20年くらい前から車のコーティングは当然の様にオプション設定がありますよね。

ペイントシーラントと呼ばれるフッ素樹脂系保護剤の塗布はそれ以前からありましたが、最近のガラス系コーティングは艶を重視した物や長期間の撥水性能、汚れ防止を謳う物も多いです。

最近では洗車やコーティングの専門店も増え、高価な熱硬化タイプのコーティングなどもありますが、同時に広く普及しているのは一般のユーザーが洗車ついでに手軽に施工できるアマチュア向けの簡易コーティングです。

それらの簡易的な商品であっても、近年ではクオリティの高い物が増え、高価なディーラーオプションさえ凌ぐ仕上がりとなる事さえ珍しくはありません。

しかし、コーティングって実際のところどうなんでしょうね?

私は新車を買ってもコーティングはおろか、ワックスさえ掛けた事がありません(笑)

ワックス入りのカーシャンプーで洗って終わりと言うタイプなわけですが、ごく一般的にはコーティングを掛けたと言う割にはそれ程綺麗に見えない車も多いでしょう?

施工したからと言って洗車をしなくて良いとか、それほど手入れが楽になると言った物ではないわけです。

専門店で高価なコーティングを施工して何年も新車の様にピッカピカに仕上げている車って、そもそも頻繁に丁寧な洗車やワックス掛けなどを入念に行う几帳面な方が乗っている印象がありませんか?

あくまでも入念な洗車やその後のケアが重要であり、コーティングその物に実は大した効果なんてないのでは?

…では、ちょっと試してみましょう(笑)

◆コーティングの下準備

◆簡易ガラスコーティングを施工してみる

◆施工不可の部分に塗ったらどうなるのか試してみた

■コーティングの下準備

2021年の12月上旬。

この日は、アクセラをここへ預ける事となりました…

あまりの汚さに、廃車の解体作業中に見えるかもしれませんが、車検ですよ!!(笑)

アクセラはマツダディーラーではなく、お世話になっている近所の整備工場へ。

「汚ねえ!!」なんて言われたのですが、お客様のお車に向かって何て事言いやがるんですか!(笑)

綺麗好きなので、車内は綺麗なんですよ!本当ですよ!!

外装は、自慢ではないが納車されてから一度たりとも自分で洗った事がない!

つまり、前回の洗車は…そう。

2年前の車検の時に洗ってもらったのが最後である。

では、今回も私のために心を込めて洗ってもらう事にしましょう(笑)

色々と作業をお願いしたので数日後となりましたが、車検を終えて戻ってきたアクセラはピカピカに♪

こうやって見るとどう思います?

未塗装の樹脂部分は白けてきていますし、小キズも多いですが、全く洗車をしていないわりには塗装面に艶もあって結構綺麗でしょう?

「他のお客さんでは安易に試せないから…」と、強力鉄粉クリーナーの実験台にされた様で、その効果もあってか手触りもツルツルになってます。

って、私のアクセラには遠慮なく?(笑)

さあ、要するにコーティング未施工の時点でそれなりにピカピカとなった車が、果たしてコーティングを施工してよりピカピカになるのか?

コーティングの効果はどれくらい続くのか?

実験してみたいと思います。


■簡易ガラスコーティングを施工してみる

市販のコーティング剤は物凄い数がラインナップされており、激安の物からちょっと躊躇する高価な物まで幅広いです。

そんな数ある商品の中から、今回私が購入したのはこちら!

呉工業のLOOX DXだ!

前回、ヘッドライト クリア&プロテクトが超凄い!と大絶賛しましたが、その言葉に嘘偽りはなく本当に凄いので、今回も期待して同シリーズのコーティングを選択してみました。

プレミアムポリッシュワックスとの記載がありますが、裏面の説明を読むと他のガラスコーティングと同様にレジンベースのガラス被膜を成型して光沢が出るそうで、強力な洗浄剤やシリコンの効果で撥水効果も得られるそうです。

効果の持続期間は約3ヶ月との事で、通常の洗車頻度ならば継続して施工する事で長期間の効果が期待出来そうですね。

まあ、短く見積もっても1ヶ月くらいは効果を期待しても良いかと。

セットはこんな感じで、スプレー式のコーティング剤に施工用のスポンジと拭き取り用のウエスが付属しています。

磨きが必要な時にはスポンジのハード面を使用して磨き、塗布には柔らかい面を使用する様です。

施工後、乾燥し始めたところでウエスを使って拭き上げれば施工完了と言う流れで、ワックスを掛ける手順と同じですね。

さあ、それでは早速施工してみたいと思いますが、まずはご覧ください。

全く洗車をしない車でも、色褪せや表面の劣化は見られませんし、この程度の映り込みが得られる程度の艶もあります。

もちろんお世辞にも鏡面とは言えませんが、十分ピカピカなので、下地を整えずにそのまま施工してこれ以上の艶が出るのか。

つまり、下地が鏡面に仕上げられているのではなく、コーティングそのものに艶を出す効果があるのかどうかを確認してみたいと思います。

ええ、心配しなくても大丈夫!

もちろんわかっていますよ!!

こう言う事ですよね??(笑)

効果を確認するのに全面施工の必要はないですし、部分施工の方が未施工部分との差が分かり易いでしょう。

まあ、どうせ期待する程の効果は無いと予想しているので、どうなるのかみなさんにお見せしたいと思います。

LOOX DXの缶を良く振ってからスポンジに吹き付けてみたところ、泡状になって出てくる様です。

それでは心の準備はよろしいですか?

みなさんが、今まで信じていたコーティングの真実がコレだ!!

おい!!

マジかよ!!

艶が!!

深みのある艶が!!

…出ておる(笑)

写真では色が違って見えますが、色は同じです。

艶が全然違います。

手に持っていたスポンジをかざしてみましたが、未施工部分との境がはっきりわかるくらいクリアに見えますねぇ。

まるでここだけ水に濡らしている様…

もちろん下地をしっかり整えれば、より綺麗になると思いますが、そもそも下地が綺麗なら綺麗に見えて当然ですからね。

特に何もせずにコーティングだけ施工してどうなるのかって疑問に答える実験が今回のネタなので、そのまま施工してもツヤツヤになる。と言うのが今回の検証結果となりました。

ちなみに、効果が3ヶ月持続するとの事でしたが、こちらの写真が施工後ちょうど1ヶ月経過後の状態です。

赤丸で囲んだ内側に施工箇所があり、肉眼でじっくり確認すると辛うじて境が認識できるレベル。

未洗車で1ヶ月乗り続ける間に施工箇所が良くわからなくなったので、とりあえず水だけで表面の汚れを落としてみたところ、施工部分だけわずかに撥水効果が残っているのか、やや水弾きが違う様にも思えますが、残念ながらほとんど効果は残っていない様子。

艶や撥水効果は失われても、保護効果は持続しているのかもしれませんが判別は出来ませんし、コーティングを施工する人の主目的は艶や撥水性など外観を重視した部分だと思うので、そういう意味では効果はせいぜい1ヶ月。

効果を長期間維持するには、洗車の度に施工するのが良いだろうと言う結果になりました。


■施工不可の部分に塗ったらどうなるのか試してみた

施工不可の場所はコーティング剤によっても若干異なり、窓から未塗装樹脂まで全面施工OKって物もありますが、LOOX DXの場合、ヘッドライトなどはOKですが、窓やミラーなどの直接視界に影響する部分への施工は禁止と書かれており、未塗装樹脂や艶消し部分への施工も非推奨となっています。

それらの施工NG部分に塗るとどうなるのか試してみたいと思います(笑)

まず、窓やミラーなのですが、実際に施工してみても特に見た目の変化はありませんし、視界への影響も特に感じませんでした。

しかし、ガソリンスタンドで給油中に窓を拭いてもらっていたところ「窓に何か塗ってます??」「何か伸びるねえ。。。」と拭き取り時に店員さんは何らかの異変を感じた様子(笑)

かと言って、特に目立った影響は見られませんが、強いて言えばワイパーを動かした後、縦一直線に薄らと白っぽい筋が残ります。

それを拭き取ろうとすると、これが伸びる伸びる(笑)

続いて艶消し塗装部分に施工してみる。

ワイパーアームですが、経年劣化で白っぽくなっていた物が、施工後は黒々として綺麗に見えますねぇ♪

未塗装樹脂の部分も同様の効果が得られました!

どうして施工NGなんだろう…?と思っていたのですが、理由は数日後に判明。

表面のデコボコに入り込んだコーティング剤が白くなって酷い見た目に。。。

特に拭き取り難い部分に目立ちます。

綺麗に見えていたワイパーアームも粉を吹いてカサカサに(笑)

これはワックスを掛けた時も同じで、こう言った部分にワックスカスとして残って、美観を著しく損なう症状ですね。

食器用洗剤歯ブラシでゴシゴシと洗ってやれば落ちましたが、未塗装樹脂や艶消し部分には専用のクリーナーや保護剤を塗りましょう。

施工NGと言われる理由はコーティング剤の成分などにもよるので様々ですが、特に塗ったからと言って対象物を痛めたりするわけではなく、主には見た目の問題の様です。

完璧な仕上がりを求める人は、施工NGの部分に付着しない様に、マスキングを行ってから塗布すると良いかと思います。