アクセラに使用しているテインの車高調ですが、少し前にスプリングを変更して、減衰を調整しようと思ったら、ダイヤルが固着して調整が出来なくなっていました。

車高調を使っている場合、車高調整用のロックシートやスプリングシートの固着、減衰調整ダイヤルの固着のトラブルは定番と言われており、回避するためには時々動かしてやるとか、常日頃の点検が重要になってきます。

とは言え、アライメントなどきちんと調整した車だと、特に用事もないのにロックシートを回すのはどこか躊躇してしまうし、減衰力もベストなセッティングが出ていたら触らないと言う人も結構多い。

ただね、今まで使ってきた中ではオーリンズはそれらの固着症状が発生した事はないし、テインもロックシートの固着は全くないです。

クスコの車高調は、最近でこそステンレス素材を使い始めた様ですが、昔は驚くほどあっさり回らなくなったり。

また、テインでもロックシートは固着しないにしても、減衰調整ダイヤルの固着は良く発生します。

今回は、アクセラの車高調で発生してしまったので、実際に修理して、ついでに構造を見てみましょう!

◆ダイヤルを取り外してしてみよう!

◆ダイヤルの内部構造を知る

◆ダイヤルの取り付け

■ダイヤルを取り外してみよう!

交換するためには、まずは取り外さない事には進みません。

調整ダイヤルは、メーカーによって様々です。

あまり多くのメーカーを使用した事はありませんが、オーリンズやラルグス、クスコなどは一般的なスパナで着脱可能です。

対してテインは…?

こちらが着脱に必要な工具。

多くの場合、アッパーマウントから突き出しているロッドの頭にダイヤルが取り付けられているため、メガネレンチは不要ですし、ダイヤルの空回りが発生していなければ六角レンチも不要な場合が多いです。

右下にあるのが問題のダイヤルですが、先端が3mmの六角になっているつまみと、内部に挿入されるイモネジで構成されています。

内部構造は後から解説するので、工具の説明に移りますが、黒いテイン純正工具のスパナがありますね。

実はこれ、普通の鉄をプレス抜きしただけの簡易的な物で、工具としての質はよろしくなく、簡単にネジをナメちゃうので正直使いたくないのだが、8mmの薄型スパナが必要になります。

テインの車高調のダイヤルを外すための専用工具なのに、ガタもあり、ガチガチに固着していたらまるで役に立たないと言う点が超イタイ。ダイヤルの頭より工具が壊れる。マジで(笑)

もう少し値段が高くても良いので、もっとしっかりした工具を付属して欲しいですね。

薄型のスパナが必要な理由は、ダイヤルのつまみ部分の径が、下に位置するボルトの角部分の対角より大きく、上からメガネレンチは入りません。

また、横からスパナを差し込もうとしても、つまみとロッドないしはダイヤルを取り付けるアダプター部分の着座位置のクリアランスが3mm程しかないため、一般的なスパナでは厚過ぎて入らない。

今回、14mmのメガネと六角レンチを用意した理由はこれ。

リア用のダイヤルを取り外すためですが、これもフロア内へ突き抜けている場合は、ロッドの頭にダイヤルが付いている場合が殆どです。

対して、そうでない場合はショックの側面にアダプターを取り付け、そこにダイヤルが付きます。

まずは、1.5mmの六角で、ダイヤルのカバー?を外します。

矢印の部分に小さなイモネジが入っていますが、ネジ穴に捻じ込んでいるわけではなく、これで内部のダイヤルのつまみを締め付けているだけの構造なので、僅かに緩めるだけで簡単に取れます。

ネジを完全に抜いてしまうと、小さ過ぎて紛失の可能性がありますので、余程理由が無ければ少し緩めるだけにしておいた方が無難でしょう。

カバーを外すと、内部のダイヤルが確認出来ます。

ダイヤルを交換するだけなら、テインの薄型スパナでこのままダイヤルだけ外してしまっても大丈夫なのですが、実は固着を修理しようと思っていじっていたら、空回りする様になってしまったんですよね(笑)

なので、今回は「固着修理」とは言っていますが、実際には壊れたダイヤルの交換って事になります。

まあ、固着だろうと空回りだろうと、壊れたら交換しかないので同じ事ですが。

全くテインの工具では外せないので、一度根元からアダプターごと取り外す事にします。

って事で登場するのが、14mmのメガネレンチ。



■ダイヤルの内部構造を知る

アダプターごとダイヤルを取り外しました。

取り外したのがこちらの写真。

赤丸の部分が交換の必要なダイヤル部分ですが、リア用のダイヤルには一回り大きなカバーと言うか、大径ダイヤルが取り付けられ、浸水防止のOリングが付いています。

さあ、この状態でメガネレンチとテインの工具を使ってダイヤルを取り外します!って言いたいところなのですが、これがマジで固着している様で、テインの工具がぶっ壊れました(笑)

この作業のために、わざわざ買って、30分程前に届いたばかりなのに、終わりです…。

先端の方はまだ抉れていないので、小さなトルクでクッと締める程度ならいけますが、固く締まった物を緩めるのは無理ですね。

今回は、ダイヤルを新品に交換するので、思い切ってダイヤルの頭を吹っ飛ばしてやりましょう!

板金用の溶接剥がしの鏨を、つまみと六角部の隙間に突き立ててハンマーで一撃。

ご覧の状態になりました。

ダイヤルを回した時に、カチッカチッとクリック数の手応えがあるのは、ダイヤル側に入っている小さな玉と、ボルトの頭側に掘られた溝で止まるからなんですね。

こうやって見ると、1段の角度って結構細かい。45度刻みですので、1周させると8段変わる事に。

これで中のイモネジを回す構造なのだから、1段で動くイモネジの距離って極僅かな距離ですよね。

それで手応えに変化が出る程減衰が変化するのだから、ちょっと驚き。

さあ、これで上からメガネレンチが入る様になったので、8mmのメガネレンチとアダプター側には14mmのメガネレンチを掛けて回してやります。

そんなに固いと言う印象もなく、あっさり外れる。

テインの純正工具はマジで一体何なのか(笑)

ダイヤルもボルトになっているので、そのまま回せば取り外せます。

今回は、空回りしている原因が、どうやら回し過ぎ?で先端がイモネジの六角穴から抜けてしまい、締め付けも緩める事も出来なくなった状態だった事が判明。

アダプター内にイモネジが残っているので、3mmの六角レンチを使って取り出します。

フロントのダイヤルも、同様の症状が出た場合はロッド内にイモネジが残る可能性があるので、同じ方法で取り外せます。

今回分解した構造を観察すると、テインのダイヤルは、つまみ部分は先端が六角になっているだけで完全にフリーとなっており、その先端に取り付けられたイモネジを回す構造の様です。

オーリンズも、ダイヤルだけ買うとこの部分だけ届くと言うだけで、ロッド内にはイモネジが入っているので、実際には同じ構造と言えるでしょう。

イモネジの先端は丸棒になっており、座面も平ら。

ロッド内部は覗いても見えませんが、今回のリアショックだと、ショック側に丸棒のピンが立っています。

このピンをイモネジで押して、内部の減衰調整機構をコントロールしているんでしょうね。

その、肝心の減衰調整機構がどんな構造になっているのか外から窺い知る事は出来ませんが、何か機会があればカットして中身を見てみたいですね!



■ダイヤルの取り付け

基本的には取り外しと逆の手順なので、特に解説する事もないのですが、今回分解した事でわかった注意点などありますので、記事として上げておきます。

注意点と言っても、本当にシンプルな話なのですが、最初のこの部分!

イモネジだけ先にネジ込んではダメ!!

加えて、リア用の様にアダプターを介している場合は、ショックにアダプターを完全固定するまで減衰ダイヤルを回してはならない!!

ダイヤルの六角部分が根元までイモネジに挿さった状態でないと、回した際に押し過ぎる、つまり、見掛け上の減衰設定より締め付けている状態になってしまう可能性がある。

また、リア用の様にアダプターを介している場合、動きを確認するつもりでも、ショックに取り付ける前に回してしまうとイモネジだけぐんぐん奥へ進んでしまい、ダイヤルの先端から抜けてしまう恐れがある。

ダイヤルの先端から抜けてしまうと、私が今回陥った、空回りして減衰力を上げる事も下げる事も出来ないと言う状態になってしまう。

そうなってしまった場合は、一度アダプターからダイヤルを取り外し、イモネジを抜いてから付け直せば良いだけの話だが、私の例の様にダイヤル単体がアダプターから外れないなんて事になると、ちょっと面倒臭い作業となってしまうので、注意が必要である。

それらの注意点を守りながら、元に戻しましょう。

アダプターを締め込んで、ちょっと頼りないが、テインの工具でダイヤルも締め込んで、Oリングも忘れずに。

んで、最後はダイヤルのカバーを取り付けて作業は完了となります。

通常ならジャッキアップしてタイヤを外し、ダイヤルの交換まで20分もあれば終わる作業ですが、今回の様に固着が酷くて余計な作業が発生してしまうと、小一時間を要します。

部品代も大した値段ではありませんが、こんな事にならない様に、時々油を差してやったり、必要なくても時々回してやるのが良いでしょうね。