数年に一度、避けられない車のバッテリー交換。

液の補充や比重を点検したりと、しっかりメンテナンスしていれば10年以上トラブルなしなんて話も聞きますが、最近はメンテフリーの使い捨てタイプも多いですし、並の使い方だと通常は2~3年に一度の頻度で交換する事になると思います。

バッテリーの交換作業自体は一度経験すればそれ程難しい作業ではありませんが、一度完全に電源が遮断されてしまうと良い感じに学習が進んだECUがリセットされちゃったり、オーディオや快適装備の再設定が必要になったり、パワーウインドウや舵角センサーなどのリセットや基準値学習の作業を伴ったりと、機能満載な車ほど交換後の復旧作業が面倒になるケースも珍しくない。

これらの手間を省くには、何らかの方法でバックアップ電源を確保してから交換すると言う方法がありますが、そんな事が簡単にできるの?と心配な方も多いんじゃないかと。

そこで、超オススメ!誰でも簡単・確実にバックアップ電源を確保できる、安価で便利なツールを見付けたのでご紹介しましょう!

◆バックアップ電源なしでバッテリー交換するとどうなる?

◆超オススメ!誰でも簡単に使えるメモリーキーパー

◆実際に使用してみる

■バックアップ電源なしでバッテリー交換するとどうなる?

便利なツールを紹介する前に、バックアップ電源を確保せずにバッテリーを交換すると具体的にどうなるのか?そもそもバックアップが必要なのか?と気になる方もいると思います。

結論から言うと、別にこれと言って問題が生じるわけでもないし、壊れる心配もない。

私自身も、今回はブログのネタにちょうど良いと思って初めて試してみましたが、これまでは気にせず普通に交換していましたからね。。。

ディーラーで特殊な装置を繋いで作業しないと、よくわからんエラーが出る一部の外国車は知らんけど(笑)

確かにECUや電子スロットル、またAT車では変速のタイミング等々、長期間運転している間にドライバーの操作やクセなどに対して最適化するための学習をしますので、それらが全て初期状態にリセットされてしまうと、初回始動時にアイドリングが不安定だとか、しばらくの間は燃費が悪い(または良い)と言う症状が出る場合がある。

ただ、新車時と同じ初期の状態に戻るだけなので、それが不具合なのかと言うとそうではないし、多少違和感があったとしても、少し乗っていればそんな印象はすぐに消えるはずなので何も心配はない。

こんなモンは細かい事を気にする神経質な人が騒いでいるだけ…と言いたいところだが、今回実際にバックアップしてみると、確かに便利だと感じる部分はありました。

ECUの学習などについてはそれ程気にしなくて良いと言う意見に変わりはありませんが、バックアップした方が良いと感じるのはオーディオや快適装備、一部の電子制御絡みのリセットなどです。

パワーウインドウの設定やステアリングアングルセンサーのリセットなどなど。

数年前に何をどうしたのか記憶にない設定の例(笑)

また、マツダコネクトなどにもありますが、最初に設定して以来、何年も触れる事がないので、既に記憶にない安全装備の警告音や警告距離の設定、ディスプレイに表示するインジケーターの細かい選択などなど、再設定やリセット方法はメーカーによって多少違いがあるので大して問題にならない物もあれば、とんでもなく面倒な事になる物もあるので、バックアップが可能なら”機能満載な高性能車”ほどやっておいた方が良いです。

バックアップ電源を確保するのに要する時間は、準備も含めて1分もあれば済みます。

この僅かな手間でバッテリー交換後の30分、1時間と言った復旧作業の手間を省けるなら、必要か否かより、やらないと言う選択肢はないでしょう!


■超オススメ!誰でも簡単に使えるメモリーキーパー

バッテリー交換時にバックアップ電源を確保してやれば、色々と再設定する手間が省けると言う事はわかりましたが、問題はそれが不慣れな人でも簡単に出来るのか?って事ですよね。

バックアップ電源を確保する方法はいくかありますが、エンジンを始動して交換作業中はオルタネータの発電に頼ると言った方法や、予備のバッテリーを並列に接続しておくなど。

ただし、エンジンが動いている状態で作業すると不注意でベルトなどの回転部に工具や手を巻き込んでしまう恐れもあるので危険ですし、予備のバッテリーワニ口クリップなどでターミナルに固定していても、作業中に外れてしまう可能性もあるので簡単で確実とは言い難い。

しかし、そんな問題をあっさり解決して、誰が作業しても安全で簡単・確実にバックアップ電源の確保ができるツールがあるのでご紹介しましょう。

こちらがオススメのツール、カーメイトのメモリーキーパー(SA202)です!(黒色のSA201もある)

なんと本体は1500円前後と安価に販売されており、本体とは別に単4電池が6本必要となりますが、2000円もあれば必要な物は揃うでしょう。

Amazonベーシックの10年保存可能な長期間保管用が安いので、常備用も含めてまとめ買いしておくのがオススメ。

すっごいシンプルな作りで、写真を見て気付いた方もいると思いますが、最近の車に標準装備されているOBD-II端子(故障診断コネクタ)を使用して電力を供給すると言う仕組み。

他社製の同じ様な製品の中には、ワニ口クリップで固定する物もありますが、前述した通り作業中に外れてしまう恐れがあるのに対し、コイツはカプラーで接続するので作業中に外れてしまう心配もない。

また、本体自体がバッテリー内臓の充電式タイプだったり、USB接続でモバイルバッテリーなどが使用可能な物もありますが、充電式は必要な時に充電されていなかったり劣化で内臓電池の持ちが悪くなると使えませんし、外付けバッテリーが使えるタイプもメモリーキーパー用に別途準備するには高額です。

その点、どこでも簡単に手に入る電池が使えて処分も簡単、おまけに長く使える乾電池式って実は結構メリットが大きい。

使い方は簡単で、まずは本体を開いて内部のホルダーに電池をセットするだけ。

ご覧の通り、スイッチなどはないので電池をセットしたらいきなり電源ONでスタンバイ完了となる(笑)

なるべく使用する直前に電池をセットしましょう。

一見するとスイッチがないのは不便な気もしますが、使用頻度の多いツールではありませんし、高電圧でもないので、必要最小限の機能とシンプルな構造で安価に販売されているのは好感が持てます。

インジケーターランプの表示は本体カバーを閉じれば正面で確認できます。

安価でありながら、インジケーターで容易に状態の確認ができる機能で、失敗し難い安全性も確保されている点はGood!

電池をセットした時点では電池マークの電源ONのランプが点灯していますので、あとはこの状態で車のOBD-II端子にカプラーを接続してやるだけ。

エーモンも同様の商品を販売していますが、こちらのカーメイトのメモリーキーパーをオススメする理由はこのインジケーターで、エーモンのメモリーバックアップは動作確認用のランプが付いていないので何かミスをしていたとしても事が起こるまで気付かない恐れがある。

詳しい事は付属の説明書にも書いてありますが、読むまでもないくらいシンプルなので使い方がわからないなんて心配はないでしょう(笑)

注意点としては、これからメモリーキーパーを接続してバッテリーの交換作業を行いますが、作業中はエンジンの始動ボタンに触れたりキーを回したりしない事!(特に誤ってスターターを回してしまうと、一瞬でバックアップ用の電力などなくなります)

また、主には暗電流の消費だけなので慌てる必要はありませんが、接続している乾電池の容量にも限度がありますので、なるべく素早く交換を済ませましょう。

では、早速使ってみましょう!


■実際に使用してみる

それでは早速メモリーキーパーを使ってバッテリー交換をしましょう!

バッテリーの交換自体が初めてと言う方は、以前投稿しているこちらの記事を参考に交換方法と注意点をご確認ください。

先程も注意点でお知らせしましたが、バックアップ電源を確保していても乾電池の容量には限度がありますので、なるべく素早く交換するのが望ましいです。

通常のバッテリー交換ではそれ程心配する必要はありませんが、車種によってはバッテリー着脱のために周辺の部品を色々と取り外さなければならなかったりと非常に時間が掛かる場合もあるので、なるべく作業開始前にターミナルを取り外すだけの状態まで作業を進めておきましょう。

今回の作業例であるマツダ2の場合はステーを取り外すだけでOKですが、一応事前に取り外しておきました。

そして肝心なのは、接続対象となるOBD-II端子の位置を確認しておく事です!

大体は運転席や助手席の足元からダッシュボード裏を覗き込めばすぐに見付かると思いますが、車種によってはカバーが付いて隠れていたり、全く予想外の場所に付いていたりする事もあるので、見付からない場合はディーラーなどで場所を確認しておきましょう。

尚、今回作業を行ったマツダ2ロードスターは運転席の足元、右側の隅の方に付いています。

さあ、準備はOKかな?

では、メモリーキーパー本体に電池をセットして起動しましょう。

さあ、まず最初の確認ですが、電池をセットして電源のインジケーターが点灯する事を確認します。

この時点で点灯していない場合は、電池切れ、電池の向きが逆、本体の故障などが考えられますので、その時点で作業は中断してくださいね(笑)

当然ですが、電源が入っていないのにカプラーに接続してもバックアップ電源は確保出来ませんから。。。

問題なく本体の電源がONになったのを確認したら、電池が外れてしまわない様にしっかり本体のカバーを閉じておきましょう。

本体から伸びているカプラーを、車両のOBD-II端子にしっかり差し込みます。

台形の形をしたカプラーなので、決まった向きでしか刺さりませんが、一応向きを確認して正しく接続されている事を確認してください。

配線の長さには十分な余裕があるので、作業中に常時確認しておきたい方はこのまま本体をエンジンルームまで引っ張っておくと良いでしょう。

それではOBD-II端子に接続した状態で本体を確認してみましょう。

正しく接続されていれば、この様にバッテリーマークのインジケーターが点灯しているのが確認できると思いますので、このままバッテリーの交換作業を開始します。

万が一この時点でランプが点灯していない場合は正しく接続されていませんので、バッテリーには触らずカプラーの接続状態を確認してください。

それではいよいよバッテリーの交換作業を開始!

ターミナルを取り外した状態になると、これで完全にバッテリーからの電力供給はなくなります。

この状態でメモリーキーパーの本体を確認すると、先程のバッテリー接続状態を示すランプが消え、右側のバックアップ給電状態を示すランプが点灯します。

この様にインジケーターで状態確認ができるのはやっぱり便利で安心感がありますよね!

あとは、このランプが消えてしまわない内に…って、慌てなくても新品の乾電池を使用していればたぶん30分そこら放置したくらいでは問題ないと思いますが、なるべく必要以上に時間をかけない様にサクッとバッテリーを取り換えましょう。

これで新品のバッテリーと交換が完了しました。

ターミナルをしっかり接続して緩みがない事を確認しておきましょう。

バッテリーを再接続した状態で改めてメモリーキーパー本体を確認すると、バックアップ給電のランプが消え、再びバッテリー接続状態のランプが点灯しています。

これで問題なく交換作業が終了しましたので、OBD-II端子からカプラーを引き抜き、メモリーキーパーの電池を取り外しましょう。

私はこのままロードスターバッテリー交換も続けて作業しましたが、車2台程度の作業であれば電池も十分持ちますので全く問題ありません。

使用後の電池は次回のバッテリー交換に使用するかどうかはちょっと悩むところですが、単4電池テレビのリモコンや時計など他にも使い道は沢山ありますので、途中で電池が切れても差し支えない機器で再利用すると良いでしょう。

メモリーキーパーを使用してバッテリーを交換した後に、問題なくメモリーがバックアップできていたのか簡単に確認する方法は、トリップメーターや燃費計の表示、パワーウインドウのオート開閉を確認すると分かり易いですね。

ご覧の通り燃費計はリセットされていませんし、パワーウインドウも上下死点を再設定しなくてもオート開閉が機能しますので、バックアップ電源でしっかりメモリーが保持されていた事がわかります。

バックアップ電源を確保せずにバッテリーを交換してしまうと、これらのデータはリセットされてしまいますので、パワーウインドウやパワーシートのみならず、色々なセンサー類、オーディオやカーナビ、安全装置のリセットや再設定などなど、全部やり直していたら車によっては1時間以上を費やす事になりかねない面倒な復旧作業が必要となります。

これらの手間を安価なツールで簡単に、一気に省略できるのですから、メモリーキーパーを1台持っておいて損はありませんよ!

私も今までは「そんなモン必要ねーよ!」って思っていましたが、一度使ったら今後使わないなんて選択肢はもうあり得ません(笑)

久しぶりの超オススメですよ!