どこまで共通部品が使用されているのかわからないので、マツダ全車ってわけではないと思いますが、MTのシフトレバーでちょっと気になる症状が。。。

通常のシフトチェンジに伴う操作は快適そのもので、おもちゃの様なフィーリングはともかく、何一つ不満はありません。

しかし、最近になって特定の条件下でのみ発生する症状に悩まされています。。。

私の車はMazda2ですが、他にも同じワイヤーリンク式の構造のCX-3Mazda3でも同様の症状が現れる可能性はありそうですね。

ロードスターの方は全く問題ありませんが、Mazda2の6MTに於いて、バックギアにシフトする際にレバーを押し込むとそのまま引っ掛かってしまい、手で引っ張り上げてやらないとレバーが上がって来ない事があります。

これは暖かい日や少し走って温まってしまえば症状が出なくなるのですが、気温が15℃以下の寒い日は車内が温まるまでそんな調子。

レバーを押し込んだままでもシフト操作は可能ですが、後退後、1速に入れたつもりが再びバックギアに入りそうになる事があるのでちょっと不快ですよね。

試しにこの症状について検索してみても同様の報告が見当たらないのですが、みなさんの車はどう?…私の車だけ??

◆シフトレバーの引っ掛かり症状の確認

◆シフト周りの分解手順

◆グリス塗布で症状を改善

■シフトレバーの引っ掛かり症状の確認

以前、BKアクセラのシフトレバーが引っ掛かる症状を改善するための手順を紹介した事があります。

アクセラの例は、シフトレバー根元のストッパーピンがガイドに接触して、1・2速操作時に抵抗を感じる事があると言うものでしたが、今回のマツダ2(DJデミオ)の症状は押し込んだレバーが戻って来ないと言うものです。

分かりやすい様に既にシフト周りを分解した状態の写真ですが、シフトブーツの内部はこの様になっています。

誤操作防止の機構があり、通常はシフトレバーをバックギアにシフト出来ない様になっていて、バックギアにシフトしたい時は、レバーを上からグッと押し込んでやればバックギア側にもレバーを動かせる様になると言う仕組みです。

レバーを押し込んでいる手を離せば、矢印の部分のバネの力なのか、内部構造によるものなのかはわかりませんが、レバーが自動的に持ち上がる構造ってわけですね。

試しにレバーを押し込んでみるとこの通り、バネの部分を確認すれば分かりやすいですが、10~15mm程度上下に可動します。

この状態から押さえている手を離せば、先程の写真の様にバネが伸びてレバーが持ち上がる…はずなのですが、寒い時はこの状態のまま引っ掛かってしまう事があると言うのが今回悩まされている症状です。

数ヵ月もすれば慣れ過ぎてしまって、最近はクセでバックギア操作後はレバーを引っ張る様になりました(笑)

ただ、この症状は昨年の秋頃から気になり始めたので、乗り始めた初年度の冬は問題なくスムーズに動いていたはずです。

…となると、シフトレバーAssyの故障なのか、シャフト周りのグリス切れなどが原因なのか。

まだ新車保証も利くのでお店に見てもらうのも良いですが、その前にダメ元で改善出来ないか簡単な方法を試してみましょう。


■シフト周りの分解手順

作業するにはシフトブーツを取り外す必要があるので、分解手順を確認してみましょう。

以前、内装の交換方法を紹介した時にも簡単に触れていますが、改めてご紹介します。

今回の例であるマツダ2の場合、分解だけなら工具は必要ありませんが、手で取り外せないと言う方は内装剥がしなどを使用すると良いでしょう。

シフトノブは手で掴んで回してやるだけで簡単に取り外せます。

続いて、シフト周りの化粧版は、赤丸の位置を指で掴んでグイッと上に引いてやれば簡単に爪が抜けます。

浮いた化粧版の隙間に手を入れ、後方も浮かす様に引っ張ってやれば簡単に取り外す事が出来ます。

ご覧の通り、爪は全部で4ヶ所ですね。

次に、シフトブーツAssyのパネルを取り外す必要がありますが、このままではセンターコンソールが被さっていて外れないため、矢印の穴に指を入れてコンソールを持ち上げます。

大した力は要りませんが、軽く勢いを付けてポンッと持ち上げる感じで引っ張ってやればOK!

センターコンソールは完全に取り外す必要はありませんので、写真の様に前方が浮いてシフトブーツAssyを取り外せるスペースが確保出来ればOKです。

シフトブーツAssyは、矢印の穴に指を入れて上に引っ張ってやればこちらもあっさり外れるはずです。

ビックリするくらい簡単でしょ?(笑)


■グリス塗布で症状を改善

シフト周りを分解したらレバーが直接確認出来るので、引っ掛かっている部分がどこなのか目視点検してみます。

ただ、点検とは言っても外観から判断できる部分は少なく、これ以上奥の構造については分解しないと容易に確認できる構造にはなっていません。。。

面倒…と言うより、これを分解するくらいなら潔くAssy交換した方が早い(笑)

しかし、赤丸で示した位置を確認すると、レバーのシャフト部分が樹脂製のカラーで固定されているだけの様に見えるので、症状の原因はここのバネが弱いのか、シャフト周りの摩擦が強過ぎるのか、いずれかである可能性が高いかな?と。

バネについては短期間でそうそうヘタる物でもないでしょうし、シャフトにグリスを塗布して様子を見てみる事にしましょう。

今回グリスを塗布するのは、バネの奥に見えるシャフト部分です。

受け側は金属ではなく樹脂製となっているので、普通のグリスや溶剤を含む潤滑スプレーは厳禁!

塗布するグリスは、必ずゴムやプラスチックにも使用可能なラバーグリスシリコングリスを使用しましょう。

とは言っても、このバネの隙間からシャフトにグリスを塗布するのは難しいですよねえ。

…と思ったら、良い物がありました♪

KUREのスーパー・シリコンスプレー

普通のシリコンスプレーもありましたが、奮発してちょっと高い”スーパー”の方を買ってやりましたよ!!

ただ、買った後に気が付きましたが、グリスではないので長期間効き目があるのかどうか微妙なところ(笑)

その点は少々心配なので、また改めてグリスを塗り直すつもりですが、とりあえずシャフト周りの滑りを良くして改善されるのかどうかチェックしてみます。

ちなみにこのシリコンスプレーは、溶剤を含んでいないので金属はもちろん、プラスチックやゴム、木、紙…

………紙!?(笑)

この先、紙にスプレーする機会があるのかどうかわかりませんが、何でも気にせず使えそうですね!

スプレーなので塗布は簡単♪

周りに飛び散らない様にボロ布で巻いたら、ノズルをバネの隙間に差し込んでシャフト周りに噴射!

何度かシャフトを押し込んで馴染ませながら、数回吹いておけば大丈夫でしょう。

暖かいと実際に症状が改善されたのかどうか確認が難しいので、寒い日の早朝に作業すると良いかもしれませんね。

実は1回目は改善されていなかったので、数日後に再施行しました。

現在は症状も改善されて、問題なくスムーズにレバーが戻る様になりました♪

バックギア操作後にノブを引っ張るクセはまだ抜けてないですが…(笑)

冒頭でも伝えた通り、検索しても同様の症状の報告が見られないので、あまり例がないのかもしれませんが、もし引っ掛かりが気になる様な事があればシャフト周りの点検とグリス塗布を試してみてください。