が車体の外側方向を向いて、先端の突起部分がフロント側を向く様に置きます。

何度も言いますが、1年程度では車内の浸水など起きないものの、ここの清掃を怠ると、ある日突然車内が水浸しなんて事も有り得るので、梅雨入り前には点検・清掃しておきましょう!

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