先日はマツダ2用に購入した車高調”クスコ・SPORT_R“の構造観察と、取り付け後の調整などについて注意点を紹介しましたが、今日は取り付け作業のお話です。

マツダ2DJデミオはマイナーチェンジの前後で外観と名前こそ変わりましたが、構造は共通となるので作業内容は全く同じです。

また、車高調の銘柄が異なる場合でも、おまけ機能の調整機構などに違いはあっても、基本的な着脱方法は同じですので、自分で取り付けにチャレンジしようと考えている方は参考にされてください。

マツダ2DJデミオはストラット式の構造で内側スペースの余裕がないので、同時にホイールやタイヤを変更する場合は取り付けが困難な場合がありますので、サイズ選択やアライメントの注意について気になる方はこちらの記事と合わせてご覧ください。

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◆マツダ2/DJデミオの足回り交換 リア編

◆マツダ2/DJデミオの足回り交換 フロント編

◆おまけ 車高比較

■マツダ2/DJデミオの足回り交換 リア編

まずはちょっと面倒なリアの方から交換手順をご紹介します。

面倒と言っても構造が複雑なわけではないのですが、車高調整用のスプリングアジャスターの取り付け時に簡単な小加工が必要だったり、トーションビームと言うサスペンション方式が採用されている都合上、左右を同時にジャッキアップして並行作業が必要になります。

リアを左右同時にジャッキアップする事自体はそれ程難しくはありません。

安定した場所である事が絶対条件ですが、まずはフロントタイヤの前方に輪留めを置いておきましょう。

リア側はサイドブレーキを掛ければ回り止めが効きますが、フロントはブレーキが掛かっていないので、ギアを入れていても絶対に動かないとは言い切れません。

写真では既にローダウンされていますが…回り止めをしたらリアバンパー裏の、ちょうどナンバープレートの後ろ辺りを覗けばわかりやすいジャッキポイントがありますので、そこにジャッキを掛けて持ち上げてやるだけでOK。

ただし、車高調を取り付けてローダウンしてしまえばそれ程高さはないものの、ノーマル状態で持ち上げようとすると車載されている純正のパンタグラフジャッキでは届きませんし、持ち上げた後に高トルクで締まったボルトを緩める作業は危ないので、安定感のあるガレージジャッキを使用し、万が一に備えて取り外したホイールを車の底に置いておく事をおすすめします。(理想はリジッドラックを併用するのが望ましいです)

無事にジャッキアップして、左右のホイールを取り外したら作業開始です。

まずはタイヤハウスの内側を覗き込み、ショック上部のアッパーマウントのナットを取り外しましょう。

こちらは14mmのソケットレンチが対応します。

あとはショック下段のメンバーに接続されている17mmのボルトを取り外してやるだけでOK!

…なのですが、これを取り外したらショック自体は簡単に外れますが、左右を同時にジャッキアップしなければ交換出来ないと言った理由に気が付くと思います(笑)

それなりに力に自信のある方なら外せない事もないのですが、この状態ではスプリングにテンションが掛かっていて取り外すのが難しいと思います。

トーションビームは左右の足回りが太いフレームで繋がっているため、片方だけ取り外しても、もう片方が外れていないとほとんど動きません。

ですから、逆側も同じ様にショックの上下のネジを取り外してショックを抜きましょう。

完全に落ちてくる事はありませんが、両側のショックを取り外すと左右のハブごと下に降りてきてスプリングが簡単に外せる様になります。

スプリングを取り外すとメンバー側に矢印で示した様な樹脂製のプレートが付いていると思います。

中にはこれを使用しない車高調もありますが、今回のクスコ・SPORT_Rでは使用しますので、説明書を良く読んで必要な部品は取り付けておきましょう。

写真では分かりやすい様にアルミ製の赤いスペーサーを置いていますが、ゴム製のスプリングシートを取り付けます。

車高調によってスプリングアジャスターを上に付けるタイプと下に付けるタイプがありますのでご注意ください。

クスコ・SPORT_Rの場合は下にスプリングシート、上にスプリングアジャスターです。

上段側には車に元々付いていたゴム製のスプリングシートが付いていますので、これに被せる様に車高調のスプリングアジャスターを取り付けます。

しかしこのままではスプリングアジャスターを取り付け出来ないので、説明書の指示に従って邪魔な部分をカッターで切り取ると言う小加工が必要。

左が加工済みの物で、未加工の右側で矢印を付けている部分の出っ張りを切り落としてやる感じ。

ハッキリ言って固くて物凄く切り難いので多少ガタガタにはなりますが、スプリングアジャスターを被せてみて大きく浮いたりしない程度になれば、後から自重で勝手に密着しますので、そんなにシビアにならなくて大丈夫!

車体側に加工したゴムシート、その上からスプリングアジャスターがこんな感じでセットされます。

車高を調整する際は、なるべくスプリングアジャスターは取り外してから調整してください。

ここまでの取り付け準備が完了したら、左右ともショックのアッパーマウント側を車体に固定します。

その状態でジャッキを使用してメンバーをゆっくり持ち上げてやりましょう。

スプリングを収めるスペースが狭くなってきたら、セット出来る内に下段のスプリングシートと上段のスプリングアジャスターの間にスプリングを挟んで差し込んでおきます。

この際に、スプリングに印刷されたメーカーロゴが上下逆さまにならない様に注意ですよ!

ロゴの向きは重要です(笑)

スプリングを上手く差し込んだら、引っ掛からない様に左右を良く確認しながら持ち上げていきましょう。

ネジ穴が丁度良い位置に来たらボルトを差し込み、ショックの下段を固定してください。(後から1G締めを行う場合は手で締まる程度の仮締めで)

これで一応取り付けは完了なのですが、ショックの全長調整が可能なタイプの車高調キットの場合、スプリングアジャスターの調整位置によっては写真の様にスプリングが遊んだ状態になってしまい、しっかり固定されない場合があります。

また、逆に強いプリロードが掛かってしまうと言う事もありますし、仮にちょうど良さそうな感じだとしても、最後にショック長を調整しておきましょう。

尚、ショック全長が調整出来ないタイプは通常、キットにセットとなっているスプリングなら遊ぶ事はないと思いますが、強いプリロードが掛かっていたとしてもスプリングアジャスターを調整(車高を調整)する以外に方法はありません。

ショック全長を調整する方法は、ショック側のロックシートを緩めて手で回してやります。

掛かっているプリロードを抜く場合は、少しスプリングがガタつく程度まで伸ばした後に、再度縮めて調整してやります。

スプリングが遊んでいる場合は、しっかり固定されるまで全長を縮めてやればOKです。

調整が完了したら、ロックシートをしっかり増し締めすればリア側の取り付けは完了となります。

車高の確認と再調整は前後取り付け後に少し動かしてから行う事になりますが、着地させた時点で明らかに低過ぎるなど問題があれば、スプリングアジャスターとショック全長の再調整を行っておいてください。


■マツダ2/DJデミオの足回り交換 フロント編

リアの取り付けは無事に終わったでしょうか?

左右同時にジャッキアップしなければならないと言う点が最初の難関ですが、ガレージジャッキさえ持っていれば難なく交換出来たのではないかと思います。

続いてフロントの作業を見てみましょう。

フロントもスタビリンクの着脱があるので左右同時でなければ難しいと言う人もいますが、ちょっと頭を使えばそんな心配は要りません。

ジャッキが2つあれば片方ずつ交換可能ですので、ジャッキアップしてホイールを取り外したら、まずはボンネットを開けてアッパーマウントのナットを取り外しておきます。

こちらのナットは14mmのソケットレンチが対応します。

次にナックル周辺の分解となりますが、逆側も取り外す物があるのでこの時点では赤丸のナットにはまだ触れないでください。

最初に矢印で示したブレーキホースのプレートを真横に引き抜いてホースを外します。

プレートの溝にマイナスドライバーなどを引っ掛けて捻ってやればプレートが浮きますので、あとはプライヤーなどで摘まんで引っ張ってやれば簡単に外れます。

ホースは手前に引っ張ってから、溝をかわす様に外側へ動かしてやればショックから分離出来ます。

先程の写真の反対側を確認すると、まだ触れない様にと言ったナットとペアになったボルトの他に、ABSセンサーとスタビリンクがあります。

まずはABSセンサーのケーブルをショックから分離しましょう。

上側は溝に嵌め込んであるだけですが、下側はクリップで固定されているので、クリップリムーバーなどを使って爪を折らない様に慎重に外します。

ちなみにスタビリンクの取り外し方は、14mmのソケットでナットを外してやるだけでOKですが、万が一ボルト部分が供回りしてしまう場合は5mmの六角レンチで回り止めをして、14mmのメガネレンチを使って緩めます。

ただ、ほとんどの場合(写真の様な状態)は回り止めの必要はないです。

なぜなら、ショックが伸びているせいでスタビリンクが抜けないくらいにテンションが掛かっているはずなので。。。

これが抜けないから、左右同時にと言う人がいるのですが、簡単に取り外す方法がありますのでご紹介しましょう。

スタビリンクのナットを取り外したら、ジャッキを使ってアームを下から少し持ち上げてやります。

少しずつ持ち上げていくとショックが縮んで…

この様に、スタビリンクのボルトに掛かっていたテンションが抜けて簡単に抜けるようになると思います。

写真ではナットを取り外していませんが、ジャッキで持ち上げる前にナットを外しておいた方が楽だと思います。

最後にナックルと接続しているボルト・ナットを取り外しましょう。

ちなみに、ここはナット側が17mm、ボルト側が14mmとなっています。

写真では小型のラチェットを掛けていますが、ここは高トルクで締まっているので、緩める最初の一発目はメガネレンチや高トルクに対応した太めのラチェットを使う様に!

9.5sqなどのラチェットで緩めたり増し締めに使ったりすると、一発で壊れる事はなくても工具を痛める原因となりますので。。。

これら全てを取り外したらショックAssyが丸ごと取り外せる状態となるので、ドライブシャフトやブレーキホースを上手くかわしながら引き抜きましょう。

ダブルウィッシュボーンの様に知恵の輪状態にはならないので、引き抜くのも比較的簡単ですがスペースが広いとは言い難いので、下ばかり気にしてフェンダーをキズ付けない様に注意!

無事にショックを取り外したら車高調と差し替えるだけですが、ブラケットの向きに注意しておきましょう。

左右で向きが異なるため、間違えるとブレーキホーススタビリンクの固定が出来ませんので。。。

全長は純正ショックより短くなっている事の方が多いと思いますので、難なく定位置に差し込めると思います。

まずは片手で持ち上げながらアッパーマウント側のナットを仮留めしておきます。

クスコ・SPORT_Rの様に倒立式となっている場合は純正ショックより重たかったりするので、ちょっと大変かもしれません(笑)

どうしても無理な場合は、先にナックル側を仮留めしてからジャッキでゆっくり持ち上げるなどして固定しましょう。

アッパーマウント側を固定したらショックが上からぶら下がった状態になっていると思いますので、ナックル側を押さえてブラケットに嵌め込みます。

ショックとナックルの角度を微調整しながら、まずは上側のボルトを通してナットを仮留めしておきましょう。(ボルトは車体後方側から、ナットは車体前方となります)

クスコ・SPORT_Rの場合、下側は付属のキャンバー調整ボルトとなるため、上手く位置合わせをしないとボルトが入りませんので結構ガチャガチャと揺らす事になると思いますが、偏芯部分が穴に掛かったらプラハンで控え目に軽打してやれば上手く嵌ると思います。

キャンバー調整ボルトは中立位置を中心に、ネガティブ側・ポジティブ側にそれぞれ90度回せる構造となっており、回せばその場でキャンバーとトーが”かなり”動きます。

狙いのキャンバー角などがある程度決まっている場合は調整してからナットを増し締めしても構いませんが、良くわからない場合はとりあえず中立位置で固定しておく事をおすすめします。

ナックル側とアッパーマウントのナットを増し締めしたら、ブレーキホース、ABSセンサーのケーブル、スタビリンクを元通りに取り付けます。

スタビリンクは写真の様にショックのブラケットに全く届かない場合がありますので、この時点では無視して逆側を先に取り付けてから戻ってきた方が楽ですが、どうしてもと言う場合は一度ショック全長を伸ばしてやれば取り付けは可能です。。。

車高調取り付け後はいずれにしてもアライメント調整か、最低限サイドスリップ調整が必要となりますが、調整式アッパーマウントキャンバーボルトでキャンバーを付けて大幅にトーが狂っている場合はタイロッドのナットを緩めてざっくりと調整しておく事をおすすめします。

強烈にトーイン・トーアウトになっていると、ハンドリングの違和感だけでなく、直進が不安定になったりハンドルを取られやすくなったりと危険ですので、目視でタイヤが大体真っ直ぐ向く程度に調整してからお店へ持ち込みましょう。

ちなみに、ここのナットを緩める際は、ハンドルを一杯に切って着地させた状態で触れた方が良いです。

また、ローダウンした事によってライトの光軸もズレますので、平らな場所に車を停めてからオートレベライザーのリセットをしておきましょう。

ディーラーでも受け付けてくれますが、それ程難しい作業ではないので自分でやってみたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。

尚、360度モニターなどが付いている車両や、自動ブレーキなどの制御に使われているセンサーがある場合はエーミング(カメラやセンサーの校正作業)が必要となる事があります。

エーミングは一部保安基準に触れる物や、作業にも特殊な機材なども必要となるため、必ずディーラーに依頼しましょう。(間違っても無理矢理カメラの角度を調整したりしない様に)

校正が必要なカメラやセンサーの数にもよりますが、15000~30000円前後(店舗などによっても差がある)とやや高額となりますので、競技用途などで車高も含めセッティングの予定がある方は、ある程度仕上がってから校正した方が良いかと思います。


■おまけ 車高比較

まずはこちらがノーマルの車高。

まあ、良く見る普通の車って感じですが、やはり車高そのものと言うよりは、前後のフェンダーアーチの隙間が広くて気になりますよね(笑)

車の形状の問題なのか、大きさの問題なのか、ロードスターに比べればこのままでも良いか~と思っちゃいますが。。。

でも、やっぱり下げるとカッコいい!!

なんだかこれだけでも速そうに見えますね~♪

ちなみに、クスコ・SPORT_Rを未調整のまま推奨車高で取り付けると、フロントが60mm、リアが65mmダウンとなり、フェンダーがタイヤに被りそうになるくらい下がります。。。

カタログ値を信じるなら、マツダ2(DJデミオ)の最低地上高は145mmとなっているので、ギリギリ保安基準内となりますが、地上高より走行中にタイヤがフェンダーに干渉しないか心配になるので、私は推奨値から前後共に約25mm上げて取り付けました。

その状態が写真の車高となります。

ちなみにこの状態で実測すると、使用するタイヤや空気圧などにもよると思いますが、標準タイヤ(185/60R16)に指定の空気圧で最低地上高に3cm以上の余裕があります。

タイヤ外径を1サイズ小さく(195/50R16など)して、更に1cm程度車高調で下げても若干余裕があるくらいになるので、ギリギリまで下げたいと言う方はその様な選択肢もあるかと思います。

あくまでも目安なので、車高を調整する際は必ず実測を確認しておきましょう。

使用する車高調によっては、保安基準を意識しなければ着地する程下がる様な物もありますのでご注意ください。。。(笑)