HKSなどのサーキットアタックカウンターなど、サーキットの走行タイムを自分で確認するのに適したタイム計測ツールは数多く存在する。

昔からあるので、自分も実際にお世話になったし、非常に便利なツールでしたが、マイナーなコースや…ちょっと公の場で推奨は出来ないけど峠を攻める走り屋さんなど、コースに磁気を発するポイントがないと計測が出来ないと言う欠点がある。

そのためか、オプションの手動スイッチなどもラインナップされていたが、これではストップウォッチのスイッチを加工した方が圧倒的に安上がりなので、何のために数万円を払うのか意味が分からない。

また、もう一点言える事は、あくまでも「タイムを計測する」にすぎないと言う点だ。

だが、最近は非常に便利な時代になった。
無料で使えるのに高精度な地図や衛星写真を提供するGoogleMAPや、GPSを利用した走行履歴など、上手く活用すれば高精度なタイム計測や走行ラインを確認する事ができるのだ。

これを、より簡単に、自動で素早く記録・表示してくれるツールがある。

まずはそれに必要となるGPSの方から確認してみよう。

◆GPSレシーバを使う

◆端末の準備

◆RaceChronoの初期設定

◆RaceChronoを使ってみる

◆総合評価

■GPSレシーバを使う

今回使用するGPSレシーバは、人気の「747PRO」と言うレシーバ。

自分の場合は、撤去したエアバッグのスペースに設置しているが、動作チェックのための仮設状態となっている。
…が、この状態で定位置となってしまったので、少々見苦しい取り付け写真で失礼します(笑)

写真では常設のため電源を接続しているが、ほとんどのGPSレシーバはバッテリーが内臓されているので、本体だけ好きな位置に、必要な時にガムテープなどで固定しても問題ない。

ちなみに、計測精度を上げるためと言う理由で車外に貼り付ける人もいるが、実際には電波は金属など、一部の材質を除いては透過するので、フロントガラスを挟んだ車内でも、ダッシュボードの内側でも基本的には問題ない。

ただし、フロントガラス内側に貼り付けた場合に制度が落ちると言う噂もあるのだが、実はこれ、上下があるので注意。
逆さまだと制度が悪化すると言う理屈らしく、センサーの下に金属板を置くと受信感度が増すらしい。

どこまでが本当なのか、真偽は不明なので参考程度に…。

さて、今回は「747PRO」と言うGPSセンサーを用いるが、もちろん他のGPSもAndroidに対応しており、Bluetoothで接続や、Wi-Fiで認識出来るものであれば使用可能だ。

正直、747PROは高精度で、車載に特化して熱や振動に強く確実ではあるが、やや高価と言う難点があるので、他の安価な物で良いと思います。

半額以下で購入できるGarmin GLO Add-on GPS ReceiverQstarz BT-Q1300S、強化版のQstarz BT-Q1300STなどもネット上では動作確認の報告があります。

ただし、一つだけ重要な注意点がある。

お気付きかもしれないが、スマートフォンやタブレットにはGPSセンサーが内臓されている。
だったら、後付けのGPSに頼らず、これをそのまま利用すれば良いのでは?

もちろん、内臓のGPSでアプリを利用する事も可能だ。
しかし、やってみればすぐにわかるが、表示されるスピードはおかしいし、ログを見ても走行ラインがカクカクして何の参考にもならないデータとなってしまう。

実は、一般的なスマホやタブレットに内臓されているGPSセンサーは1Hzで、1秒間に1回の更新周期。

注意点とは即ち、更新周期の短い物を使う必要があると言う点で、1秒間に5回の更新周期となる、5Hzが推奨されている。

つまり、GPSレシーバを購入する際は、5Hzに対応した物を選ぶ必要があると言う事。
実は結構値段が変わるので、安いと思って飛びついたら1Hzでしたと言うパターンが多いので、特に注意してもらいたいポイントだ。

5Hz対応のGPSレシーバは、ほとんどが1万円前後~となっているので、3000~5000円程度で売られている物は良く確認した方が良い。

しつこく言いますが、Bluetooth通信に対応した、5Hz以上のGPSレシーバです!

間違っても1HzのGPSレシーバを買わないように!!

追記(2019年3月31日)

現在、747proが生産終了となり、後継モデルに747proSが販売されていますが、747proSにはBluetooth機能が無いためRaceChronoに非対応となっています。

最近話題になっている、非バッテリー式の高性能GPSレシーバDG-PRO1をレビューしていますので、是非ご覧ください。

高性能GPS DG-PRO1をレビュー

 

■端末の準備

1.Bluetoothのペアリング設定(機器の認識)

使用するスマホ、タブレットの機種や、Androidのバージョンによって、多少表示に違いがある可能性がありますので、詳細は使用する端末の説明書などをご確認ください。

今回の例は、auキャリアの京セラ・URBANO V01(KYV31)/Android Ver.4.4.4での操作となります。

その他、SONY XPERIA SOL21・HUAWEI MediaPad M2 8.0などでも動作確認済。

原則、Bluetooth対応のAndroid OSなら使用可能です。

まず、端末の設定より「Bluetooth」の項目を開きます。

GPSレシーバが起動しており、端末のBluetooth設定がONになっていれば、機器一覧に機器名または、見覚えのないアドレスなどが表示されると思います。

端末の設定方法に沿って、ペアリングを試みます。
基本的には、リスト内から目的の機器をタップすれば、自動的に接続を試みるはずですので、必要に応じてパスワードを入力します。

「0000」または「1234」で認識するはずですが、それ以外の場合は同封されているGPSレシーバの説明書などに記載されています。

パスワードが通れば、ペアリング完了です。

しばらくすると、使用可能機器一覧または、ペアリング済みのデバイスとして一覧表示されますので、必要に応じて設定メニューから分かり易い名前を付けておいてください。

今回の場合は、自動的に「747PRO GPS」と言う名前が割り当てられましたので、このまま使用します。

2.アプリケーションの起動

GooglePlayストアから、GPS計測用のアプリをダウンロードします。

GPSを利用したアプリは、カーナビからマリンスポーツや登山用のツール、今回紹介するサーキットでの走行ログを行う物まで、多数のアプリが配布されていますので、目的に合った物をインストールしてください。

今回は、最もメジャーな「LAP Plus」ではなく、二番煎じっぽいけど使い易くて表示も綺麗な「RaceChrono」と言うアプリを使用します。

なんと海外製のアプリでありながら、マイナーな「一本クヌギ」のコースまで初期登録されているスゲーヤツです(笑)

Playストアの検索フォームにて「RaceChrono」などで検索すると出てきます。

フリー版の「RaceChrono」と、有料(2000円)の「RaceChrono Pro」がありますが、広告が表示されるわけでもなく、必要な機能に制限もないので無料版で十分…と言うより、有料版はAndroidアプリの中では群を抜いて高価なので安易にお勧めはし難いです。

ただし、iPhoneは有料版しか存在しないのでご注意ください。

主な違いは、何やら撮影した動画にコース図や車速などを表示したり出来るみたいですが、以前紹介したメーターアプリの「Torque Pro」と完全に機能が被っているので、上記の機能が欲しいなら、500円で買える「Torque Pro」を買いましょう。

マジでRaceChrono Proは悩み所です。
そもそも、無料版のRaceChrono自体に2000円以上の価値がありそうに感じますけどね…。

尚、今回の説明では製作者には申し訳ないですが、無料版の「RaceChrono」を使用しております。

 

■RaceChronoの初期設定

1.

アプリを起動したら、右の様なホームが表示されます。

まずは、右上にある設定のアイコンをタップして、設定メニューを開きます。

2.

内臓GPS受信機と書いてある部分の右側にあるボタンをタップして有効にします。

次に「+GPS受信機を追加」をタップしてください。

3.

右の様なメニューが開きますので、一番上に表示されている「Bluetooth GPS受信機」をタップします。

4.

最初のAndroidのBluetooth設定で、GPSレシーバをペアリング済みであれば、ウィンドウ内に有効なGPSレシーバの一覧が表示されます。

画像では一覧が表示されておりませんが、例えば今回の場合は「747PRO GPS」が表示されますので、一覧の中から使用するGPSをタップしてください。

これでGPSレシーバが有効となりましたので、設定は完了です。

5.

次にコースの登録を行いますので、右下の「トラック」をタップしてください。

尚、この設定は、既にコースが登録されている場合は特に行う必要はありません。

ラリーなどで公道を登録したい場合や、マイナーなコースで初期登録されていない場合、既存のコースでも計測ポイントを変更したり、中間タイムを計りたい場合など、必要に応じて行う設定となります。

世界中のメジャーなコースはほぼ登録されており、オートポリスや、2輪専用のSPA直入、何故か今は一般開放されていない美祢サーキットなどが最近追加されたり、マイナーな一本クヌギが登録されていたりと、結構充実しています。

6.

GPSが有効になっている場合は「近隣のトラック」をタップすれば、既に登録済みのコースは確認出来ます。

新たにマイトラックとして登録する場合は、右上の「+」をタップしてください。

7.

初期登録されているコースですが、今回は「一本クヌギ」を例に設定してみましょう。

現地にいる場合は、GPSを有効にするだけで現在地を中心に航空写真のマップが開きますので、そのまま編集に移ります。

現地から離れている場合は、画面内をスワイプして、該当するコースを探してください。

通常のタッチパネル操作同様に、拡大・縮小は可能ですので、編集し易いサイズに調整したら、右上の「ペン」のアイコンをタップして、分かり易い名前を付けてください。

名前の設定が完了したら、青い丸で示したポイントのアイコンをタップします。

8.

アイコンをタップすると、いきなり大きな矢印が表示されます。

ちなみに、最初に表示される青い矢印は「スプリットライン」となっており、区間タイムを計測するラインです。

矢印の中間に引いてある線は計測ラインを示した物で、ここを通過した瞬間に、タイムの計測判定が行われます。

このままでは使い道がないので、矢印の向きやサイズ、種類の調整を行います。

「トラップの種類」をタップしてください。

9.

数種類のトラップ名が表示されます。

ジムカーナや、周回出来ないコースなど、スタートとゴールが別々に存在する場合は、スタートラインとゴールラインを設定します。

サーキットなど、周回するコースは、スタートとゴールが共通位置となる「出発/終了ライン」を選択します。

この位置が、計測開始・終了のポイントとなり、通過する度にラップタイムが記録されていきます。

まず、計測ラインの向きを調整します。

無効化…計測ラインを無効とします

スタートライン…スタート位置

ゴール…ゴール位置

出発/終了ライン…スタート/ゴール共有

スタンディング…線ではなく、エリア判定

スプリットライン…区間計測ライン

10.

「スライドして回転」と書かれたゲージを指で操作すると、矢印が回転しますので、ホームストレートなど、計測したい位置に角度を合わせてください。

11.

計測ラインを通過すればラップタイムが記録されますが、矢印は一定方向を向いており、周回方向が決まっています。

逆周りも計測を有効にしたい場合は「単一方向」のチェックを外してください。

計測ラインを中心に、左右に矢印が表示されます。

単一方向の場合は、矢印の方向に通過した場合のみ計測の判定が行われ、単一方向を無効としている場合は、どちらの方向に通過しても判定が有効となります。

12.

角度が決まったら、次に計測ラインの幅を調整します。

ラインがそのまま計測位置となりますので、幅が広すぎると、隣接したエリアで通過した場合にも誤判定となる場合があります。

よって、コース幅に合わせてラインの幅を調整する必要があります。

角度と同じく、ゲージを指でスライドさせると幅が広くなったり、狭くなったりと調整が出来るので、最適なサイズに調整してください。

13.

最後に、位置を調整します。

上のアイコンをタップすると、画面上にサイトが表示されるので、地図を動かして位置を調整してください。

思わず矢印を直接動かしたくなりますが、矢印は画面中央に固定となります。
動かすのは地図の方となります。

これでコースの登録は完了です。

14.

区間タイムなどを計測したい場合は、手順7.へ戻ってポイントを追加してください。

スプリットラインのサイズや角度を調整して、測りたい区間に設置すればOKです。

ただし、あまり多くのスプリットラインを設置しても、一本クヌギの様にショートカット出来るコースの場合は、一周でも全てのスプリットライン通過しないラップが発生した場合、区間タイムが表示されません。

クーリングラップでは事前に計測を終了するか、計測と同じ様にショートカットせずに周回する必要がありますのでご注意ください。

右の例では、3コーナーからバックストレートへショートカットした場合、赤丸の第2スプリットラインを通過しません。

1周でもこの様なラップが記録された場合、ラップタイムは表示されますが、区間タイムは全て無効判定となります。

 

お疲れ様でした。
これでアプリの初期設定は完了となります。

次は実際にアプリの使用方法の説明に移ります。



■RaceChronoを使ってみる

初期設定が完了したら、次はRaceChronoを使って走行ログを収取してみましょう。

1.

ホーム画面で、中央に表示されている「開始」ボタンをタップします。

2.

開始ボタンを押すと、右の様な画面が表示されます。

現地でGPSが有効になっていれば、自動的にトラックが選択されている事もありますが、初期の測位に遅延があるため、手動設定した方が早い場合があります。

右上のポイントアイコンをタップして、周辺サーキットの一覧から選択する方法。

または、赤丸の「選択」をタップして、一覧から選択する方法があります。

3.

計測したいサーキットをタップして選択します。

ご覧の通り、先程「一本クヌギスピードウェイ」を登録しましたが、初期設定の公式扱いで「一本クヌギ」と言う名前で既に登録されています。

一本クヌギの計測ラインは昔からホームストレート上に存在するので、正直、何の公式なのかは不明です(笑

計測ラインは最終コーナーの立ち上がり直後となっていますが「周回」と言う意味では、どこで計測しても結果は同じなので、特に気にならない場合は「公式」のトラックを使用しても構わないと思います。

最終コーナー立ち上がりでの計測ですので、前のラップでシフトミスがなければ、こちらの方がシフトアップ前のポイントで計測されるので、見掛け上好タイムは出易いと思います。

対して、クヌギランナー公式の計測ラインはホームストレートの中間となりますので、理想は中間位置に計測ラインを設定するのが好ましいです。

ただし、あくまでも公式記録は、センサーの測位精度に依存しない光電管計測となりますので、GPS計測は非公式扱いです。

予めご了承ください。

4.

同様に、マイトラックのタブの中にも、自分で登録したコースの一覧が表示されます。

コースを登録している場合は、こちらから選択しても構いません。

これでコースの選択が完了したので、左上の「矢印」アイコンをクリックして、前の画面に戻ります。

5.

写真の使い回しですが、トラックが選択済みであれば「トラックが選択されていません」のエリアに、選択したコース名が表示されます。

準備が完了したらコースインして、走行を開始してください。

設定した計測ラインを通過した時点でタイム計測がスタートし、次に計測ラインを通過すればラップタイムが記録・表示されます。

同時に、2周目のスタート判定も入りますので、続けて連続周回してください。

走行が終了してピットへ戻ったら、左上の「矢印」アイコンをクリックしてホーム画面に戻ります。

この際に「録画を中止する」旨のアラートが表示されますので、気にせず「はい」を選択してください。

これまでの記録は保存され、ホーム画面に戻ります。

6.

早速、収集したデータを確認してみましょう。

計測開始から終了までのデータが1つのファイルとして保存されます。

5周計測しているなら5周分がまとめて1つのファイルです。

極端に言えば、1日走行する間に一度も計測を中断していない場合は、1日分のデータが1つのファイルとして保存されますが、ピットに戻るたびに中断していれば、毎回別のファイルとして保存されます。

記録したデータを確認するためには、ホーム画面の左下にある「セッション」のボタンをタップしてください。

7.

今まで記録されたセッション毎のファイルが一覧表示されます。

原則、最新のデータが上に表示され、古いデータは下の方へ表示されます。

滅多にないと思いますが、端末の時計設定などが狂っている場合は、ファイルの日時に依存するのでご注意ください。

データを確認するには、表示したいセッションをタップします。

8.

右の様に表示されますが、ベースが海外製のアプリなので、やや和訳がおかしいですが気にしないでください(笑)

下段のリストが計測タイムです。

ラップが何周目かを表し、完全と書いてある項目が各ラップに応じたタイムです。

周回数が多い場合は画面をスクロールする事で全て確認する事ができます。

また、詳細が気になるラップがある場合は、該当のタイムをタップしてみてください。

9.

該当のラップの走行ラインやトップスピード、ボトムスピードなどが確認できます。

また、加速度などもラインが色分けされており、どこで減速しているのか、どこから加速しているのかなど、視覚的に読み取れる情報も多いです。

GPS計測なので、多少の誤差はでますが、かなりの精度で表示されるので、自分のドライビングを分析するのに役立ちます。

もっと詳しく知りたい場合は、左上の「グラフ」のアイコンをタップしてみてください。

10.

コースの下に時間軸と、車速の推移がグラフ表示されます。

グラフに赤の縦線が表示されますので、スライドさせると上のコースと連動して、自車のポイントが移動しますので、どこでどれくらいスピードが出ているのか、加減速のメリハリがあるか?など、細かくチェックする事ができます。

また、右上の設定アイコンをクリックすれば、表示する項目を追加する事も出来るので、加減速G、旋回Gなども確認する事ができます。

タイムを計測するだけでなく、上手く活用してドライビングスキルを磨くのに是非役立ててみてください!

面白い機能や、便利な使い方を見付けたら教えてくださいね!

■総合評価

従来のタイム計測ツールの様に、コースに依存する事なく、どんな場所でも、どんな競技にでも使用できる。

また、タイムの計測に限らず、ラインの確認や実際の運転データを確認出来るので、闇雲に走り込むだけでなく、自己分析に活用できるのは非常に便利。

もっと若い内にこう言うツールがあれば良かったのに…と本気で思います(笑)

この様な恵まれた時代に走れるのなら、使わないなんて愚かな選択肢はありえませんよ!!
使わなきゃ損です!本当に便利!

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※上記以外のGPSレシーバも使えますが、Bluetoothの5Hz対応である事

RaceChrono(GooglePlay 無料版)

RaceChrono Pro(GooglePlay 有料版/2000円)