どんなに大切に乗っているお気に入りの車でも、機械である以上、劣化や消耗は避けられない。

古くなればなるほど、故障の修理やメンテナンスに費やす費用や時間は増すばかりで、乗り換えの選択に迫られるのが通常の流れですよね。

バリバリ現役で走れる内は、誰も、まさか自分が気に入っている愛車を手放す日が訪れようとは思いもしないはず。

私だって同じです。

レストアしてでも生涯乗り続けてやる!一見、立派なその思いさえも…そう思う人はまだまだ若いか、本気で車を愛せるエンスーか。

一般的な感覚であれば立て続けに発生する故障や、原因不明のトラブルには徐々に嫌気が差し、気が付けばあんなに大好きだった愛車にさえ愛想を尽かすと言うのが、非情ではあるが現実である。

とは言え、そんなに古いわけでもなく、まだまだバリバリ現役で走れるのに、嫌気の差す無慈悲なトラブルってあるでしょう?

直そうと思ったら簡単な補修でも安く見積もって10万円コース、しっかり直すなら最低でも30万円くらいは覚悟しなきゃならない。

故障ではないし、全く走行に差支えはないから、そんな大金を払ってまで直すのがなんだか惜しい…

車好きが、車を所有する上で一番気の滅入るトラブルは、何と言っても塗装の劣化である!

ちょっとした擦りキズや、小さな凹みくらいは気にならなくても、艶が無くガサガサ、クリアが剥げてボロボロ、色は斑だらけで見るからにみすぼらしいその姿を見るのは耐えられない!

じゃあ、自分で直して安く仕上げちゃおうぜ!って言うのが今回のテーマだ。

自分の手でピカピカにリフレッシュしてやれば、洗車以上に愛車への愛の絆が強くなるってわけだ!

さあ、本題へ入る前に、読者のみなさんに勇気を与える激励のメッセージを伝えておく!

安心したまえ。私は今日まで、塗装の経験がない(笑)

◆まずは下調べと練習から

◆穴埋め作業と足付け

◆下地と上塗りで仕上げる

◆仕上げの磨きを省く秘策

■まずは下調べと練習から

まず、何と言っても全く塗装の経験が無いど素人に、よりによって車の全塗装が可能なのか?と言う最大の疑問と不安が待ち構える。

私が今まで経験した事のある”塗装”は、目立たない場所…と言うより見えない下回りにシャシーブラックを吹き付けたり、キャリパーをペイントしたり、錆を落として刷毛でペンキを塗りつけたりと言ったレベルの作業。

ボディの美観を整えるために均一で滑らかな塗装など経験はない。

イメージはなんとなくあるのだが、サンドペーパーなどで下地を滑らかに整え、上塗りをする。

仕上げは必要に応じて研ぎ出しを行うって事くらいだが。

とりあえず、今回の塗装実験にご協力頂いた、日産・シルビアさんに登場して頂こう(笑)

お気付きかもしれないが、過去に紹介したシルビアの記事で登場しているので、塗り替え自体は過去に行っている。

その作業の記事を、需要があるとは思わなかったので下書きのまま放置していたため、今回サルベージしてリライトしているわけですが。

これが、私の手元に来たばかりの素の状態でした。

禁煙・無事故・ワンオーナーのフルノーマル。

内装も低年式車とは思えないほど綺麗、ディーラー整備で特に不具合もなく、シルビアとしては極乗車ですが、唯一の欠点として塗装の劣化が見られる車両です。

ルーフからトランクに掛けてガサガサに荒れており、ピラー周りなどはクリア剥げも目立つ。

今回はこの車両を全塗装の対象とするわけですが、まずは塗装の方法からざっくりと、要点だけお世話になっている板金屋さんで習います。

 

1.洗車後、外せる物はなるべく外す

2.荒目のサンドペーパーで全体を万遍なく擦り、劣化した塗装を落とす

3.サンドペーパーを徐々に細目に変えながら、全体を只管削り、剥がれた塗装などの段差を滑らかに整える

4.洗車後、入念に濯ぎを行い、脱脂・除電剤で全体をしっかり拭き上げる(穴埋めなどパテ補修を要する場合はここまでに全て仕上げておく)

5.下地塗装を行い、しっかり乾燥させる(プラサフの吹き付け)

6.細めのサンドペーパーでサフの研ぎ出しを行い、表面を滑らかに整える(サンドペーパーは水で濡らして使う)

7.脱脂・除電剤で全体をしっかり拭き上げる

8.上塗り~仕上げ(必要に応じて重ね塗りや研ぎ出しを行う)

9.外した部品を取り付ける

上記がざっくりとした手順となる。

 

尚、塗装のコツは決して焦らぬ事。

理想はエアコンプレッサースプレーガンを使って、安定したエア圧で専用の塗料を吹き付ける方法だが、缶スプレーの場合は長時間の連続噴射で内圧が下がって塗料が出なくなったり、定期的に缶を振って中身の塗料をかき混ぜてやらないと斑が出易くなったりするので注意が必要。

とは言え、缶スプレーでもコツさえ掴めばそんなに難しくはないので、塗装面と一定の距離を保ちながら、一定のペースで一直線に、真横に向かって塗って行く。

塗り始めと塗り終わりは、図の様なイメージで対象物の外から外へ。

例えば1枚の板を塗るなら、空中へ空吹きしながら板の上へ動かし、終わりも板の端で手を止めずにそのまま抜けると言った感じだ。

とにかく下地が重要である事と、塗装の吹き付けは一度に塗ろうとせず、徐々に下地の色が隠れる程度で良いので、まずはぼんやりと全体に色を乗せて行く感じで進めて行けば良い。

乾燥後の2度塗り、3度塗りと繰り返していく内に、4度目を塗る頃には全体の色がしっかりしてくるはずである。

ソリッドカラーであれば艶が出なくても根気よく磨けば艶は出るので、斑や塗り残しに注意すれば、素人作業でも差支えないレベルまでは可能だと言う事。

だから、少々の液だれくらいは怖がらなくて良いので、思い切って行こう!

失敗した場合は、慌てて上から塗って隠そうとせず、乾燥を待ってから削るなどの方法を取る。

 

とりあえず、簡単ではあるが以上が塗装のコツと注意点だ。

とは言っても、いきなり車の本体へ手を出すと後戻りは出来ないので、まずは小物から塗って練習してみよう。

なかなか良い色に仕上がったヴィンテージ物のワイパーアームです(笑)

根元のキャップを開いて中のナットを外すだけでアームが取り外せる。

塗装の基本手順に沿って、まずは荒目のサンドペーパーで錆を落とし、細めのペーパーで整える。

錆が酷くて母材が荒れているなら、必要に応じてパテ埋めと研ぎ出しが必要であるが、とりあえずここでは説明を省かせて頂きます。

ペーパー掛けが完了したら、入念に洗った後に脱脂を行うが、この程度のサイズであればパーツクリーナーで問題ないだろう。

ただし、パーツクリーナーを吹き付けた直後は部品が冷えてしまうので、少し待って常温に戻ってから作業する事。

プラサフを吹き付け、乾燥後に細めのペーパーで表面を研ぎ、再び脱脂を行う。

ここで初めて本塗りと言うわけだが、先程の注意点に気を付けながらスプレーで色を乗せてやる。

ワイパーアームの場合はつや消し黒なので、研ぎ出しはなく、色さえ斑なく乗れば完成である。

何度も言うが、無理に一度に塗ろうとせず、加減の分からぬ内は離れた位置から粉を振り掛けてやる程度のつもりで何度も何度も重ね塗りをしよう。

不要なパーツや段ボールの切れ端などで試しても良いので、色の乗り具合や液だれしない距離感を入念に確認して感覚で理解するしかない。

この通り、新品の様になりました!

ワイパーアームを自分で塗れただけでもちょっと感動しますね(笑)

恐らく、全塗装の前に試す事で、適性が判別できると思います。

これで失敗する様であれば、今のままでは全塗装なんてとても無理なので、もっと練習するか諦めるのが賢明だと思います。

無事に第一の試練を乗り越えた方は次のステージへ進みましょう!


■穴埋め作業と足付け

いよいよ本番の作業へと踏み込むわけですが、車体の塗装を始める前に下地処理、所謂足付けから始めなければならない。

また、スポイラーなどを取り外した穴を埋めたり、小さな凹みを補修する必要がある場合は、パテ埋めの作業が加わる。

とりあえず用意する物はこんな感じ。

塗装前の脱脂・除電にはプレソルと言う液剤を使用しましたが、まずパテ埋めの狭い範囲を作業する内は、とりあえず使い勝手の良いパーツクリーナーで済ませた方が良い。

尚、足付けから塗装前の下地処理まで、サンドペーパーを荒目から400>600>800>1000>1500>2000と言った感じで細目へ向かって繰り返し削り出しの作業を行うと言う意見が多かったのですが、実際に作業したみた感じだと800番程度までで線キズは隠れる事が確認出来た事と、プラサフを削るには800番でざっくりと、その後は一気に1500番でも問題なさそうである。

尚、パテの荒削りには240番で一気に余計な部分を削り落とし、400>600>800と言った感じで整える。

 

まずは、リアスポイラーを取り外して穴埋めを行う。

板金屋さんに習った方法では、まず穴の内側をやすりで荒し、裏面にアルミテープなどを貼り付けてから”はんだ”を溶かして流し込むと良いらしい。

使用する道具は配線作業などに使うはんだごてで大丈夫だが、実際にはんだ線を買いに行くと電気配線用の他、金属工作用などと言ったバリエーションがある様で、専門外の私には何が違うのかわからないが、一応工作用を購入して作業に用いた。

ざっくりと穴が埋まると、まるで溶接したかの様に穴がしっかり塞がるが、金属を削るのは大変なので、あくまでも穴を埋めるだけに留め、穴から盛り上がってはみ出す程はんだを流さない様にしよう。

はんだで穴が埋まったら、グラスウール入りのエポキシパテを盛り付ける。

パテはへらで穴にこすり付ける様に、可能な限り平らに、穴に対してすり切る様に付けるのが良いのだが…

このグラスウール入りのパテは、繊維状のグラスウールが混ざっているせいで薄塗りが非常に困難であった(汗)

仕方がないので、とりあえず穴が確実に埋まる様に、ちょっと多目ではあるが貼り付ける様に塗る事に。

乾燥後にこれを研ぐのが結構大変だったが、かなり頑丈そうなので安心感はある。

荒めのペーパーで一気に削り、大凡平らになって来たところで細目のペーパーに切り替える。

指で撫でてみて段差がわからないレベルになったら、小さな巣穴や微妙な凹凸に対して”薄付けパテ“を使う。

写真では青っぽく見えるのがグラスウール入りのハードなエポキシパテ、白く見えている部分が薄付パテである。

薄付パテは細めのペーパーでも難なく削れるので、少々盛り過ぎても特に気にしなくて構わないが、付属のへらで簡単に薄塗り出来るので、特に心配する必要もなさそうだ。

尚、今回の場合は車の全塗装を行うので、このままサンドペーパーによる作業をボディ全体へ行った。

まずはエンブレムやドアミラー、灯火類などの部品を取り外し、400番の荒目のペーパーで、水を掛けながらボディ全体を擦っていく。

テキトーに作業せず50cm四方の範囲ずつ、または一直線に擦って折り返して行くなど、磨き残しが無い様に進めて行くのが良い。

また、取り外さない部品、例えばドアとフェンダーの隙間の様な部分は溝になっているので忘れ易い部分である。

全体を万遍なく擦ったら、試しにタオルなどで拭き上げてみると良い。

ボディ全体の艶はなくなり、白けてガサガサになっているはずだ。

次に、サンドペーパーを600番に変えて同じ作業を繰り返し、磨き終わったら次は800番で同じ作業を行う。

実はこれが足付けと呼ばれる作業で、ボディに細かい傷を隙間なく付けてやる事で、塗装の食い付きを良くすると言う作業である。

また、足付け不要を謳っているミッチャクロンなどの下地処理剤が販売されており、かなり便利と言う話であるが、ミッチャクロンを使うのはあくまでもベースとなる塗装が痛んでいない場合の話なので注意!

劣化して剥がれかけている塗装にミッチャクロンを吹き付けても、その下から剥がれてくるのでは意味が無いので、劣化した塗装は剥がし、段差などはペーパーで滑らかに整えてやる必要がある。

まあ早い話、ミッチャクロンを使うのか、ペーパー掛けを行うのか、併用するのか、それは自分の車の塗装状態と相談と言う事になる。

ただし、原則として塗装の仕上がりを左右するのはこの下地処理だと言われており、塗装その物よりも遥かに時間が掛かるし、費やす労力も相当である。

私はこの作業に3日掛けてある。

仕事が終わった後の夕方にやっていたので、実際には時間にして5~6時間と言ったところだと思うが、結構時間が掛かる作業である事は覚悟しておいた方が良い。

ペーパー掛けが完了したら、塗装の前に、入念に中性洗剤(食器用などで良い)で脱脂も兼ねてしっかり洗車を行い、マイクロファイバータオルなど、糸くずの付き難いタオルでしっかり拭き上げて乾燥させる。

すぐに塗装に移れない場合は、ここまで済んだところでボディカバーなどを掛けて保管しておこう。


■下地と上塗りで仕上げる

塗装は飛散するので、民家が密集する様な場所では絶対に作業しないでください。

どうしても庭先で行う場合は、周辺住民の方に理解が得られる場合か、最低でもブルーシートなどで仮設の塗装ブースなどを作って塗料の飛散を防止しましょう。

もう後戻りはできない(笑)

尚、私の場合は連なる3区画、約210坪ほどの土地を買いました(ガチ)

周辺の民家からも離れているので、これでスプレーを吹き放題です。

もう、後戻りは出来ない!やるぜ!!

洗車を済ませ、良く乾燥させたら、次にプレソル(脱脂・除電剤)を使ってボディを万遍なく拭き上げる。

次に、窓や車室内と繋がる穴、エンジン、ホイールなど、塗装が付着しては困る部分にマスキングを行う。

新聞紙やビニール袋などをマスキングテープで貼り付けても構わないが、マスカーと呼ばれる養生シートとマスキングテープが一体になった便利な商品が売っているので、それを使う事をお勧めしたい。

塗装面と非塗装面の境界はテープを真っ直ぐ、またはカーブに沿ってしっかり密着させておかないと、はみ出しや塗り残しの原因になったりするので、慎重に行う事!

ミスし易いのが窓枠のガイド部品だったり、ゴムパッキンだったり、塗らない部分を見落とさない様に注意したい。

また、意外と盲点なのがドアミラーを外した部分やテールランプの穴など、車室内と通じている穴を塞ぎ忘れると大変な事になるので、絶対に見落とさない様に!

マスキングが完了すれば、後は塗装するだけなので、まずは下塗りとなるプラサフを吹き付ける。

事前にワイパーアームで説明した注意点に従い、ボディから一定の距離を保ちながら、慌てず一定のスピードで一直線に塗り、端まで行ったら折り返すと言う作業を繰り返す。

スプレーの端切りが困難な場合は、遠い位置からスプレーを開始し、一定の距離まで近付けて塗り、塗り終わりはボディからスプレーを遠ざけてから噴射を止めると言った感じで対応すれば良い。

吹き出し直後は塗料の噴射が安定せず斑になったり、特に缶スプレーの場合は時々良く振ってやらないと塗料の出方にも影響が出易いので注意が必要。

また、缶スプレーの場合は2本以上の缶を同時に使い分けた方が良い。

長時間スプレーすると、缶が冷えて内圧が下がってしまうため、噴射量が安定しなくなる。

また、勿体ないと思わずに、残量が少なくなってきたら完全に出なくなる前に使用をやめ、新しい缶を開封しよう。

上記が塗装時の注意点である。

プラサフ自体は事前にサンドペーパーで荒したボディの細かい傷を埋める、パテの様な役割と、上塗り塗料の密着性を上げるための目的があるので、少々下の色が透けていても特に問題は無い。

とにかく、塗り残した部分が無い様に2~3度塗りで、ボディ全体が薄灰色になるまで繰り返そう。

ここまで完了したら乾燥するのを待ってから、少し手で触ってみてほしい。

ザラザラするでしょう?

ここから1500番のペーパーで空研ぎを行う。

水を付けずに、細めのペーパーでボディ全体を撫で回す様に研いでいく。

指で触ると表面がすべすべして滑らかになっていくのがわかると思うので、研ぎ残しが無いように万遍なく擦ろう。

尚、ボディのプレスラインやフェンダー、ボンネットの端など、角の部分は塗膜が薄かったり、圧力が分散され難い事から軽く撫でているつもりでも研ぎ過ぎて下地が出てしまったりと言うトラブルが起き易いので注意。

プラサフを吹き付ける時点で、その辺りは少し入念に吹き付けておくのも一つの作戦である。

研ぎ終わったら再び洗車(水洗いで良い)を行い、乾燥後に改めてプレソルで全体を拭き上げる。

いよいよお待ちかねの本塗りとなるわけですが、失敗したくない!なんて恐れないように!

心配しなくても、必ず失敗するので(笑)

そもそも私も含め、塗装経験のない素人が一発で綺麗な塗装をすると言うのが無理な話なのである。

もしそんな事が可能なら、全国の塗装屋さんなんて廃業ですよ(笑)

逆に、素人の場合は失敗前提で、とにかく塗り残しや斑が出ない様に色をしっかり乗せる事と、後処理を少しでも省ける様に、液だれなどがなるべく発生しない様に最大限の努力をする事、これに尽きる。

そのために、ソリッドカラーを選びたい。

メタリックやマイカなどを塗りたければ、もっと練習してからの方が良いだろう。

何故なら、ソリッドカラーの場合はどんなに艶が無くても、液だれが発生しようとも、時間を掛けて根気よく磨きさえすれば綺麗になるのだ。

なので、失敗を怖がらずに、とりあえず色さえしっかり塗る事が出来れば、後からどうにでもなる!

だから心配しないで!思い切っていこう!

むしろ、一発で決めようなんて変な事を考えてやる方が、むしろ緊張して大失敗に繋がったり、失敗した時のショックでやる気が無くなってしまうリスクが大きい様に思える。

んで、塗ってみたのですが。

プラサフと同じように塗って行けばいいだけです。

一度目を塗ったら乾燥するのを待ち、二度目、三度目と繰り返していきます。

2~3回塗る程度では、本当に色が付くのか?と不安になるくらい薄い色しか乗りませんが、焦って一気に吹き付けず、塗料をふんわりとボディに乗せてやるように繰り返していきましょう。

また、上塗りなので、下地の色が完全に隠れるまで何度も何度も重ね塗りを繰り返します。

5回目を塗る頃には、近くで見る分には完全に色が乗った様に見えますが、恐らく乾燥後に遠くから見ると斑が凄いので、ここでやめずに繰り返していきます。

吹き付ける距離にもよりますが、慎重に作業している場合は、大凡20本のスプレーを消費し、10回目の重ね塗りが済む頃には完全に色が乗っていると思います。

ただ、液だれなどもなく、綺麗に塗れている場合はこのままクリアを吹き付ける作業でも問題ないと思いますが、恐らく初めての作業だとそう言うわけにもいかないので、追加で5~10本、合計12~15回程度の重ね塗りをして研ぎ出しに備えておく事をお勧めします。

止め時は、塗装の状態を見て判断してしてください。

さて、今回の塗装なのですが、案の定艶はまるで出ていないです(笑)

…と言うのも、艶を出すコツは液だれするギリギリの吹き付けと言われているのですが、素人にそんな加減がわかるはずもなく、なんだかんだ言って自分も液だれを恐れてやや遠くから慎重に吹付を行っていたため、表面が少しザラザラして粉っぽいです。

これがもっと遠すぎるとぼんやりとした映り込みすらない、ガサガサの塗装面になるそうですが、その中間と言った感じでしょうか。

ただ、比較的塗り易いと言われている、アサヒペンの高耐久ラッカースプレーを使用したのですが、確かにAmazonの商品レビューなどで見られる通り、液だれしにくいし、乾燥も速く、失敗し難い塗料と言った感じがします。

実際、液だれはおきず、色もしっかり乗って斑もなく仕上がっています。

艶がないと言う欠点だけですので、磨けば輝くはずです!

こちらの写真は1000番までペーパーを掛けたところ。

磨き方は、800番程度のサンドペーパーで水研ぎを行い、1000番、1500番と仕上げていく。

表面が滑らかになったら、仕上げに研磨用のコンパウンドを使ってキズ消し>磨き用>仕上げ用と言った感じで入念に磨いていきます。

この作業を行っていくと、ボディにどんどん艶が出てきました!

磨いた部分は鏡の様にハッキリとした映り込みで、読み通り仕上げに時間を掛ければ素人でもピッカピカのボディに仕上げる事は可能な様です♪

ただし、気付いた事があるのですが、物凄く時間が掛かる。

ルーフを磨き終わった頃には、数時間が経過しており、腕はパンパンです!!

もう耐えられない!!ここはポリッシャーに頼って、一気に仕上げてしまいましょう!!

さあ、常連の読者のみなさんは、この時点で嫌な予感がしてきましたよね?

大人しく時間を掛けて作業していれば、数日でピカピカのボディになっていたはずですが、もちろんうちのブログが、そんな素晴らしい結果で締めくくられるなんてオチはありません(笑)

お構いなしにポリッシャーでギュイーン!と磨いていくと、あっと言う間に艶々でピッカピカのボディに変わって行きます!

楽しい!楽しすぎる!!

なんだか艶が良過ぎてボンネットには青空が写り込んでますよ~♪

エッジの効いた部分の光方が強烈ですねー!

…ん?

違うこれ!!エッジの部分が光ってるんじゃなくて、下地のサフの色が透けてきてる!!(笑)

平らな部分も、十分な艶が出たところでやめておけば良かったのに、もっと光り輝くんじゃね?なんて欲を出して磨きまくっていたら、下地の色が透けてます!!

オォオーーーーーーーマイガァアァーーーーーーー!!

ここに来て、磨き過ぎると言うまさかの大失敗!

こうなってしまうと、下地の透けてしまった部分は最初からとまではいかないにしても、再び足付けだけして上塗りはやり直しになります。

当然塗料も倍まではいかなくても追加で必要になる。

そしてなんと、アサヒペンの高耐久ラッカーですが、塗り易いと言う評判だけでなく、塗膜がしっかりしていて長持ちするしキズにも強く剥げにくいと言う、本来メリットであるはずの特性が、そのままデメリットとして襲い掛かる(笑)

そうです、細めのペーパーで少々磨く程度では足付けも不十分なので、倍ほど時間を掛けて作業する羽目になる。

そこで!ミッチャクロンに頼る事にしました(笑)

そしてもう一つ、仕上げの磨き工程を省く秘策を投入していきます!


■仕上げの磨きを省く秘策

磨きに失敗した…と言うより調子に乗り過ぎたため、下地が透けると言うトラブルに見舞われてしまった。

ただ、艶が無いというだけで、塗装面は液だれや斑もなく綺麗に塗れていたので、磨きの省ける塗装ならそのまま完成と言えるわけだ。

そこで、ミッチャクロンを塗布して、マットブラック(つや消し黒)に変更してやったぜ!

見よ!

この!

クオリティー!!

エンブレムや灯火類なども外して、塗った後に取り付けてあるので変な塗り残しもなく綺麗に仕上がっている。

マスキングが面倒なので、そのまま塗ったホイールは、スカイラインの17インチホイールに変更する事で、純正ホイールは用済み!

ついでに車高調を取り付けて、適度にローダウンしてみた。

なかなかコントラストの強く出る色で、S15の特徴である綺麗なプレスラインが栄える。

予定外の色になりましたが、結果としては良かったのかな?なんて。

ちなみに、マットブラックは洗車機不可なんて噂がありますが、アサヒペンの高耐久ラッカースプレーだと塗膜が固いので、ネタにしようと思って試しに洗車機に入れてみたが、全く問題ない(笑)

ただし、固形ワックスはNGです!

ワックスインシャンプーなどで手入れをする事になりますが、一般的な洗車機のワックス洗車などで大丈夫。

落ちにくい汚れが付いてしまった時は、柔らかめの洗車ブラシで水を掛けながら、力を入れずに撫でる様に洗ってやれば大丈夫です。

塗装で液だれしちゃうと言う場合は難しい色になりますが、艶がないだけで斑なく平滑な塗装面に仕上げられる人なら、面倒な磨きを省くためにマットカラーと言う選択肢もありだと思います。

また、色を塗った後につや消しクリアーなんて言うのもあるので、どんな色でもマットカラーに変更する事が可能です。

今回は良い部分も悪い部分も含め、自分で塗装してみようと考えている人の参考になれば幸いです。