人気車種マツダ・アクセラ…。
そんなに車に興味の無い方でも、その存在、名前くらいは聞いた事があると言う人が多いと思う。
2003年、ファミリアの後継として市場に投入されたアクセラは、コンパクトカーと言う位置付けではあるのものの、アメリカやヨーロッパも視野に入れたCセグメント車種で、先代のファミリアと比べてもボディサイズが拡大されており、同クラスのヴィッツやフィットと言ったコンパクトカーの代表格と比較しても随分大きく、全グレードを通して3ナンバーとなっている。
ヴィッツクラスのサイズ感で言えば、デミオがあるので当然そうなるかもしれないが…。
また、ボディサイズの拡大だけでなく、装備や走行性能に於いても高いパフォーマンスを発揮し、実用性からハンドリングまで評判も良く、価格も手頃であった事も人気に一役買っている。
排気量は1500cc、2000cc、2300ccと3種のラインナップ、ボディ形状は4ドアセダンのアクセラと、5ドアハッチバックモデルのアクセラスポーツと2タイプで選択肢も豊富だ。
また、2006年6月のマイナーチェンジにより、大別して後期型となるが、この際に2Lモデルに4WDの設定が追加され、2か月後の8月には累計100万台を突破すると言う、マツダ史上、最高の販売ペースを誇る超人気車種なのだ!
そしてこの年、このマイナーチェンジに合わせて追加された新グレードがある。
念のために言っておくが、これは限定車ではない。
紛れもなく標準カタログモデルである事を初めに断っておく。
その名は、マツダスピード・アクセラ。
初代アクセラは累計300万台以上を売り上げた超人気車種であるが、このマツダスピード・アクセラに至っては、メーカー公表3745台と言う、耳を疑う程の悲劇的数字を記録している。
運良く街中で遭遇しても、普通のアクセラと何が違うのか見分けられる人も少ないため、ほとんどの人は気付きもしない。
この後あなたは、伝説の目撃者となる。
■マツダスピード・アクセラとは?
2006年6月のマイナーチェンジに合わせて、新規追加されたハイパフォーマンスグレードで、ボディタイプはハッチバックモデルのみ、トランスミッションは6MTのみとなる。
元々ラインナップにあった2.3Lモデルを専用チューンしたモデルで、搭載されるL3-VDTエンジンは2.3L直噴ターボとなり、その圧縮比は過給機モデルとしては驚異的な9.5、最大出力264ps、トルクは38.7kgf-mと言うハイパフォーマンスを誇る。
それだけではない。
今現在、他社からマツダ車へ乗り換えて来た新規ユーザー諸君には理解出来ないかもしれないが、コアなマツダファンなら知っている。
この頃のマツダは少々特殊なメーカーで、どう言うわけかマイナーチェンジや、売れる見込みさえないモデルにまで全力投球してくる、良い意味でヤバいメーカーであった。
このMSアクセラも例外ではなく、このグレードのためだけに、ベースモデルからコストの掛かる大幅な変更を加えている。
冒頭で伝えたエンジンに加え、専用エアロパーツの装備、大径ホイールを履かせるためだけにフロントフェンダーの金型を作り、全幅20mmの拡大、インタークーラーを隠すためだけにボンネットフードを専用設計し、合わせてバンパーとのカットラインを変更してフロントデザインを一新、合わせてフォグランプの形状も専用となる。
更に大径スペアタイヤを収めるためにラゲッジフロアの床板を専用設計したり、専用シートや専用メーターなどのインテリアを装備、DSCの標準装備、ブレーキサイズの大型化、専用のハードサスを組み合わせたショックアブソーバに強化スタビライザ、ボディ補強や板厚強化、アンダーフロアをフラット化する処置、トルクステア対策と耐久性向上のためにドライブシャフトの専用設計と、接続位置の変更により大径タイヤでの全高増を抑制しつつ、トラクション抜け回避のためにトルク感応型スーパーLSDを標準装備など。
もちろん、こんな事をしてしまっては値段が跳ね上がってしまうのは当然で、そりゃ3700台しか売れないわな…って思ったそこのあなた。
マツダがヤバいメーカーだと言った意味はここにある。
そのお値段、ベースに僅か26万円追加の241万円也!
しかも、当時の実際の新車契約書を見る機会があったので言えるのだが、ここから更に値引きまである。
価格の表示ミスを疑うレベルのバーゲンプライスである。
マツダを推す人たちは、口を揃えてRX-7を褒め称えるが、ノーマル比較でもあのFD3S型より速い。
燃費はカタログ値で11.2km/Lとなっており、実際に走らせてみても実測値で10~12km/Lと悪くない。
マツダ最強マシンは、このマツダスピード・アクセラなのである!(直線は)
コストパフォーマンスは圧倒的で、他車の追従も許さない。
じゃあ、何故これが売れなかったのか?
その真相は定かではないが、後期型から突然追加され、積極的な宣伝もされなかった事で知名度が低い事。
そして、もう1つ当て嵌まるだろう理由が、コイツがまさかのFFだって事である。
車にちょっと詳しければわかると思うが、理想は4WD、後輪駆動ならなんとかなる。
しかし、前輪二輪駆動で264馬力、トルク38kgf-mなんて高出力を与えたらどうなるのか?
そんな事は言わなくても想像出来ると思うが、恐らく脳裏に過ったのは”制御不能でガードレールに向かって飛んで行く姿”であろう。
試しに「マツダスピードアクセラ」をGoogleで検索してみて欲しい。
検索ワードを入力していると、候補の上位に出てくるのは「マツダスピードアクセラ 危ない」である(笑)
世間はその様にMSアクセラを見ていると言う事実を知る事が出来る。
世界最速のFFをコンセプトに掲げつつ、マツダが悪ふざけで作ったとしか思えないパッケージに、手を出す勇気が出ない。
そして何より、アクセラを買い求めるユーザーが、何を考えてこんなモンスターマシンを求めるだろうか?と考えれば、そりゃ売れるわけないよと、素人でも気付く話なのである。
しかし、これだけでは終わらない。
これだけ悲劇的な数字を叩き出したにも関わらず、マツダは一体何を考えているのかと心配になる行動に出る。
あろう事か、フルモデルチェンジした二代目アクセラに、MSアクセラがラインナップされたのである。
ただし、初代MSアクセラと比較して随分マイルドになり、反省点も踏まえて、外見も一目でMSアクセラだと分かる派手なエクステリアとなったが、その不人気振りにはより一層の磨きを掛けており、販売台数を2600台余りに抑えると言う快挙を達成している。
マイルドになったとは言っても、そのじゃじゃ馬振りも健在である。
さて、このMSアクセラだが、レアと言えば聞こえが良いが現実としては”超不人気車種”である。
それが故、現在の中古車市場での相場はかなり安い。
二代目MSアクセラは見た目も派手で、中古車市場ではそれなりの人気があるためそこそこ高い水準となっているが、初代は30万円台から見付ける事が出来る。(2019年3月現在)
興味のある方は是非探してみて欲しい。
ただし、買おうと思ったなら、数が少な過ぎて選択肢はほぼ無い(笑)
■噂の真相は…?
MSアクセラの情報を検索すれば、発売当時からのレビューや実際に所有している人のブログやSNSなどがいくつか見付かるが、皆口々に危ないの一言で片付け、強烈なトルクステアに襲われる、真っ直ぐ走らない、曲がらない、暴力的な加速、怖い…などとネガティブな意見が飛び交っているのだ。
噂は本当だろうか?
マツダ技報を拝見すると製作に関する資料を読む事が出来るのだが、これを読めば前項で書いた”悪ふざけではないか”と言った印象はすぐに払拭されるはずだ。
マツダは、紛れもなくコイツを本気で作って投入している。
面白半分に乗るのではなく、敬意を表し、素人なりにも真面目にコイツと向き合ってみたいと思う。
そして何より、この車に興味を持って本気で乗ってみたい、所有したいと考える人たちに、噂に惑わされず出来る限り正確な情報をお伝え出来れば幸いです。
改めて実車を確認した印象は”普通”である。
確かにベースモデルのアクセラと並べてみると、やや大きく見える事と、バンパーのデザインが違うと言った変化は感じるものの、ちょっとオシャレな普通のステーションワゴンにしか見えない。
まさかコイツが物凄い勢いでカッ飛ぶなんて、誰が想像するだろうか?
羊の皮を被った狼と呼ぶに相応しいエクステリアである。
細かいデザインなどについては後述するとして、まずは噂の真相を探るべく、実際に走らせてみたい。
まず、クラッチペダルについては重いと言った意見が多い様だが、一般的な2Lクラスのスポーツカーとほとんど変わらないか、むしろ軽いくらいである。
ペダル自体はもしかするとタッチが固いのかもしれないが、シートポジション的にやや上から踏み下ろす様な操作感になるため、苦にはならない。
6速のトランスミッションは1速の左にRギアが設定されるタイプで、レバーを押し込んでからRギアへシフト出来る構造となっている。
ワイヤーリンク式だが露骨なグニャグニャ感はないものの、やはりFRの様なカチッとしたフィーリングとは程遠く、シフトストロークもやや広い。
それでは早速発進してみよう。
まず、電子制御の介入なのか、期待し過ぎなのか、2.3Lユニットに低速重視のターボと言う割には、どこかトルク感の稀薄な発進。
そのままアクセルを踏み込んでみるが、3000rpm辺りから急激にブーストが立ち上がり、強い加速Gを感じる。
この際に、確かに露骨なトルクステアが発生するのを感じる事が出来る。
FF特有のトルクステアやキックバックは、大凡アクセル開度の大きな変化や轍などによって、急激に駆動力を与えた時、駆動力の偏りが生じた時に発生する挙動である。
今回の例では、ブーストの立ち上がりにそれが起こり易いと言った感じである。
ただ、少なくともノーマルサイズのタイヤであれば、ハンドルさえ握っておけば十分に抑えられる。
しかし、甘く見てハンドルから手を離したり、ぼんやりしていたらどこへ向かうかわからないと言う怖さはあるので注意は必要だ。
ここで2速へ。
シフトチェンジ直後、再度アクセルを踏み込んだ際に再びトルクステアが襲い掛かる。
この際、シフト操作により片手状態となる瞬間があるので、結構怖いのは、このシフトチェンジと言うタイミングなのではないだろうか。
真っ直ぐ走っている時なら良いが、これがコーナーリング中に襲ってくると、慣れない内はちょっとヒヤッとするかもしれない。
2速もターボラグはあり、少し遅れてブーストが立ち上がる印象。
そして3速へ。
ここで気付くのは、1・2速と明らかに異なり、下の回転からブーストが掛かっている印象を受ける。
加速感がリニアで、とにかく全域でパワフルなのだ。
体感的には300~350馬力の車に乗っている様な加速感で、1390kgと言う重さはまるで感じさせない。
ただし、レブリミットは7500rpmとなっていながら、5000rpm辺りで急激に加速感が鈍る。
これらの情報から分かるのは、マツダ技報に書いてある通り、確かに1・2速で何らかの制御が入っており、出力を抑えてある事。
そして、低速重視のターボは高回転を待たずして、容量的に5000rpmを超えた辺りで頭打ちだと言う点だ。
トルクステアについては、シフトチェンジの時と、路面の荒れた場所では注意が必要と言ったところである。
それでは、各ステージで印象を確認してみたい。
まず、市街地などタウンユースではどうか?
ハッキリ言って、こんなに向いている車はないだろう。
十分なトルクで非常に乗り易いし、当然街乗りでアクセルをガンガン踏むなんて事はないので、この車の怖い一面など全く見る事はなく、メリットだけを味わう事が出来る。
また、ステーションワゴンならではの積載量も魅力で、買い物で大きな物を購入しても、大体の物は普通に載ると言う点は嬉しい。
峠道など、ワインディングでも同様に、アクセルを床まで踏み込む事もなくグイグイと加速するので、非常に気持ちよく走る事が出来るし、カーブを曲がり終えて直線道路へ戻れば、少しアクセルを開いてやるだけでヒュンッと素早く立ち上がれるので、峠道で軽く流すのが非常に楽しい車だ。
さあ、ここでいざサーキットへ持ち込んでみるとどうなるのか?
これが結構怖い。
街乗りとは対照的に、この車の暴力的な一面が顔を覗かせる。
まず、フルパワーでの直線加速は、当然ストレートエンドまでの車速はかなり伸びる事になり、ブレーキが遅ければ極端なフロントヘビーの車はまるで曲がらないので注意が必要だ。
スピードは調整して、再度コーナーへ飛び込んでみるが、弁えていれば意外と素直に向きを変えてくれるので、突っ込み過ぎなければなんて事はない。
しかし、問題なのはターンインから先の話であり、惰性で曲がる分には全く問題ないが、アクセルをガンガン踏んで行けるかと言えば、大凡”NO”と言う答えが返って来る。
アクセルをパーシャルで旋回していても、突然ブーストが立ち上がって前輪がホイールスピンを起こす。
強烈なアンダーに襲われ、咄嗟にアクセルを抜けば今時の車とは思えないタックイン(FF特有のオーバーステア現象)に襲われる。
アクセルの加減が分からぬ内は、踏めばアンダー、抜けばオーバーと言った感じで、結構難しい印象である。
ただし、これはノーマルでの話であり、ブレーキングやアクセルオフによるノーズダイブやリアのリフトが大きい事で、極端な荷重の偏りが生じるためだと思われる。
この辺りを上手くバランス出来れば、安定感は増すと思うが、気を付けなければ本当に曲がらない車に仕上がってしまう危険性も孕んでいるのでトライ&エラーを繰り返して煮詰めて行くしかないだろう。
対して、緩やかなコーナーはそれ程気にならないので、この手の車はどちらかと言うと大きなサーキットか、ダートトライアルやラリーなど、オフロード向きな印象を受ける。
ミニサーキットやジムカーナでは、曲げる事に苦労しそうだ。
総合的に見て、危ないかどうかと言えば、やや危ない印象は受けるものの、噂程ではなく、なかなか良く出来た車だと言うのが正直な意見だ。
■アクセラの魅力
アクセラの魅力は何と言っても、やはりそのスタイリングではないだろうか。
初代アクセラが登場したのは2003年と言う事もあり、確かに現行車と比べると、どこにでもいる地味な大衆車と言った印象は否めないが、当時の同期車種と比較すれば、かなりオシャレなデザインである。
そして、リアのデザインに至っては現在でも通用する、恐らく歴代のアクセラ中、最高傑作だと言える美しさだ。
同クラスの車種と比較しても、比較的全長が長いので、サイドビューもボテッとした印象はそんなに受けない。
ただ、この辺りはマツダもそれを意識して作ったのか、しわ寄せは車内に及ぶ。
シートの座面が高めである事も原因の一つであるが、ややルーフが低く、硬派なスポーツカー程ではないにしても頭を低くして乗り込む感じである事と、乗り込んでからの天井の低さは感じる。
また、リアのラゲッジフロアも容量約300Lと十分なスペースを確保しているが、縦幅の大きな物は積み難い印象である。
とは言っても、実用性は十分で、車内を歩き回るわけでもないので特に問題となる様な事ではないだろう。
あくまでも、競合車種と比較した場合の話である。
さて、ここでマツダスピード・アクセラの特徴を。
まず、前後バンパーが専用デザインとなり、フロントフェンダーはベース車から左右10mmずつの20mm拡大となっており、これは専用の18インチホイールを収めるために設計されたものらしい。
また、ボンネットもエンジン上部に配置されたインタークーラーを納め、導風板を収納するための専用設計となる。
ただし、このボンネットがスチール製であり、かなり重たいのが欠点だろうか。
ボンネットデザインについては、二代目アクセラの様に美観を損ねるエアスクープなどは装備せず、フロントグリルから取り込んだ空気を、ボンネット裏のガイドを通してインタークーラーに送ると言う凝った造りになっている。
裏を返せば、この設計のためにMSアクセラと一目では分からないステルス仕様となってしまっているわけだ。
パッと外観を見た感じでは、マツダスピードだと言う特別感は殆ど感じられない。
唯一、何か違う物があるかと言えば、少し大きめのマフラーテールに、リアゲートにはマツダスピードのオーナメントが付いている程度である。
それではインテリアに話を移そう。
まず、リアシートについては専用カラーと言うだけで特段変更点は見られない。
リアシートは3名掛けで、海外の仕様に合わせて全席3点式シートベルトが装備となる。
また、リアシートの中央は背もたれの部分がアームレストを内臓しており、2人掛けの際はこのスペースの小物入れなどを利用する事も可能。
後席の窓も全開となる点は地味に嬉しいポイント。
フロントのシートはセミバケットタイプで、マツダスピードの刺繍入りとなる。
運転席のみだが、座面の高さを調整する機構も付いており、合わせてステアリングのチルト・テレスコ機構もあるので、好みのドライビングポジションに合わせ易い。
シートに腰掛ければ、まず目に飛び込んでくるのは専用のマツダスピードロゴ入り、200km/hフルスケールメーター。
これだけでも、ハイパフォーマンスを予感させる仕様である。
そして6速のMTレバー、ステアリングも本革仕様と贅沢な作りである。
ただし、やはり内装はこの頃のマツダ特有と言うか、チープな印象は否めない。
全体的にプラスチック感が凄く、分かり難い位置ではあるが、センターコンソールとメーターパネル周りのチリなど、平気で段差があったり、エアコンのスイッチ周りなど指で押さえるとグニャグニャしていたりと、トヨタ車ならまず有り得ないだろうなって事が普通にあるので、マツダ車に乗っていると言う安心感がある(笑)
また、この頃の車に当て嵌まる事だが、オーディオがDIN規格ではなくパネルと一体型の専用設計となっており、社外品のパネルを用意しなければ社外オーディオやカーナビの取り付けが出来ないと言う点だ。
尚、初代BK型のオーディオパネルは、製造していたカナテクスの商品が絶版となり、現在では在庫限りで販売を終了すると言う事なので、今後は入手困難となりそうだ。
代わりに、現在は唯一Amazonで売られているパネルがCARAVと言うメーカーのオーディオパネルになる。
見た感じの特徴はこんなところだろうか。
全体的な使い勝手としては、乗用車として必要十分な積載量、乗り心地だが、ややミラーが見難いと感じる。
その他、マツダ車には珍しくドリンクホルダーが使い易い位置にあったり、あろう事か今時シガライターと灰皿が標準装備だったりと、まあ、喫煙者には嬉しいのかな?と言った仕様だったり。
また、高級オプションのDSC(横滑り防止装置)も、マツダスピード・アクセラには標準装備となるので、中古車を探す際もDSC付きをわざわざ確認する必要もない点は嬉しい。
ちなみに、もっとマイナーな車種には、マツダスピード・アテンザと言うモデルも存在する。
MSアクセラと同じエンジンを搭載したMSアテンザは、重量は重くなるものの電子制御4WDの駆動方式を採用し、非常に安心感がある。
安定した速さを求めるならMSアテンザ、じゃじゃ馬に乗りたいならMSアクセラがお勧めだ!
■MSアクセラ購入時の注意点
MSアクセラで不具合の出易い部分や持病について。
中古で購入する際は、これらを確認しておいた方が良いだろうと思われる点を紹介しておきます。
ちなみに、タービンの不具合を除いては、全て修理しても10万円以内に収まりますので、手直し前提で予算に加えておくと言うのもありかもしれません。
○マフラーからの白煙
マフラーから白煙が出ると言う症状があります。
少々の量ではなく、モクモクと白煙が上がるので、これに気付かないと言う事はまずない。
中にはタービンやエンジンの故障と思って、これを理由に手放したり、廃車にすると言う人もいるようですが、治らない不具合ではありません。
原因はタービンの軸から、排気管内へのオイル漏れである。
対策品番のタービン(二代目アクセラ用など)に交換するか、ディーラーで対策部品の取り付け修理を行えば治ります。
タービン丸ごと交換の場合はリビルド品を利用しても部品代で約8万円、工賃込みで10万円程となります。
対策部品での対応であれば、4~5万円が相場の様です。
素人でもわかる不具合なので、購入時にこれを確認して避けるのが無難です。
○エンジン冷間始動時のガラガラ音と始動性不良
冷間時のエンジン始動時に、やや始動性が悪く感じたり、エンジンが掛かった直後にガラガラッと結構大きな異音がする個体があります。
VVTアクチュエータ(給気側可変バルブタイミング機構)のロックピン不良と言う、L3-VDTエンジンの持病ですが、現在はアクチュエータが対策品に変更されています。
部品交換にはSST(特殊工具)が必要なため、構造に詳しい方でも庭先整備で対応は厳しいです。
ディーラーに作業を丸投げした場合で、費用は5~6万円が相場です。
VVTアクチュエータのロックピンは、始動時に内部のベーンがバタついて打音を発生させるのを防ぐ目的や、始動時に最適なバルブタイミング遅角位置で固定する目的があり、始動後にアクチュエータ内へ油圧が掛かればピンが抜けてVVT機構が動くようになります。
つまり、始動時の異音や始動性がやや悪くなると言った程度の不具合で、大きな実害は無いので、とりあえず様子見と言う事で放置しても大凡問題はありません。
ただし、始動後もガラガラと言う音が出たり、走行中に激しい異音がする場合はその限りではありませんので、直ちに修理が必要です。
○シフトゲート破損
6MTのシフトレバーは1速横のRギアへ誤操作しない様に、レバーを押し込まないとRギアへシフト出来ない構造となっています。
しかし、このストッパーガイドが樹脂製であり、レバーのストッパーピンが切りっ放しの金属と言う都合上、ハードに走った車両や、走行距離の進んだ車両だとこの部分が削れて、ストッパーが機能しなくなる事があります。
つまり、レバーを押し込まなくてもRギアへシフト操作が可能な状態となり、ちょっと危ないです。
シフトレバーASSYは約2万円、工賃もそんなに高くはないと思いますが、費用は合計で3万円程度は覚悟が必要です。
○ミッションオイル漏れ
ミッション本体側のコントロールレバー接続部のパッキンからオイル漏れする個体が多いです。
恐らく、アイシンAI BG6型の持病と思われる。
特徴としては、通常走行では滲み程度で、露骨に漏れてくるような症状は出ない。
と言うのも、該当部分は思いっきり上を向いているため、オイルの液面より漏れる場所が高い位置にあるため。
ハードな走行や、短時間にシフト操作をバシバシ繰り返す運転の直後に、一定量がボタボタとフロア下へ零れてくる。
コントロールレバーはバッテリーケース周りを外せば簡単にアクセス出来るので、ある程度のスキルがあれば庭先でも修理は可能。
パッキンだけで済めば1000円もしないが、付近のASSYで購入すると8000円程度の部品代となる。
交換工賃も含めて3万円程度で修理可能との事。
■関連動画紹介
Tracktest Honda Civic Type R und Mazda3 MPS: Sushi-Brenner im Test
※MSアクセラの走行は5:19辺りから
昨年中古で2006年式を購入し、10,000kmほど走行しました。
買ってすぐにアクセスポートとステアリングを交換しました。
封印解除後の暴力的加速はやみつきになります!
今後は外観ノーマルで吸排気系を中心にカスタムしていきたいと思っています。
私はECU書き換えで封印解除を行いましたが、結構違いますよね。
ただ、今となってはノーマルでも十分凄い加速をするので、解除しなくても良かったかな…?なんて考えていますが(笑)
ロードスターやRX-8の様にコーナーを軽快に走る車も楽しいですが、力任せにブンブン加速する直線番長も違った楽しさがありますね!
私はMSアテンザ新車購入で13年所有、現在14万km
まだまだ元気なエンジンです。
この記事を読ませて頂きました。
MS好きとしては良い記事ですね。
新車販売当時、後輩をMSアテンザに乗せたら喜んでたんですよ。
後輩に似た車両でMSアクセラってのが有るよって教えたら購入したいとマツダのディーラーへ。
値引き交渉30万で契約、初マイカーがMSアクセラとなりました。
納車された時に凄く嬉しいそうに私に見せに来たのは今でも覚えてます。
当たり前ですがMSアテンザとは違いましたね。
羨ましい点はマツダスピードロゴが随所にいっぱいある所。MSアテンザはトランクロゴしか無い…(対抗心から後付けMSロゴ追加しました)
後、インテリアがアテンザより綺麗。
ゼロ発進が速い。
まぁ、色々ありますが後輩も私もMS乗りとして共通してることが同僚や友達、周囲とカブる事が無い!それがトレンドでしたねww
まだ元気に乗ってるみたいで嬉しい限りです。
MSアテンザの場合はオイルの粘度は説明書とディーラー推奨では違いますのでご注意を。
兄がMPVターボを中古で買った際は数千kmでタービンブローしてターボ載せ換え。(白煙が黒煙に変わりましたw)
白煙問題はL3VDT乗りでは有名になりましたね。
アテンザではクラッチがいつの間にか対策されたそうなのですがアクセラはどうなんでしょう?
クラッチは最近知り、そして無償交換期間も終わってて、半クラ行方不明のクラッチフィーリングとコレからも付き合うはめになりましたが…。
購入時にアテンザとアクセラで迷いましたが、購入時点でセダンはRX-8とアテンザ(GJ)を所有していたためハッチバックのアクセラを選びました。
FFか4WDかと言った違いは大きいですが、どちらも今時ではなかなか味わえない過激な車ですよね!
ただ、FFのアクセラの方が0発進が速いと言うのは意外です。
後発なので電子制御なども改善されているのか、重量の関係なのかわかりませんが、実際に乗るとまるでトラクションが掛からない印象を受けるので、足回りのセッティングも結構悩みました(^^;
クラッチの不具合についてはあまり聞きませんが、トランスミッションの不具合で交換と言った話は聞きます。
これがクラッチを含めての不具合なのか、ミッション自体に問題があるのかはわかりませんが、正常と言われている個体でもシフトフィールやギア抜け症状などで評判はあまりよろしくない様です。
エンジン下部のマウント強化で改善出来る様ですが、不快な振動が増すと言うデメリット付きなので、用途によってどちらを選ぶか迷うところでしょうか。
マツスピより早い車はいくらでも有りますけど
ここまで尖った車も少ないですね。
初めて乗った車が初代のセブン(中古でしたけど)。それから他メーカーに乗ったりしてましたけど また乗りたいと思えた車でした。
マツスピも手放した後に後悔しそうな予感(笑)
マツダって不思議なメーカーですね。
好みもあるとは思いますが、所謂スポーツカーメーカーと言った感じですね。
乗っていて楽しい車が多いですが、完全に嗜好品の様な感じでちょっと疲れると言う欠点もある印象です。
長距離ドライブで旅行などに出掛ける際はトヨタ車がいかに優秀か、売れる理由が良くわかる気がします(笑)
2008年のマツスピに乗ってます。メンテは点検方々、3ヶ月に一度のオイル+フィルター交換。毎年プラグ交換…位かな?
距離は6万弱。ロードスターいいなぁと思いながら変わらずにマツスピです。
ここに来てバッテリーが弱いとディーラーから指摘されたのでネットで買ったカオスの100に交換予定です。
国内で売れそうも無い この様な車を出してくれたメーカーに敬意を表します。
現行のNDではありませんが、以前ロードスターを2台乗り継ぎました。
アクセラとは方向性の違う、別の魅力がある車ですよ♪
私のアクセラはもうすぐ19万kmに達しますので、さすがにミッションやタービン、エンジンマウントなどなどガタの出てきた部分を修理しましたが、エンジン自体は頑丈なのでメンテさえしていればまだまだ長く乗れそうな印象です。
先日、2030年中頃までに純ガソリン車の新車販売が禁止になると言った話題も出てきて、今後こう言ったタイプの車はもう出てこないでしょうから、今の内に乗っておくべき1台ですよね。
私もMSアクセラ乗ってます
13年で23万キロ、パワーダウンは感じませんね
坂道もトルク太いから坂に感じないかな
エンジンは超丈夫ですか他のパーツが劣化や故障で
ちょくちょく修理です
でもコスパやパフォーマンスを考えると他の車に乗り換え出来ません。
オイル交換をマメにして必ず一緒にフィルターも交換してます
気になる事はMSアクセラがあまり知られていない事で
1500ccのアクセラだと思われて普通に走っていると煽られる事結構ありますね
ヴィッツやフィットが多いかも
とても良い車なのでずっと大事に乗りたいです
コメントありがとうございます!
一部、気になる表現がありましたので、修正させて頂きましたが、ご了承下さい。
23万キロとは、かなりの走行距離ですね!
こちらは17万キロを突破したところです(笑)
仰る通り、3速や4速のままでもスイスイ坂道を登ってしまうのには驚きます。
これを味わってしまうと2Lクラスのスポーツカーでもなかなか満足出来なくなりますね!
贅沢を言えば、もっと上の回転域まで加速感が続くと良いですが。
ただ、どうでしょう?
個人的にはマイナー車が故に、また、見た目も普通のステーションワゴンの様に見えて、実は速いと言う意外性がMSアクセラの良いところなのかな?なんて考えてます!(笑)
沢山のコメントありがとうございます。
こちらの記事は、マイナー車種について書いているのでアクセスも少ないだろうと考えていましたが、予想に反して現在では当サイト内でも1、2を争う人気記事になっています。
こちらにもMSアクセラの情報交換用掲示板を用意していますので、もし何かあれば是非書き込んでください♪
https://kunugi-runner.com/bbs/topic/1845/
乗ってますよ。
スピードアクセラ
去年、3万キロの中古を購入させていただきました。
メモリーナビを付けてもらって
タイヤ新品にして、115万円でした。
一年で3万キロのるので距離はあっとゆうまで
もう、6万5000キロはしりました。
高速は楽ちんで気に入ってます。
燃費は8キロくらいですね。
15万キロまでのる予定です。それに噂されるほど
じゃじゃ馬ではないです。
床まで踏むとグニャグニャして面白いですよ。
おすすめです。
年間にかなりの距離乗られるのですね。
私のアクセラはもう少しで17万キロですが、エンジンは頑丈なのでメンテさえしていれば長く乗れそうですよ(笑)
ただ、それなりの走行距離になると、タービンやVVTの不具合やミッション周りがへたってくるので、この辺りをどう考えるかでしょうか。
このパフォーマンスでエンジンが丈夫なのは
凄いですね。
15万キロ超えるとパワーダウンだけでなくて
オイルを食い始めたりして、劣化に拍車がかかる
のが普通ですけど。
今まで最長は21万キロなので、記録更新を目指してみますね。
整備の頻度や乗り方にもよると思いますが、最近はエンジンの精度も上がり、オイルも質が良くなっているので摩耗具合も昔とは違う様ですね。
最も走行距離が伸びたのは、28万キロで手放したセリカがありますが、現オーナーもまだノンO/Hで乗っている様ですし、特に目立った不具合もない様です。
とは言え、パワーダウンは確実にあるでしょうから、実用範囲で乗れるかと言えばYES、最良のコンディションかと言えば、やはり10~15万kmを目安にO/Hは必要かもしれません。
私も13年目、まだ走行三万七千なのであと10年は乗れそう。(笑)装備はHKSブーコンで低回転(1500回転)からブーストかかるようにしたり、インタークーラー(アメリカ製)を容量五割増しにしてボディー強化でアンダーバーフル装備、これで280馬力仕様位。もう年食ってあまり飛ばさないけれど、リミッターキャンセラーも付けたので今でも頑張れば250キロオーバー(加給1.2)位はいけるかな?タイヤはネオバAD08の225でちと不足気味という「実は市販してはいけない」車と思えますが今も楽しんでいます。
また、デチューンしてメタルキャタライザ(スポーツ触媒)を外して280馬力仕様に(フル仕様なら300馬力)しているのは、セミ強化クラッチの限界と発進時のFFの宿命と言うべきかな。トルク上げすぎるとタイヤ空転し過ぎて乗りにくいからと言えます。標準のポテンザの215では乗りにくいのでネオバ225を履かせています。(ほんとは235の方がよいけどボトムで擦ります。)
やはりみなさん長く乗られてますね!
過激な仕様も面白そうですね!
タイヤサイズは、個人的には215でも不足はないと感じています。
前輪駆動と言う都合上、加速時に面圧が急激に下がると前に進まないですし、減速時も依存するのは幅より外径だと思います。
ただ、横グリップに対しては太さが有効になってくるので、255/40辺りを履かせたいところですが、太い場合は接地面積を有効に使おうと思えばキャンバーを付け過ぎるわけにはいかなくなるため、フェンダーの幅が足りないですかね(^^;
こんにちは。私もBK型MSアクセラを所有しています。2006年式を新車で購入し、所有13年目となりました。
ロックピン不具合によるガラガラ音が出ています。ディーラーからは様子見ですね、と言われ5年ほど様子見しています。
私の個体は購入時にオーディオレス仕様にして、オプションの2DINパネル+パイオニアナビとしました。オーディオレス仕様の特徴はハンドル設置のスイッチ類がなくなり、全面パネル(オレンジ色電光)の時計表示が消えてしまうことです。
購入初期に自分の所有車の性能確認のため、少しオーバースピード気味でコーナリングしたところ、お尻を通して変な感覚、4輪別々の制動がかかっているような動きを感じました。禁じ手として、電子制御頼みのファーストインファーストアウトが使えるかもですね。
13年目突入ですが、あまりに使い勝手が良いので、買い替えは考えていません。
13年も所有されているのですね!
私は今年になって中古車を見付けて購入しましたが、予想していた以上にパワフルで驚いています。
本当に街乗りには最適で、非常に乗り易い良い車ですよねー♪
時計の制御は純正オーディオに内蔵されているのでしょうね。
最近アクセラのオーディオを社外ナビに交換したところ、時計機能やCDのトラック表示などの機能はなくなってしまいました。
まだ乗り始めて数か月なので、走行性能など深く突っ込んだ部分までは良くわかっていない点が多いので、リア側は完全に転がるだけの印象だったのですが、ブレーキ制御などの介入が入っているのでしょうか。
同時期に販売されているRX-8やNCロードスターなども、DSCをカットしなければブレーキLSD機能がある様なので、これに近い物かもしれませんね。