サーキット走行後の悩み…
タイヤのグレイニング(ささくれ)やピックアップ(タイヤカスの付着)には頭を抱えますよねぇ。
タイヤを十分に使えていない初級者の内は、偏摩耗は起こしても、なかなかタイヤが溶ける程攻められないかもしれませんが、少しずつ運転も上達してペースが上がってくると、少しずつトレッド面の荒れを目にする機会が増えてくると思います。
特にハイグリップタイヤでは顕著に見られる症状ですが、単純な見た目の問題だけでなく、グリップ低下を招くので、本気でタイムアタックなどされる方は、走行後にきちんとタイヤを掃除して次の走行に備える人も多いですよね。
グレイニングは、F-1などではグリップ低下の原因として良く語られていますが、市販車で走るくらいなら、ブロックの角が変形してめくれ上がる様な症状に至っていなければそれ程気にする事はないと思います。
しかし、ピックアップは別。
溶けたゴムが塊となって固まったり、路面に落ちているタイヤカスが付着してタイヤの表面がデコボコになってしまうわけですよ。
程度によっては悪路を走っている時の様に振動が出ますし、付着したタイヤカスによって接地面積の低下や均一化の妨げとなってフィーリングの悪化やグリップ低下と言った悪影響が出ますので、サーキットを走るならきちんと掃除しておきましょう!
…と言いたいのですが、実はコレがそう簡単な事ではないし、いざ掃除するとなるととんでもなく時間が掛かる超面倒な作業なんですよ(笑)
簡単にピックアップを除去する方法はあるのでしょうか?
■電動マルチツールとは?
電動マルチツールは、その名の通り先端のアタッチメントを交換する事で、1台で2役、3役をこなせる電動工具です!
初めて使うのですが、値段は本当にピンキリ。
実際に使ってみてダメだこりゃ!ってなると困るので、とりあえず5000円程度で買える安物で試してみる事にしました。
とは言っても、お仕事で使用するわけでもなく、タイヤカスを取りたいとか、その他日曜大工で使用する程度なら安物で全然問題ないと思います。
複雑な構造でもなく、それ程ハイパワーである必要もない印象ですので。。。
バッテリー式と100Vのコンセントで使用するケーブル付がありますが、家で使うなら圧倒的に安い100Vタイプ、サーキットのピットなどで走行の度に掃除したいと言う気合の入った方はバッテリー式を持っておくと便利だと思います。
私が購入したのはケーブル付きの新興製作所と言うメーカーの物で、理由は単純に一番安いから(笑)
バッテリー式だとAmazon限定ブランドの物が最安値の様です。
セット内容は商品によって多少異なりますが、スクレーパーやサンダー、ノコギリなどのアタッチメントが同封されています。
しかし、タイヤカスの掃除に色々な機能を使い分ける必要があるのか?…と言われると、ない(笑)
マルチツールですが、掃除に使うアタッチメントはスクレーパーだけです。
好みに応じて刃先の幅や形状を変える事は出来ると思いますが、それも特に必要ないかな?と言った感じ。
でも、色々な用途で使えると言う意味では、タイヤ掃除だけでなく塗装前の足付けにサンダーの機能を使ったり、ちょっと板をカットしたい時にはノコギリとして使用可能だったり、便利と言えば便利。
アタッチメントの固定方法も機種毎に多少違いはある様ですが、先端のネジを緩めてホルダーに挟んで固定する方式が主流の様です。
中にはワンタッチで固定出来る物もありますが、頻繁に付け替える必要がなければネジ留めタイプで全然OKでしょう。
スクレーパーのアタッチメントを取り付けてみました。
ホルダー内部には突起があり、しっかりとアタッチメントの回り止めができます。
まあ、当然と言えば当然の構造ですが、実物を見るまでは作業中に刃先がずれて回転しないのかな?と心配でしたので、その点は問題ない様です(笑)
こちらも機種によってはスピード調整などが付いていない物もある様ですが、私が買った電動マルチツールは調整ダイヤルが付いていました。
実際にタイヤ掃除をする際は、最弱の「1」で十分パワフルですし、スピードを上げ過ぎると物凄く煩いです(笑)
どれくらい煩いかと言うと、1・2くらいでも夜間の使用は避けるべきだと感じますし、3辺りで掃除機並に感じます。。。
実際にスイッチを入れて外に出て聞いてみると、家の外まで響き渡る程の音量ではない様ですが、タイヤカスを掃除すると言う都合上、屋外で使用する事になるのは間違いないので、ご近所さんと関係がよろしくない方はご注意あれ(笑)
■タイヤの掃除に使ってみよう!
では、実際に電動マルチツールがタイヤの掃除に使えるのか、試してみたいと思います!!
まずはご覧ください!
掃除前のタイヤの様子はこんな感じです。
サーキット走行直後はもっと酷かったんですよ。。。
ピックアップを取るために、履かせて200kmほどドライブしていますが、これでもかなり綺麗になっている方です。
こうやって見ると、少々ドライブしたくらいでは落としきれず、結構タイヤカスが残っているのがわかりますね。
これを電動スクレーパーで剥がしてやろうと言うわけですよ。
使い方は通常のスクレーパー同様に、貼り付いたタイヤカスを剥がす様に刃を寝かせて押し付けてやるだけです。
しかし手作業と違い、小刻みに高速で左右に震えていますので、剥がすと言うより削り取る、切り取るに近い印象を受けます。
強い力を加える必要はなく、思った以上にサクサクと剥がせますよコレ♪
コツを掴むまでは刃先の角度に注意して、力を入れ過ぎない様にしましょう。
くっ付いたタイヤカスを剥ぎ取ると言うよりは、ゴムを切っているに近いので、普通になんともないトレッド面も、刃を押し付けると抉る様にサクサクと切れちゃいます(汗)
デコボコを均してやるイメージで作業すると良いかと思います。
あまりにもあっさりと剥げるので、夢中になって削っていると、気が付けば1周していました。
タイヤ一本だけでこのタイヤカスの量ですよ…
これだけの物が付着していたと考えると、掃除しただけで良いタイムが出そうな気がしてきますよねえ!(笑)
最初の1本目は恐る恐る様子を見ながら作業したので20分以上を費やしましたが、慣れるとサクサク進むので、掃除の所要時間は1本当たり10分前後と言ったところ。
これを普通のスクレーパーを使って手作業でやると、軽く1時間は掛かる事を考えると驚異的な時間短縮です!
ただ、工具を握っている手は少々疲れるので、2本掃除したら一休みするなど、のんびり作業すると良いかもしれません。
掃除後のタイヤの表面はこんな感じ♪
グレイニングまで消そうと思ったら電動カンナの方が良いかもしれませんが、ピックアップがここまで除去出来れば、これだけでも随分違うと思います。
また、電動カンナは刃の当たる面積が極端に狭くて作業性が悪い様ですし、ピックアップさえ除去出来たなら、後は車に履かせてしばらくドライブすれば表面の荒れは比較的短時間で均せると思います。
中にはピッカピカに仕上がっている写真を上げているブログも見られますが、かなり時間を掛けて凄く丁寧にやった例だと思います。
必要十分な程度で、サクサクと進めたリアルな作業ではこんな感じの仕上がりですね(笑)
じっくり見れば、まだ小さめのタイヤカスは残っていますし、削り取ろうと思えばいくらでも削り取れるので埒が明かないですから、大きくて目立つ物がある程度取れたところで納得して止めておいた方が良いかと(笑)
ピッカピカにするのが理想ですが、必要以上に削り過ぎると、削った事によってトレッド面がボコボコになってしまうと本末転倒なので、写真の程度で十分だと思いますよ。
写真くらいまで落とせたら、後は車に履かせてしばらくドライブでもしてみてください♪
期待通りの仕上がりですか?期待外れでしたか?
でも、これくらいでもグリップへの影響はかなり大きいですし、手作業だと1時間以上掛かる作業をわずか10分に短縮できる事を考えると、電動マルチツールはかなり使えるんじゃないかと思います。
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