2020年2月1日に放送された「おいやはぎの愛車遍歴 NO CAR, NO LIFE!」で、なんとマツダスピード・アクセラが紹介されました!

前の放送時に予告があったのか少し前から兆候が見られたのですが、放送終了後に、以前書いた「伝説のホットハッチ マツダスピード・アクセラ」へ、WEB検索からのアクセスが急増して沢山の方が読んでくださった様です。

ありがとうございます!

ちなみに放送された内容は、第1回ヒツジ・オオカミモーターショーと題して、速そうには見えないのに実は速い車を発掘しようと言った趣旨で進められ、ゲストにはGTドライバーの脇坂寿一さんが登場。

実際にマツダスピード・アクセラを運転して、その意外性からも驚いた様子や、楽しいと言ったコメントが飛び出していました。

評価や特性については、以前記事にした内容とほぼ同じなので、私も意外と車をしっかり評価出来るんだな~なんて自画自賛してみる(笑)

しかしですよ。

プロドライバー目線で面白い車だとは表現しても、番組の中で「運転の難しい車」「腕に自信のない人はこれで無茶しない方が良い」「雨の日はお終いだ!」と言ったネガティブなコメントも見られる。

今回は、アクセラを雨の日に全開走行させると本当に危ないのか検証してみる。

◆MSアクセラは何故危ないと言われるのか

◆対ウェット用にセッティング

◆実際に全開走行してみる

■MSアクセラは何故危ないと言われるのか

1400kg弱の車体に260馬力のエンジンと、スペック的には実は何てことない数値であり、もっと軽い車体に300馬力オーバーなんて車もあるが、それ程危険と言った印象は受けないはずだ。

MSアクセラは一体何が問題なのかと言う点だが、このスペックでFFだって事に尽きる。

本当に、驚くほど前輪にトラクションが掛からないし、アクセルを踏めば勝手に曲がり始める程、強烈なトルクステアに襲われる。

アクセルを全開にすると、直線であろうとホイールスピンして前に進まないし、これがコーナーだとコースの外へ飛んで行く。

これが4WDならもちろん、強力なトラクション性能で前へ前へと進めてくれるし、FRなら自然なハンドリングと、アクセルでアングルのコントロールも容易なので、無暗やたらと踏み込まなければパワーがネガティブな方向に向かう事は少ない。

しかし、これがFFってだけで相当ヤバい動きになるってわけだ。

最近の車であれば優れた電子制御も付いているし、基本設計からしっかりしているのだが、MSアクセラの場合はベースのアクセラに、テキトーに拾って来たハイパワーエンジンをぶち込んだ、まるでプライベートチューナーやその辺のショップがノリで作った様なパッケージである。

実際には、マツダ技報に目を通せば分かる通り、メーカーは真剣に作っているのだが、ベースがアクセラである。

そもそもそんなハイパワーエンジンを、よりによってFFで許容できる様な基本設計になっていない。

しかも、2Lモデルには4WDの設定があったのに、何故これをFFにしようと思ったのかと言う点だが、MSアテンザとキャラが被るからFFにしてしまおうとか、たぶんそんなノリである。

だが、勘違いしないで欲しい。

これこそが、MSアクセラの最大の魅力なのだ!


■対ウェット用にセッティング

事前に2回ほど走ってみて、足回りのセッティングの方向性を確かめておいた。

そこで、スプリングレートをフロント20kgf/mm、リア15kgf/mmへ変更し、ドライをSタイヤで攻める仕様にしたのだが、今回はウェットコンディションである。

流石にスプリングを交換する時間は無いし、かと言ってこのスプリングレートで走らせるのは無謀と言えるので、応急処置として前期RX-8のベースグレード用16インチホイールを用意。

標準は18インチなので2インチダウンとなるのだが、これがギリギリ履けるサイズで、ご覧の通りフロントのブレーキキャリパーとのクリアランスは5mmと無い感じ。

バランスウェイトを貼り付けたらかなり厳しいのではないかと言った感じ。

また、タイヤ交換しようにも16インチサイズになると外径を大幅にサイズダウンしないと、225幅で55~60偏平のスポーツタイヤが存在しない(笑)

ホイールを買ったらおまけで付属してきた、中古のピレリ・Cinturato P1と、まさかのエコタイヤで雨天タイムアタックである(笑)

ただ、投げやりと言うわけではなく、やるからにはある程度考えはある。

一般ラジアルタイヤと言うのは優秀で、それこそグリップ力その物には大きな期待は出来ないが、溝さえあれば排水性は確保されるし、路面温度にも大きく影響される事なくオールラウンドで安定した性能を発揮してくれる点だ。

スポーツタイヤはどちらかと言うとドライグリップに重点を置いているし、多少なり熱入れが必要。

Sタイヤになれば、温度管理はかなりシビアになるので、ピークのグリップこそ圧倒的だが、狙ったコンディションを外せばまるでグリップしない。

また、今回敢えて16インチの高偏平タイヤを選択したのは、スプリングが固くてウェットでは十分にサスペンションがストロークしない可能性があるため、荷重でタイヤを押し潰す事でサスペンションとして使う。

ちなみに、車高はノーマルよりちょっと高いくらい。

別に狙って上げたわけではないが、スプリングをハイレートにしたら自ずと上がったと言ったところ。

車高調の調整範囲ではこれ以上は下がらないので、下げようと思ったらヘルパースプリングを使う事になる。

まあ、これはこれでラリーカーっぽくてカッコイイか?(笑)

さあ、準備は整ったので、早速全開で走らせてみよう!


■実際に全開走行してみる

今回の走行は、平日に少人数で集まった練習会である。

私のアクセラを除いては、全員スバル…(笑)

マツダの力を思い知らせてやる良い機会ですね!!

今回の目的は、MSアクセラを雨の日に全開で走らせると危ないのか、まともに走れるのかと言った検証と、もう一つは現時点で最も速いアクセラの記録をついでに更新しちゃおうって事です。

雨でアクセラのレコード更新を狙うって言うのもどうかと思うところですが、今のところ競争率も低い車種なので望みはあります。

って事で、早速タイムアタック!

遠慮なく全開で行きますが、こりゃ…ちょっと(笑)

1コーナーのターンインから、アクセルを踏み込んで行くとアンダーで外に飛び出しそうになります。

この点については、2周目で突っ込み気味に入って軽くリアを滑らせ、アクセルでアンダーを誘発する事で前後のバランスを取る。

トルクステアもキツイので、上手くいったりいかなかったりとやや安定しないが、なんとかアンダーを意図的にコントロール。

しかし、ここ難しいんですよ!

5コーナーを立ち上がり、アクセルを踏むと車が暴れ出し、中ストレートを真っ直ぐ走れない。

おまけに、中ストレートの中盤辺りで突然ブーストが立ち上がって急加速するので、6コーナー前のブレーキングのタイミングが取り難い。

お陰で、写真をご覧の通り、クリップを外して妙なラインで走ってます(笑)

思わずムキになってアクセルをドカンと踏み込むと、ホイールスピンが発生して全く前に進まないし、アクセルを緩めると突然グリップが回復してドンッと前に吹っ飛ぶ!

かと言って、アクセルを加減していても、突然ブーストが立ち上がってホイールスピンを起こしたりと、とにかくアクセルのさじ加減が超難しい(笑)

色々と試してみたものの、ブーストの立ち上がるタイミングを予測するのが難しく、ホイールスピンを回避する事が出来ないため、安定感に欠ける。

この日の計測記録は以下の通りです。

なんだかんだでアクセラのレコードは更新しました(笑)

今回雨の中アクセラを走らせてみた感じだと、ホイールスピンが強烈過ぎて全く進まないので、体感的なスリルとは裏腹に、むしろ安全?と言った印象。

ただ、コーナーの立ち上がりなど、横Gの残った状態でコースの外側に寄っている時にこれが起こると、ちょっと危ないかな?と言った感じではあります。

進入で滑るかどうかはアクセラに限った話ではないので、ターンインまで挙動を抑えられていれば、旋回中や立ち上がりでのホイールスピンはドキッとするだけで、素早くアクセルを緩めれば何てことないと言うのが今回の検証結果となるだろうか。

しかし、中ストレートの説明で書いてある通り、短距離加速から短時間でフルブレーキに至るシチュエーションでは、トルクステアに振り回されて不安定な状態からのブレーキングとなるので、アクセラで警戒するアンダーよりオーバーであらぬ方向へ飛んで行く可能性はありそうだ。

危険度としては、どちらかと言うと恐らくスピードの乗るドライの方がヤバい。

ウェットだと危うい挙動がかなり早い段階で現れるので、恐怖から反射的にアクセルを緩める人の方が多いのではないかな?と。


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