以前、使用方法や性能レビューをレポートした、高性能GPSレシーバDG-PRO1について。
当サイトが推奨しているRaceChronoでのタイム計測に使用する場合、DG-PRO1設定ツールを使用すれば対応させる事が可能とお知らせしておりましたが、アップデートで純正アプリのDroggerGPSでも使用可能になっている様です。
しかし特定の条件によって発生する、ちょっとした不具合報告もあり、使用方法と注意点を報告させて頂きたいと思います。
DG-PRO1のレビューと、DG-PRO1設定ツールの使用方法は、以前のレポートをご覧ください。
高性能GPS DG-PRO1をレビュー
■DG-PRO1設定ツール使用時の注意点
以前書いたDG-PRO1のレポートで、DG-PRO1設定ツールを使用してRaceChronoに対応させる方法をお伝えしましたが、一部のユーザーの間で衛星に接続出来ない、動作が不安定などと言った報告が上がっています。
その様な不具合は出なかった事と、DG-PRO1設定ツールの製作者の方でも症状の確認が取れなかったため、原因不明、対応不可と言う状態でしたが、今回、不具合症状の再現が確認され、原因と思われる条件や、対策が判明しましたので、注意点として報告させて頂きます。
まず、DG-PRO1をDG-PRO1設定ツールでRaceChronoに対応させる事は、何一つ難しい設定などはなく、ワンタッチで対応可能です。(DG-PRO1設定ツールの使い方は以前のレポートをご確認ください)
しかし、DG-PRO1純正アプリのDroggerGPSと言うアプリを同時にインストールしている場合は注意が必要です。
DroggerGPSを使用する場合、DG-PRO1設定ツールが現時点で非対応のGoogleマップなどでナビゲーションにも使用する事が可能なため、同時にインストールしたいと考える方もおられると思いますが、DroggerGPSの使用条件として、Androidの開発者向けオプションから「仮の現在地情報アプリを選択」と言う設定項目にDroggerGPSを選択しておく必要があると言う条件があります。(後でDroggerGPSの使用方法について詳しくご説明します)
この、仮の現在地情報アプリにDroggerGPSを選択している場合、一部の位置情報を使用するアプリ使用時に於いて、自動的にDroggerGPSから提供される位置情報に置き換えて処理しようとする制御が入る様です。
そのため、他の位置情報アプリからの測位データが上手く受け渡し出来なくなり、衛星に接続出来ない、または動作が不安定と言う症状が発生する様です。
この影響をDG-PRO1設定ツールも受けている様で、DroggerGPS Ver.1.7.49以降で発生する症状と言う事が確認出来ました。
現時点では、どちらか、または両方のアプリが競合するアプリとの干渉を回避する対策をしてくれる事に期待して待つしかないと言う事になりますが、タイム計測にしか使わないと言う場合はDG-PRO1設定ツール1本で使用するのがベストだと思います。
Googleマップなど、タイム計測以外のアプリでも使用したいと言う場合や、何らかの理由でDG-PRO1設定ツールが使用できないと言う場合はDroggerGPSを選択する形になると思います。
DroggerGPSのVer.1.7.49以前のバージョンをご利用中の方は、敢えてアップデートしないと言う方法か、どちらかのアプリを選ぶと言う方法になると思います。
2019年5月現在、同時使用は不可と言う事になりますのでご注意ください。
どうしても両方使用する場合は、その都度、仮の位置情報アプリの選択を再設定する必要があります。
■DroggerGPSの使い方
DroggerGPS Ver.1.8.50以降にて、RaceChronoへの対応が確認出来ましたので、使用方法をお伝えしたいと思います。
DroggerGPSを機能させるための設定方法と、RaceChronoで使用する際の注意点をまとめてみました。
設定の手順へ進む前に、GooglePlayストアからDroggerGPSをインストールしてください。
1.Androidの開発者向けオプションを開く
開発者向けオプションはデバッグ用の隠しメニューとなっていますので、設定メニューからシステム>端末情報から、ビルド番号の欄をタップで連打してディベロッパーモードに切り替えてください。
ビルド番号が表示されている場所はAndroidのバージョンによって多少異なりますので、ご注意ください。
開発者向けオプションがメニュー内に表示されたら、メニューを開きます。
2.仮の現在地情報アプリを選択する
開発者向けオプションのメニュー内にある、仮の現在地情報アプリを選択をタップし、DroggerGPSを選択しておきます。
この設定を行うと、これ以降は選択解除をするまでDG-PRO1設定ツールがRaceChronoに対応出来なくなりますのでご注意ください。
3.RaceChronoの設定を行う
DG-PRO1をRaceChronoで使用しない場合は5.へ進んでください。
RaceChronoで使用する場合は、アプリを起動して右上の設定メニューを開きます。
4.使用するGPS受信機を設定する
ここが一番重要な注意点です!
通常、Bluetooth接続の外部GPSレシーバを使用する場合、当然ペアリングしたGPSレシーバを選択する項目であり、DG-PRO1設定ツールを使用する場合も例外ではありません。
ただし、DroggerGPSを使用してRaceChronoにDG-PRO1を対応させる場合は、仮の位置情報アプリを介して接続されるため、ここでは「内臓GPS受信機」を選択する必要があります。
5.DroggerGPSの設定を行う
特定のアプリを自動起動させる必要がない場合は7.へ進んでください。
設定する場合はDroggerGPSを起動し、右上の設定メニューを開きます。
6.ワンタッチで自動起動の設定をする
起動と外部アプリのメニューを開き、Bluetooth接続後に起動するアプリをタップします。
インストールされているアプリ名の一覧が表示されますので、その中からRaceChronoを探して選択しておきます。
この設定により、以後はDroggerGPSからワンタッチでRaceChronoが起動する様になります。
7.DroggerGPSの操作
ここまで設定が完了したら、後はメインのステータス画面右上にあるSTARTボタンをタップするだけです。
ボタンを押すと表示がSTOPに切り替わり、自動的にDG-PRO1に接続を試みます。
8.接続完了
無事に通信が行われると、接続済みと表示され、座標や接続衛星数などのステータスが有効になります。
自動起動するアプリを選択している場合は、直後に選択したアプリが起動しますが、自動起動を設定していない場合は、このままDroggerGPSを終了させずにバックグラウンドに切り替えてください。(ホームボタンを押す、など。)
後はナビアプリや計測アプリを起動するだけで動き出します。
終了したい場合はストップボタンを押し、右上のメニューアイコンより終了メニューを選択します。
9.RaceChronoで確認してみる
RaceChrono上では、計測開始ボタンを押してからGPSのステータス画面を開けば状態が確認可能です。
DG-PRO1設定ツールを使用した場合と異なり、更新周期や速度などは表示されるものの、何故か接続衛星数は「0」と表示されます。
この状態でもDroggerGPSのステータスでは正確な接続数が表示されており、実際に問題なく測位されていますのでご心配なく。
後は通常通りに使用するだけです。
色々と設定がややこしく、スマホ操作に不慣れな方には難しいので、当サイトでは何もしなくても簡単に接続可能なDG-PRO1設定ツールの使用を推奨しています。
ただ、冒頭でも説明した通り、DG-PRO1設定ツールはあくまでもサーキットのタイム計測アプリへの対応に特化しているため、Googleマップの様なナビアプリやポケモンGOなどのゲームには今のところ非対応です。
今後、ユーザーからの要望などがあれば、色々なアプリにも対応して行くと思いますが、個人の方が製作されているため、すぐに何でもかんでも対応とはいかないと思いますので、DG-PRO1設定ツールで対応出来ないアプリでDG-PRO1を使用する場合はDroggerGPSを、対応しているものはDG-PRO1設定ツールを使うと良いかと思います。