念のためですが、これからお伝えする内容は、もしかすると、たまたまハズレを引いただけかもしれませんし、なんだかんだで使い方や使用環境の問題だって可能性もある事を前提に、参考程度にご覧ください。

昨年末にマツダ2用の車高調を新品で購入し、年始に届きました。

その後、マツダ2の車高調取り付けの記事も書いているので、ご存知の通り1月中に取り付けと簡単なセッティングまでは済ませています。

実は書くべきかどうか迷っていた(3月にSNSには投稿しています)ので今更になるのですが、使い始めて2ヶ月を過ぎた辺りで、タイヤサイズの変更に伴い車高調整をしようと思ったところ、ある異変に気が付きました。

◆どうしたクスコ!?高性能≠高品質なのか?

◆他社のスプリングは問題ないの?

■どうしたクスコ!?高性能≠高品質なのか?

冒頭でお伝えした、マツダ2に取り付けた車高調クスコ・SPORT_Rと言う競技向けの車高調です。

カテゴリや用途に応じてストリート用からサーキット向け、カテゴリ別のコンペティションモデルまで多数のラインナップがありますが、SPORT_Rを含めハイエンドモデル寄りになると、同社が高性能と謳うブルースプリングと言う商品がキットに標準装備されてくる。

ブルースプリングの特徴は、高強度・高耐久でへたらない、安定したレート特性、公差の低減などと高性能である事を公言しているし、急激な入力があってもしなやかに衝撃を吸収して跳ね難いなどと説明されている。

実際、乗ってみてもハイレートのわりには硬さを感じないマイルドな乗り心地で、スポーツ走行ではきちんとレート相応のロール剛性、リニアなフィーリングを見せてくれる良いスプリングだと言った印象はあります。

実物を確認すると、同レートのスウィフトなどに比べて太めの線径で巻きが多いタイプなので、ハイパコアイバッハに似た特性のスプリングである事が容易に想像出来ますよね。

まあ、ここまでは”高性能なスプリング”と言って差支えないのですが、問題なのは”品質”はどうなのか?と言う事である。

高性能と高品質は似て非なるものだと思いますが、スプリングに於いて錆などに対する耐久性に影響する塗装品質は、性能の一部だと私は考えています。

まずは取り付け直後、2~3日でおおよそ車高やアライメントが決まった頃に撮影した写真です。

当然ですが新品ですから、ご覧の通り綺麗なもんです。

…が、2ヶ月が過ぎた頃に異変が。

…ん?

泥汚れかな?

…と思ったのですが、手で表面を擦ってみても落ちない。と言うより、この手触りは。。。

?????

おいっ!塗装がハゲ散らかってんじゃねーか!(笑)

ハゲ散らかってますよ!

塗装が、ハゲち(省略)

もう一度確認しておきますが、新品を2ヶ月使用しただけです。

当然ですがオフロード走行などしていませんので、主には一般道と、この時点では1度だけミニサーキットを5分程度走っただけです。

飛び石などを受け易い場所に使用される部品ですから、塗装へのダメージが生じる事は仕方がありませんが、私が今まで使用してきた他社のスプリングでここまで簡単に塗装が剥がれてしまう様な経験は一度もありません。

ましてや、信頼できる国内大手のチューニングパーツメーカーであるクスコの製品ですよ?

本体のダンパーは問題ありませんし、スプリングの機能面などを含め車高調としての動きや性能に不満はありません。

唯一、付属のスプリングの塗装が致命的な欠点。私が知る中で、最低レベルの品質と言わざるを得ません。

ちなみにこのブルースプリングですが、車高調キットの標準セットだけでなく単品設定があり、サイズによって多少の違いはあれど価格帯は1本10000円前後となっています。

1本の価格ですので、左右セットで2本必要なら2万円に消費税ってわけですよ。

この価格帯であればスウィフトKYBのスプリングにも手は届きますし、もう少し出せばハイパコも買えちゃいます。

安価ならば選択肢にも含まれるかもしれないが、この価格帯でこの品質であれば買う理由が見当たらないと言うのが率直な意見です。



■他社のスプリングは問題ないの?

ブルースプリングの塗装品質が悪そうだと塗装の剥げてしまったブルースプリングの写真だけを見せたのでは、製造メーカーであるクスコにとっても分が悪いだろうし、他社だって似た様なもんだろ?って疑う方も多いと思います。

比較して見せないとフェアとは言えないので、私が今まで使った事のあるスプリングをいくつかお見せしましょう。

これらの参考写真と見比べてどう感じるか?と言う点と、冒頭でも言った通りたまたまハズレだったと言う可能性もあるので、一概にクスコのブルースプリングの塗装品質が悪いとは言えない可能性もあります。

良くも悪くも、可能性の話である事をご理解の上ご覧ください。

まずはこちら、上部に取り付けてあるHKS製のヘルパースプリングは新品ですが、メインスプリングはKYB製で、使用期間は2年15000kmほどです。

塗装表面は軽くサンドペーパーで擦った様なくもりこそ見られますが、塗装剥げは見られず、錆なども常に線間密着する端部の隙間程度です。

その後、車を手放すまでの約5年間使用しましたが、最後まで明らかな塗装剥げなどはありませんでした。

この時点でブルースプリングとの差は歴然と言った感じはしますが、まだまだこんなもんじゃないですよ?

こちらは正確な使用期間は不明となりますが、中古で購入したアクセラに付いてきたテインの車高調に装備されていました。

恐らく車高調キットに標準装備されている吊るしのスプリングで、車検証入れに同封されていた説明書と保証書の日付から、約8年が経過した物だと思われます。

車高調の減衰ダイヤルは固着してるし、バンプラバーもズタズタでしたが、スプリングについては塗装剥げなど全く見当たらないんですよこれが。

まだまだ!8年程度で終わると思うなよ~?

写真はリア側しか残っていなかったのですが、こちらは私が昔乗っていたNBロードスターに使用していたスウィフトのスプリングです。

この時点で12年経過しているのですが、鮮やかだったブロンズカラーもさすがに色褪せて若干白けてしまってはいるものの、手放すまでほとんど塗装剥げなど見られませんでした。

こちらもスウィフトですが、5~6年使用したスプリングだってアップでお見せしても全然差支えないレベルなんですよ、ほら。

使用方法や環境がと言うのであれば、ほとんど差はありませんし、むしろここでお見せしたスプリングの方は何度もサーキットを走っているし、梅雨時期の雨や冬の山間部で融雪剤を浴びたりなんて過酷な状況も経験しているはずなのに、この塗装を保っているんですよね。

では、最後にもう一度ご覧ください。

クスコのブルースプリング

使用期間2ヶ月です(笑)

車が新しいのでちょっと気になって、今年の冬は融雪剤を撒きそうな山道や高速道路などは避けていましたが、これですよ。

ほとんど一般道で、並の速度で浴びる飛び石程度でこうなるのが当たり前と言うのなら、他のメーカーのスプリングは表面に一体どんな特殊処理が施されているのかって思っちゃいますよね。

別にこの件でメーカーに文句を言ったりする気は全くありませんが、信頼していた大手メーカーと言うだけに期待を裏切られた気分でちょっとショックは大きいです。

念を押しますが、たまたまハズレだったのかもしれません。

ですが、事実としてこの様な事が起こったと言う記録としてお伝えしておきます。

塗装に問題があるだけで動きに不満はないので、メーカーが塗装品質を見直して改善される事を祈りたいですね。