少し前に「話題のAndroidカーナビを買ってみた」と言う記事を書きましたが、AndroidやiOSのタブレットを車載したいと考えるユーザーも少なくはありません。
例えば、SIMカードに対応している物であれば、直接インターネットに接続も可能ですし、8インチ、10インチと言った、より大きな画面も魅力の1つ。
他にもスペックの問題だったり、着脱可能ならそのまま普段使いのタブレットとして利用する事だって可能と言うメリットも多いです。
ただ、この簡単に着脱出来る取り付けと言うのが意外と問題で、市販の車載用タブレットホルダーなどを利用するとダッシュボードにステーを取り付けたり、露骨な後付感も否めないと言った感じで、スッキリした取り付けが非常に難しいです。
私もタブレットを車載したいと考えながらも、なかなかシンプルな取り付けが思い付かず手を出せずにいましたが、使えそうな物を見付けたので早速イメージを形にしてみました。
■取り付け準備
タブレットを取り付けるのに、まず注目したのがオーディオスペースです。
オーディオやカーナビを残しつつ取り付ける方法は今回の記事とは目的が異なりますが、競技車両の様にオーディオを取り外している場合や、オーディオを外してタブレットメインで使いたいと言う方向けです。
2DINサイズのエリアに蓋をして、そこに着脱可能なステーを取り付ける方法はどうか?と考えていましたが、なかなか丁度良い蓋もなければ、イメージ通りのステーもない。
以前は2DINサイズのめくら板も純正部品にラインナップされていましたが、最近の車はそう言った部品が少ない印象です。
また、タブレットホルダーは少々ゴツイ物が多く、上手く加工してもなかなか突出し幅を押さえ難いです。
そこで諦めかけていた時に見付けたのが、テレビ用のウォールマウント。
ウォールマウントと一言に言っても、モニターやテレビを壁に固定するためのステーなので、結構ゴツイ物が多いですし、そのサイズも様々です。
17~20インチ程度の比較的小型のモニター用に、シンプルで厚さ10mm弱と言った薄型の物を見付けました。
中国製で、届いた時点で何故か埃まみれ(笑)
RX-8のオーディオパネルを確認すると、蓋をしてフラットになった場合、内装パネルとの段差は約10mmと、これを使えばタブレットを密着に近い位置で保持出来そうです。
しかし、2DINの蓋を準備してステーを取り付けるにしても、タブレット本体側にはネジを締め込むわけにはいかないし、両面テープで貼り付けしたらタブレット単体で使用する際に見栄えが悪い。
だったら、タブレットにハードカバーを付けちゃえ!と言う単純な発想に。
ソフトタイプのシリコンカバーではなく、ポリカーボネイトやアクリル製のハードタイプを使います。
マウントステーをカバーの背面に両面テープで貼り付けてしまえば、タブレット本体に貼り付ける必要はなくなりますし、故障やグレードアップなどの理由でタブレットを変更する際も、ハードカバーさえ用意すれば簡単にインストール出来ます。
さあ、最後に残った問題は2DINパネルとなりますが、こちらはなかなか良い物が見付からないので、無ければ作ってしまえ!と金属加工業者へワンオフ依頼しました。
この時点で取り付けのイメージは出来上がっているので、車両側の2DINスペースの寸法を実測して発注。
写真の様なコの字型のアルミ板を製作してもらいました。
後期RX-8の純正オーディオパネルのサイズでは縦100mm×横174mm×奥行100mmで適合します。
側面には実際に位置を調整した後、車両側のオーディオパネルの取り付けステーに合わせてボルト用の穴をドリルで開けて固定します。
また、下段の左右対称の位置に15mmの穴を開け、グロメットを取り付ける。
ここにUSB電源のケーブルを通してタブレットに供給出来る様にしようと考えました。
左右に開けてあるのは、タブレットを変更した際に、端子の位置が逆になっても対応出来る様に考慮したものです。
これで準備は整いましたので、実際に車両へ取り付けてみましょう。
■実際に取り付けてみた
まずタブレットのカバーへステーを貼り付けます。
当然ですが、偏ったり傾いたりしない様に、左右のクリアランスを測ってマスキングテープなどで位置決めをしておきます。
そして、両面テープを使って真っ直ぐに貼り付ける。
次に製作した2DINパネルをオーディオスペースにインストールしますが、寸法通りに製作していても、4つ角など僅かにRが付いているので、棒ヤスリで軽く角を落としてやるなどの小加工が必要でした。
製作したパネルは、あくまでも縦横の寸法実測に合わせて作ってあるので、角については盲点でした。
とは言っても大した加工ではないので特に問題にはなりません。
タブレット固定用のステーは位置決めをするまで両面テープで仮留めです。
実際にこの状態でタブレットの着脱が問題なく行える事、そして好みの取り付け位置を決めて本決めします。
電源ケーブルも表に出して完成です。
ケーブルを挿してからタブレット本体をパネルのステーに引っ掛けます。
そのままそっと手を離せばこの通り。
上下スライド式でワンタッチ着脱が可能な取り付けでありながら、これくらいスッキリした取り付けとなりました。
簡単に取り外しが可能とした理由は、真夏の炎天下の車内に放置して故障するのを防ぐ目的があります。
取り外しが困難であれば、面倒に感じてそのまま置きっぱなしと言う事態が起こりそうですが、これであれば車から降りる時に持って降りる事が容易になります。
また、ハードカバーを付けているのでカバーからタブレット単体で取り外すと言う事も可能なので、必ずしもスライドして着脱可能と言う構造にする必要はないです。
ちなみに、側面から確認するとこんな感じで、パネルとタブレット背面の距離は僅か10mmとなっています。
ステー自体に若干の遊びがあるので、タブレットの自重で少し傾斜していますが、最も離れている位置で15mm程度と、その辺の大型モニタータイプのカーナビより突出し幅は抑えられています。
車載したタブレットでは音楽や動画再生はもちろん、Bluetooth機器やアプリの利用が可能なので、これにTorqueを組み合わせて追加メーターを表示したり、RaceChronoでサーキットのタイム計測なども可能。
もちろん、GoogleMAPを利用したカーナビとしての使用も可能、インターネットも可能と高性能ナビの完成です!
スピーカーもタブレットに内臓されているので、競技車両ではドアスピーカーの撤去が可能ですし、どうしてもスピーカーが必要なら最小限の物をBluetoothスピーカーとペアリングしてやるだけ、ドラレコやバックカメラも同様に機能拡張出来ますし、配線も不要と言う手軽さはタブレットならではですね!
ただ、バックカメラとなると車載機ではないため、リバース信号に連動させる事が難しいですが、Googleアシスタントなどを活用すれば「OK Google バックカメラ!」などで一発起動も可能でしょう。
未来っぽくてかっこいいでしょう?(笑)
タブレットを車載したいけど…と悩んでいた人は参考にしてみてください。