以前、スマホでタイム計測が出来るアプリを紹介た中で、対応したGPSレシーバをいくつか一緒に紹介しました。

色々なアプリがある中で、個人的にお勧めしていたのがRaceChronoと言うアプリとなります。

対応しているGPSレシーバは沢山ありますが、5Hz以上の更新周期でBluetoothに対応した物は限定的で、その中でも747proの人気がダントツだと紹介しているのですが、現在は廃版となり、後継の747proSと言うモデルはBluetooth機能が廃止になってしまった様です。

これにより、一部の計測アプリでは対応出来ますが、USB接続をサポートしていないRaceChronoでは使用不可となっている様です。

そこで747proに代わり、今後も入手可能な高性能GPSレシーバは他にないのか?と探していたところ、読者の方の情報によりDG-PRO1と言う国産のレシーバが見付かりました。

ただし、このDG-PRO1RaceChronoで認識はするのに、衛星と接続できないと言った報告があり、どうやら使えない可能性ありそうだと言うのです。

今回は、このDG-PRO1RaceChronoで使用する事は可能なのか?と言う疑問にお答えしたいと思いますが、先に結論から申し上げますと、使用する事は可能です。

ただし、そのままでは使う事が出来ないため、使用方法をご紹介するのが今回のレポートとなります。

追記 2019年5月29日

純正アプリのDroggerGPSでもRaceChronoに対応する方法が判明しました。
また、一部のユーザーからDG-PRO1設定ツールで上手く衛星と接続できないと言う不具合報告が上がっていましたが、原因と対策が判明しましたので以下に使用時の注意点を掲載しております。
DG-PRO1をDroggerGPSでRaceChronoに対応させるには

◆高性能GPSレシーバDG-PRO1

◆社外計測アプリに対応させる方法

■高性能GPSレシーバDG-PRO1

DG-PRO1はBizStationがDroggerと言うブランド名で販売している、国産の高性能GPSレシーバです。

Bluetooth対応、更新周期は最大18Hz(18回/秒)で、日本の航空機用GPS補強システムMSAS対応、最大3つのGNSS群同時受信、みちびき対応、SBAS対応etc.高精度・高更新レートのGPSレシーバとなっております。

他にも特徴はありますが、計測に於いて気になる部分はBluetoothに対応である事、5Hz以上の更新周期である事、測位精度が良い事に尽きますので、これだけ見てもDG-PRO1が高性能な印象は伝わると思います。

ちなみに、DG-PRO1専用のアプリがBizStationから無料配布されていますので、そちらを併用すると、DG-PRO1の高性能GPSを利用してGoogleMAPやその他アプリを使う事が出来ますので、スマホやタブレットのGPS精度がいまいち…と言う方でも、ナビ性能をグレードアップする事が可能です。

また、BizStation純正のタイム計測アプリも同時に無料配布されています。

○Google Playストア DG-PRO1専用アプリ(BizStation)

Drogger

Drogger GPS for DG-PRO1

 

ただし、1つ注意が必要なのは、バッテリーを内蔵しておらず、外部電源を必要とする事です。

そのため、車両側から12VのACC電源を供給(別売り電源ケーブル)するか、付属のUSBケーブルで電源供給の必要があります。

USB接続なので、モバイルバッテリーと組み合わせれば、持ち運びや、他の車両へ使い回す事は可能です。

ちなみに別売りケーブルを使わずに、車両常設時のUSB電源を確保するには、私は増設ポートを使ってダッシュボード裏で電源確保しています。

バッテリーが膨張した747pro

一見、内臓バッテリーが無いと不便に思うかもしれませんが、車に常設する事を考えた場合は、バッテリーが内臓されていない事は非常に重要になります。

747proの様にバッテリー内臓のモデルは、持ち運びが可能な反面、高温に曝される真夏の車内に常設するのが困難です。

タブレットなどもそうですが、案外車内に放置していても本体が故障してしまう事は稀で、弱点となるのは内臓のリチウムイオン電池が高温に弱く、膨張して破損したり、最悪の場合は爆発や発火を起こしてしまうと言う問題があるからです。

故に、車に常設したい場合はDG-PRO1の様に、バッテリーを内蔵しないモデルが最適と言う事になります。

ちなみに、ダッシュボードの内部に設置していますが、感度など全く問題ありません。

これについては747proも同様に、ダッシュボード内で問題なく測位していましたので、無理に車両の外側へ取り付ける必要はありません。

ただし、747proや他のGPSレシーバにも当て嵌まりますが、本体には上下があります。

良く窓の内側に貼り付けると精度が落ちると言う話を聞きますが、観察してみると上下を逆さまに貼り付けている方が多いです。

また、ダッシュボード上に設置するにしても、可能であればアースプレートを併用するのが感度を上げるコツですので、合わせて購入する事をお勧めします。


■社外計測アプリに対応させる方法

DG-PRO1が魅力的な事はわかりましたが、残念ながらRaceChronoでは使えないと言う情報が出回っています。

しかし、Androidでのペアリングは可能であり、RaceChronoのアプリ上でも認識はしているのですから、設定次第では使えそうな気がします。

何故、衛星との接続が上手くいかないのかは、専門的な知識はないのでわかりませんが、Droggerでは問題なく接続できるのですから、アプリが何か絡んでいるのは明らかでしょう。

GPS LapsやRaceChronoなど、主流のタイム計測アプリにDG-PRO1を対応させる事は可能なのでしょうか。

心配ご無用。これを可能とするアプリが存在します。

結論から言えば、DG-PRO1RaceChronoで使用する事は可能です。

まずは、スマホまたはタブレットとDG-PRO1をBluetoothでペアリングする必要があり、その後にRaceChronoの設定メニューで使用するGPSレシーバを選択しておく必要があります。

これらの方法は、何もしなくても通常通りの手順で設定可能ですが、詳しい方法については「スマホでタイム計測」の”端末の準備“と”RaceChronoの初期設定“の項をご確認ください。

ここまでの準備が完了したら、いよいよDG-PRO1を対応させる方法に移ります。

ややこしい設定は一切不要で、意図も簡単に対応させてしまうアプリがありますので、こちらをインストールすれば解決します。

そのアプリが「DG-PRO1設定ツール(GooglePlayストア)」だ!

こちらの設定ツールは、2019年3月30日時点では380円の有料アプリとなっています。

380円を高いと感じるか安いと感じるかは価値観の問題だと思いますが、私は迷わず購入をお勧めします。

と言うより、DG-PRO1を既に購入しているなら、消費税にも満たない額ですし、何よりRaceChronoで使えると言ったメリットは大きいと感じます。

新たに優秀な計測アプリが出て来た際も、今後のバージョンアップで色々と対応する可能性もあるので、期待度は高いと言えるでしょう。

何故そう言い切れるかと言うと、作者の方自身も、計測アプリを使いながらサーキットを走っておられる様なので、その点も踏まえて考えれば主流の計測アプリが時代と共に移り変われば、当然そちらへ追従する可能性は大きいと考えられるわけです。

作者の方にお話しなど伺いたい場合は、Twitterにも登録されている様なので、お問い合わせしてみては如何でしょうか。

こちらのアプリはBizStationとは無関係に、日本人の方が作った純国産アプリなので、心配しなくてもメニューは日本語です。

しかし、設定メニューを見ると「SBAS」だとか「BeiDou」だとか「A-GNSS」だとか、よくわかんねー言葉が並んでんぞ!!ってパニックを起こさない様に(笑)

GPS衛星の名前だったり測位方式の名前だったりするわけですが、良くわからなくても、何も触らずに下段の「設定」ボタンを押すだけでやる事は終わりです。マジで。

…と言うより、良くわからなければ設定ボタン以外は何も触らないでください(笑)

画面をスライドさせると下段に他の設定項目も出てきますが、衛星の感度が悪ければ、使う場所によってBeiDou(中国)とGLONASS(ロシア)の切り替えを行う程度かな?と言った感じですが、その辺も特に気にする必要な無いレベルの話なので、本当に「設定」ボタンを押すだけで大丈夫です。

後は、ウォーキングナビだったり、船に乗ったり…なんて時にプラットフォームの種類を切り替えるとか、必要に応じて更新レートを切り替えると言った感じだと思いますが、これもそんなに気にする必要はないでしょう。

ちなみに、こちらの設定ツールを起動すると、その時点でBluetoothがONになっていない場合はアプリがBluetoothをONにする様に促して来るので、そのまま画面上で許可すればBluetoothをONにしてくれると言う親切機能付き。

後は、設定ボタンを押すだけでDG-PRO1の初期設定を自動で行い、設定が完了すればインストール済みの対応したアプリを表示してくれます。

そのまま画面上のアイコンをタッチすれば計測アプリの起動まで、設定ツール1つで完了するのは非常に便利です!

随分と説明がざっくりだな~って思ったかもしれませんが、本当に細かく説明する必要もなく、意図も簡単に設定が完了してしまうので、全く知識が無くても心配はいりません。

一連の操作をまとめて、もう一度説明しますよ!

起動して、設定ボタンを押すだけです。

それでは最後に、RaceChrono上で動作を比較確認してみましょう。

 

747pro

更新周期は5Hzとなっています。

実際、747proクラスのGPSレシーバであれば、精度自体はかなりのもので、特に問題はないです。

ただし、良く見ると高度の精度はいまいち…。

更に良く見ると、接続している衛星の数も4つと心細い印象を受けます。

それでも、必要十分な計測制度は出るので、現在でも主流で使える事に変わりはありません。

DG-PRO1

更新周期が10Hzとなっていて、ラインのトレースは747pro以上に滑らかです。

これは設定ツールで10Hzを選択しているためで、最大18Hzまでいけるようですが、10Hz以上はあまり推奨されていない様です。

高度の精度もバッチリで、衛星の受信数が7に増えているのもわかりますね。

通信している衛星が多いと測位の精度や安定性は向上しますので、この点だけ見ても747proの上を行っています。

ちなみに、本体の価格はほぼ同じですが、747proはバッテリー内臓、DG-PRO1は電源接続が必要と言う違いがあります。