ドライブへ行こう!シリーズ第3弾は、海の見えるコースを走ってみましょう!

同じ田舎の景色でも、海と山では大違い。

山は色鮮やかな花や緑に囲まれて、自然を満喫できますが、山の中を走っているとちょっと閉塞感もあります。

対して海は、砂浜と波打ち際のコントラスト、どこまでも続く地平線と青い空。

果てしなく続く景色で解放感がありますよね。

ただし、何もない。

どちらが良いかは人それぞれの好みだと思いますが、やはり大分県佐伯市は海の見える街。

海辺のドライブは外せないでしょう!

◆道の駅 かまえに寄ってみた

◆蒲江の市街地って?

◆かつて人気のスポットだったマリカルを視察

◆ドライブの名所 空の公園

◆スポットへのアクセス

■道の駅 かまえに寄ってみた

近年では、道の駅は珍しくもなんともなく、どこにでもありますね。

かつてはドライブインなどと言って、ドライブコースや物流の主要ルートにはお土産屋さんや食堂、シャワー室、ゲームセンターなどの併設された、高速道路で言うところのサービスエリアの様なスポットがありました。

いや、どちらかと言うとサービスエリアは道の駅の方が近いのかな?

ドライブインと道の駅は似ている様で、実は結構違う。

完全な民間経営で、味のある独特の雰囲気を醸し出しているのはドライブインの方で、地方の自治体と国土交通省が展開している道の駅は、全て型にはまった様な作りで実に計画的。どこか面白みがない。

とは言え、24時間誰でも気軽に立ち寄れる雰囲気の道の駅は、今や道路になくてはならない存在だ。

東九州自動車道が佐伯市から宮崎県延岡方面へ繋がって随分経ち、佐伯ICから蒲江ICまでは無料区間に含まれているので、ほとんどの人はそちらを通る。

ただ、比較的近場なので、敢えて一般道を通るルートを選択してみた。

かつては、蒲江へ行くにはみんなこの峠道を通っていたのである。

現在では峠の麓を往来する地元の人を除いては一般車の交通量は少なく、ダンプカーなどの工事車両の通行がある程度。

写真で前方に見えるのが、ここ、轟峠の旧道入口で、昭和から平成中期に掛けては、所謂、走り屋と呼ばれる車好きの若者で夜中賑わっていた様ですが、今時こんな場所を夜中に走り回る愚か者はいない(笑)

そうそう。ふと気付いた人もいるかもしれませんが、ドライブへ行こう!第1弾で紹介した、ととろのバス停のある、佐伯市宇目の轟(ととろ)と同じ字を書くが、ここは轟と書いて「とどろき」と読む場所で、宇目とは全く関係ない場所です。

ちなみに、ここは轟峠のちょうど折り返し地点になる場所で、バスも通っており、なんとバス乗り場がある。

って言うか、私もこの広場に車を停めるまで、こんな場所にバス乗り場が存在するとは知らなかったのですが(笑)

何故驚くかって?

ここは佐伯市街地へ下る道と、蒲江の町へ下る道の中間点で、どちらに行くにしても人のいる様な場所までは相当長距離の移動が必要な山奥である。

車でもどうかと思う距離なのに、バスに乗るって事は、あろう事か徒歩か、精々自転車でここへ来るって事になるわけだ。

まさか、何もないこんな場所に用事があって町から上がってくるはずもなく、ここからバスに乗り降りする利用客がいるとは考えられないのだ。

何か良くわからない場所って各地にあるものですね…(笑)

さあ、轟峠を只管一本道で下って来ると、突き当りのT字路の角に道の駅かまえがある。

田舎に突然大きな施設が現れるのだから、まず見落とす心配はないだろう。

この日はまだ、新型コロナウイルスの影響による外出自粛要請など発表されていない時期であったが、お客さんは少なく、併設されたレストランも閉まっていた。

ここのレストランは、観光ガイドブックじゃらんで、数年前に九州だったか西日本だったか、道の駅満足度ランキングのレストラン部門で1位になったお店。

佐伯の郷土料理と言いつつ、佐伯市に住んでおきながらまるで食べる機会なんてないんだけど、ここの人気メニューに「あつめし」と言う、津久見市のひゅうが丼に似た料理がある。

似ていると言うのは、ハッキリ言ってほぼ同じ料理であるが、使用する魚に違いがあると言った感じ。

マグロを使うひゅうが丼に対し、あつめしはブリを使うと言った違いと、一応ひゅうが丼は正式には卵黄を加える。

でも、津久見市が主張するひゅうが丼って変だと思わないかい?

漁師が船の上でも気軽に食べられるように考案されたと謳っているのに、マグロと卵黄って…(笑)

まあ、そこは置いといて、あつめしも含め漬け丼って言い方は悪いですが料理らしい料理ではないので、魚の鮮度を除いては、どこで食べてもそんなに極端な差の生じる食べ物ではないです。

私がここでイチオシしたいのは、付属してくる「味噌汁」である。

日によって若干異なるが、タイ、もしくはブリのあらが入った味噌汁で、骨や鰭もそのまま入っているのでやや食べ難いのですが、上質な魚の出汁と、表面に浮かぶ適度な脂のバランスは絶妙。

こんなに美味い味噌汁が他にあろうかと言うくらい美味いのだ!

それを紹介したくてここに立ち寄ったのに、この日は閉まっていたのでまたの機会に。

代わりに、表で売っていたソフトクリームを購入。

って、一口食べた後に写真を撮っていない事に気付いたが、既に遅し…(笑)

いやあ、お見苦しい写真で失礼しますよ(笑)

ここ、道の駅かまえで売っているご当地ソフトは、あの有名な「伊勢海老ソフト」であるが、これは食べてレポートしなきゃいけない流れだよな?と恐る恐る近付くと、この時期は「みかんソフト」と言う事で、ホッとする。

写真では分かり難いのですが、お店のパネルの写真では鮮烈なオレンジ色なのに対し、実物はほんのり黄色掛かったバニラソフトと言った感じ。

しかし、香りを嗅いでみると爽やかなみかんの香り、一口食べるとスッキリした酸味と甘さのバランスが絶妙で、最近食べたソフトクリームの中ではトップを行く美味しさです!

そして何よりコレだよ!コレ!

ソフトクリームのコーンは、ワッフルやサブレみたいな不規則に砕けるタイプはドライブに好ましくない。

やっぱりニッセイのベーシックな最中生地のタイプじゃないとな!

…ん?なんだこのコーン。仄かに香ばしいアーモンドの香りと、コクのあるバターの風味があって美味い!

これはみかんより、バニラとの相性が抜群かもしれないぞ。


■蒲江の市街地って?

道の駅かまえを出て、更に蒲江の奥へ進んでみよう。

すぐ近くの交差点にある案内標識を見ると、右折すれば蒲江の市街地と書いてある。

蒲江は漁師の町で、市場や漁港があり、表の通りには小さなスーパーマーケットなどもあるので、道の駅周辺がそのまま蒲江の町だと思っていた。

だが、どうも蒲江で最も賑やかな場所(?)は別にある様だ。

ちょっと覗いてみよう!

まるでヴェネツィアアムステルダムの様なオシャレな風景!

…ではないが、なかなか日本らしい長閑な風景である(笑)

失礼な言い方かもしれませんが、前回行った宇目や本匠と違って民家やお店があり、人も歩いているので安心感はありますよ。

日本有数のリアス式海岸としても有名な豊後水道に面した漁港で、ご覧の通り波も穏やかな良港です。

ここ、蒲江湾に限らず、佐伯湾や隣街の津久見市なども漁業にとって非常に恵まれた環境にありますね。

前方に見えているのが市場で、道の駅のすぐ前にある。

さすがにこの時間に魚は並んでいませんが、早朝は賑わっているのでしょうか。

佐伯市は蒲江に限らず鶴見や米水津などを始め、なんと佐伯市街地の港近海でも漁業が盛んで、市内全域で新鮮な魚介類が手に入ります。

蒲江などは、どちらかと言うと養殖が盛んで、都会向けに出荷されている高級品が多い印象でしょうか。

アジブリなどの他、実はトラフグも有名なんですよ。

都会の人には信じられないかもしれませんが、地元だとファミレスみたいな価格帯でふぐ料理が食べられるので、お子様がてっさをつまみながらオレンジジュースで一杯やってるなんて常軌を逸した光景を目にする事も(笑)

更に奥の方へ向かうと、角を曲がった所に、最近テレビなどで話題になっていた「猫島」こと「深島」への渡し船が出ています。

深島は人口15人前後の小さな島で、なんと猫が200匹ほど生息していると言う異様な島との事。

島内には民宿もある様で、観光に訪れた方は宿泊して楽しむ事も出来るらしいですが、猫好きにはたまらないのでしょうか?(笑)

他にも、ガイドブックの情報では、地元の漁師さんとの交流で漁船に乗って漁業体験が出来たり…と言ったレジャーもある様ですが、振興局辺りで訊ねないとどこで営業しているのかはわかりません。

まあ、私は泳げないので、海へ振り落とされる心配のない大型のフェリー以外は遠慮したい(笑)

興味のある方は是非チャレンジしてみては如何でしょうか。

更に奥へ進むと、住宅が立ち並ぶ場所へ。

ここでも沢山の漁船が待機しており、本当に漁師の町なんだな~って感じですよね。

また、この辺りに来ると喫茶店や食堂、ちょっと小さめのコンビニもあります。

漁師さん達が、お昼に戻って来て食事をする様なお店なのでしょうか?

ガイドブックでは紹介されていませんが、こう言う場所にある食堂も興味が湧きますね。


■かつて人気のスポットだったマリカルを視察

蒲江の市街地を一周して表通りへ抜けると、今度は山に囲まれた内陸エリアを走行。

しばらく走ると山を抜け、海岸沿いの道へ出ます。

島に囲まれた内湾沿いの道。

内湾と言っても、こうやって見ると地平線の向こうはわからないし、相当広いんですね。

ちなみにこの辺り、冬場になると「浮島現象」と言って、海面と大気の層の境界で屈折が起き、島が浮いて見えると言う蜃気楼の一種が見られる事があります。

条件が整わないと見れないので、なかなか狙って見れるものではありませんが、チャンスがあれば是非!

ここからしばらく走り続けると、蒲江湾を離れ、隣の元猿海岸と言うビーチが近付いてきます。

さあ、ここが”かつて”ゴールデンウィークの定番スポットだった、マリカルこと「マリンカルチャーセンター」の入口です。

“かつて”と言うのは、現在は閉館しており、施設内へ入る事が出来ないためです。

現在はどうなっているのでしょうか?

少し走ると路肩に広いスペースがありますが、目の前に広がるのが元猿海岸。

サラサラのベージュの砂浜が広がっているイメージでしたが、何かやや粗めの粒にウェッティな質感の砂浜で、灰色ですね。

う~ん、リゾート地のビーチって感じじゃないですねぇ(笑)

私はプールでさえも泳がないので、ビーチの良し悪しって言うのは良くわからないですが、何かイメージと違う。

でも、凄い解放感と、気持ちの良い潮風。

汚くはないですが、色彩に難有りと言った感じでしょうか。

季節のせいなのか、ちょっと霞んで薄灰色の空と、ぼんやりした感じの景色。

更に奥へ進むと、ありました!

ここが”かつて”人気だったスポット、マリンカルチャーセンターです。

中には小さな博物館プラネタリウムや宿泊施設、プールなどがあり、施設の奥から綺麗な砂浜へ降りられる様になっていました。

ゴールデンウィークのシーズン中は、沖合で網に掛かったマンボウをプールで保護しており、そのマンボウを目当てに全国から観光客が訪れていたのである。

ここは市営の施設で、地元の民間企業へ業務を委託して運営されていたのですが、請け負っていた企業の相次ぐ不祥事が発覚し、その後委託の制度が廃止されました。

後に市が管理を始めましたが運営が上手くいかず、2018年に完全閉館となり現在に至る。

なんとも切ない終わり方で、佐伯市の歴史に汚点を残す結果に。

廃墟の様に荒れているのかと思いましたが、建物の管理自体は放棄されていない様子で、美観は保たれています。

更に道が奥へ続いていたので、先へ進んでみました。

…が、ここは一体?

民家っぽいけど住居じゃなさそうな建物や、漁に使うのでしょうか?

大きな網などが積み上げられていたり。

更に奥へ向かうと整備された岸壁へ出ますが、どうもここで漁師さん達が何やら網の手入れなどをしているっぽい。

私有地ではない様ですが、既にナビでは道が表示されていない!

一般人には全く用事のない場所の様ですので、さっさと引き返しましょう(笑)


■ドライブの名所 空の公園

先程の道を引き返して表通りへ戻ったら、先へ進んでみましょう。

ここから先は細く曲がりくねった海岸沿いの道を走る事になり、釣人が結構いるので意外と交通量は多い。

只管走り続けると住宅の建ち並び、交番のある交差点が現れるので、そこを佐伯方面に曲がれば、今度は峠道に入ります。

佐伯市街地へ戻るには道なりに只管走り続けるだけですが、途中で米水津方面に進む大きめのT字路が現れるので、空の公園を目指す場合はそちらへ右折しましょう。

すぐに長いトンネルがあり、そこを抜けると米水津に到着です!

トンネルを抜けた先はこんな感じ。

直進して下る道と、左折して上る道に分かれています。

こちらが空の公園へ上る道なんですがね、前方に見える白い建物…。

これ、既に営業はしていない様ですが、表に「ビデオレンタル」の看板があるので、かつてこの近所に住む方々が利用していたのでしょうか…。

それにしては普通の民家くらいの大きさなので、本当に営業していたのか謎です(笑)

とりあえず上へ進んでみましょう。

全く景色の良い場所などなく、只管急カーブの続く峠道を走り続けると、この先でトンネルが現れる。

そこを抜けると…

なんじゃこりゃー!?って景色が広がっています!

この日は霞が掛かっていて、遠くがぼんやりしていますが、凄く良い景色でしょう?

道路の両脇に車を停められるスペースもあるので、写真を撮ったり、景色を見ながら休憩する人もいます。

また、この道路の山側には展望台があり、望遠鏡も設置されているので、より遠くを観察したい方は覗いてみては如何でしょうか。

道路から眺める景色でも十分綺麗なんですが、一応この先に目的地の空の公園があります。

ここが空の公園入口なり~。

急な勾配を上って行った先には、十数台が停められる広めの駐車場があるので、ツーリングなどで訪れる人は路肩に停めて迷惑が掛からない様に、空の公園へ行った方が良いです。

まあ、それ程交通量の多い場所ではありませんが、モラルとマナーの問題でしょうか。

さあ、どうぞ!

ご覧ください!

良い景色でしょう?

こちらが空の公園からの海の眺めです!

先程も言った通り、この日は霞が掛かっていて地平線の先が見通せないですが、視界が良好だとこの角度から正面の方向に、肉眼で四国が見えるんですよ!

そんなに四国って近いっけ?って思うかもしれませんが、マジで陸が見えます(笑)

この日も、写真では確認するのが困難ですが、薄らと陸のシルエットくらいはギリギリ確認出来たのですが。

尚、2枚目の写真の角度だと正面の方向、ほんの8000~9000kmくらい先だと思うんですが、ハワイ諸島があるはずなんですけどねぇ。

流石にちょっと見えねーかな?(笑)

ちなみにですが、実は空の公園って、この海の景色が見られる駐車場から、山へ上る階段があるんですよ。

ツーリングやドライブで訪れる方は、ここの景色を目当てに来る人が多いのですが、実際に空の公園で有名なのはこの周辺で見られるアサギマダラ(蝶)と、山の上の広場に咲くシバザクラ(モスフロックス)です。

アサギマダラは数千kmもの長距離を飛んで移動すると言う、日本では唯一の珍しい渡り蝶で、全国で盛んに調査が行われている事で有名ですが、通過するルートが大凡決まっている様で、佐伯市米水津はその内の1つに数えられています。

また、シバザクラの開花時期は4月上旬~梅雨入り前くらいですので、1年中見れるわけではありませんが、興味のある方は是非訪れてみては如何でしょうか。


■スポットへのアクセス

GoogleMapsで開きます。

道の駅 かまえ

蒲江市街地

マリンカルチャーセンター跡

空の公園