桜の花が散り始めると徐々に雨の日も多くなり、梅雨が近付いてきますが、梅雨入り前には沢山のホタルが姿を現します。

都会ではなかなか見れないそうですが、田舎では普通に飛び回っているので、あまり珍しい昆虫と言った印象はないし、虫の苦手な私にとってはホタルも例外なく、あまり見たくはないと言うのが正直な意見ですが(笑)

ドライブへ出掛ける前に、今日は一つ豆知識を。

知っていますか?

ホタルは綺麗な水のある場所にしか生息していないと言われ、実際にホタルが見られる事で有名なスポットは綺麗な川が多く、良好な水質をアピールしているところが多い。

しかし、実は40種類以上いると言われるホタルの仲間の中で、水棲のホタルは2~3種類だけと言われており、生息地がやや限定的らしい。

明らかに油や洗剤などの化学物質で汚染されていると言った汚さは論外として、実は水質とは無関係と言われている。

まあ実際ね、うちの近所のちょっと臭うドブでも見れちゃうので、ホタルが見れる地区ならその周辺の水辺で大体見れると思って良いのだ(笑)

…っと、そんなイメージを損ねちゃう話は置いといて、今日は綺麗な水のある蛍の里へ行ってみようぜ!

◆本匠の名所 大水車を見物

◆すごく狭くてすごく長い鍾乳洞

◆スポットへのアクセス

■本匠の名所 大水車を見物

今日の目的地は、大分県佐伯市本匠(旧本匠村)の奥にある。

先日紹介した宇目と同様、2005年に佐伯市と合併した村なのですが、こちらもなかなかの田舎である。

アクセスは、やはりこちらも佐伯ICで降り、IC入口のT字路へ出たら右折。

その先の大きな交差点を右折して2つのトンネルを抜け、国道10号線へ合流する。

そのまま道の駅 弥生を通過して、その先の弥生振興局入口の交差点を左折。

以上で道案内は終了である。あとは一本道だからだ(笑)

この先は、旧本匠村に辿り着くまで田んぼと畑しかない道を永遠と走り続ける事になるので、花の咲いていない季節だとすぐに飽き、小さなお子さんを連れていると途中で駄々をこねて泣き出す事は間違いない(笑)

入念に対策をして出掛けよう!

春だとこの通り、一面の菜の花を見る事が出来るので、多少は気分が紛らわせるが…。

本当にこんな景色しかないので、流石に大人でも退屈か?(笑)

実際には、のんびり走らせても目的地まで30分程度なので、通常なら我慢できない時間ではないが、何もないので結構長く感じる。

また、この先から川の脇を通る道が続く事になるが、道幅は狭く、見通しも悪くなってくるので、あまり無暗に飛ばさない様に!

すれ違いの出来るポイントが限られてくるが、意外と交通量もあり、結構な頻度でトラックも走っているので、広くなっているポイントを見落とすと狭い道をバックで引き返すはめになる(笑)

しばらく走っていると、民家の建ち並ぶ旧本匠村の中を通る事になるが、そこを抜けると再びくねくねと曲がる林道を走り続ける事になる。

更にしばらく走り続けると、急に広い場所に抜け、その先の岩肌剥き出しのトンネルを抜ければ目的地に到着である。

左手側に自動販売機と、最近では珍しい公衆電話の置いてある駐車場があるので、まず見落とす心配はない。

駐車場に車を停めれば、すぐ前方に目的の大水車が見えるぞ!

どうです?結構大きいでしょう?

水車を間近で見るには、駐車場から向こう岸へ架かっている橋を渡れば良い。

この大水車ですが、1993年に建設されてまもなく、日本で一番大きな水車として猛烈にアピールしていましたが、なんと日本一大きかったのは僅か半年程度とちょっと残念な経歴がある(笑)

なんか悲しい…。

この水車を作ったのは福岡県の職人さんらしく、少し前にテレビで紹介されて話題になっていました。

…が、何度も言うが1994年の時点で、既に日本一の大きさではない(笑)

実際に水車を作るのはかなりの期間を要するそうで、建設中には間もなく日本一ではなくなる事は判明していたのではないかと。

一時期は、日本一大きな”木造”水車と謳い始めたので、当時一番大きな水車は木造ではないのだろうと思っていたのだが、調べてみたところ一番大きな水車も木造であった(笑)

橋からの風景です。

冒頭でも言った通り本匠地区全体が”蛍の里”と謳っており、県内では非常に有名なホタルの鑑賞スポットになっています。

星空の鑑賞と同じく、周りに光源となり得る人工物が無い事から、ホタルの発光が観察し易いのかな?と思ったのですが、実は完全に日が暮れて真っ暗になるとホタルはほとんど飛ばなくなるらしい(笑)

ご覧の通り、川の水は川底までハッキリ確認出来る程、非常に透明度が高く綺麗です。

5月末~6月上旬にかけて、夕暮れ時から完全に日の落ちる午後8時頃まで、物凄い数のホタルが飛び回っているので、興味のある方は是非一度ご覧になってください。

少し会場の場所は離れますが、ちょうどその頃に合わせて本匠の蛍祭りが開催されるので、シーズン中は県外からも多くの人が押し寄せます。

ただ、道は狭いし、蛍祭りの会場周辺には駐車場はないので、かなり混雑します。

なので、冒頭で言った通り、会場に拘らず周辺の水辺を探して行動すると、結構空いてる穴場で観察できるかと。

あと、この周辺は山に囲まれているので、春は桜が見れますし、ご覧の通り紅葉もあるので秋に来れば色付いた山の景色も楽しめます。

また、この辺りは河童も有名(笑)

日本の水辺の妖怪として有名な河童ですが、水難事故の理由にこじつけられたりと言う不名誉なイメージを持たれる他、水辺を守る水神を象徴する側面も持つモチーフです。

亀の甲羅にカエルの様な姿と、なかなかユニークなデザインですね。

本当にいると思いますか?(笑)

いないと決めつけるのはナンセンスですよ!

いないと証明出来ない以上、存在は否定出来ませんし、どちらかと言えばいると信じる方がロマンがありますよね。

さて、橋を渡ったら、目的の大水車のすぐ近くまで行く事が出来ました。

どうです?気付く事があると思いますが、そうです!

水車の下にある生簀の水に流れはありませんし、そもそも水車は水に浸かっていません。

なんとなくのイメージですが、川の水流でグルグル回るのが水車だと思っている人が多い様ですが、実際には滝の力で回す水車もあり、方式の違いで下掛け・上掛けなどと呼び名があるそうです。

ちなみに、ここの水車は、水車と言いながら電動だって噂があったのですが、実際に確かめてみると電動のポンプで汲み上げた水を上から掛けて回す重力方式で、水車その物に軸を回す動力は付いていません。

つまり、紛れもなく水車です。電車(?)ではありません。

しかしこれ、見物に来るまでは正直言って「水車なんて…」とか思っていましたが、近くで見るとちょっと感動しますよ!

部品点数も物凄い数で組まれていますし、それも相当精密に設計されている事が分かります。

近くで見ると結構回転速度も速いのですが、ポンプで掛けている水はそんなに大量ではありませんし、直接の動力を有していない水車がこのスピードで安定して回ると言う事は、一度回り始めたら慣性で回り続ける弾み車(フライホイール)として機能しているわけで、軸が滑らかに回っていると言う事は水車も歪みなくかなりの精度で円に近い形状である事を意味しています。

手作業で、このサイズの建造物を高精度に組み立てると言うのは相当な技術ですよね。

そして、この迫力のサイズ感!

近付くとちょっと怖いくらいです。

現在では日本で3番目か4番目辺りのサイズだそうですが、それでも直径は18.18mもあるそうで、日本一ではなくても相当デカいサイズである事は言うまでもありません。

しかもこれ、なんと”タダ”で見物できるんですよ(笑)

すぐ脇には水車を見守る様に沢山の河童像が。

端っこに立札がありましたが、みなさんの愚痴を聞いてくれるそうな(笑)

ちょっと川に降りてみましょう。

どうです?すっごい綺麗でしょう?

水車のある建物には食堂とお土産屋がありますが、少し上にはキャンプ場が併設されています。

夏にキャンプに来たら、この川で泳ぐ事も出来そうですね。

あ、ちなみに私は泳げないので、川に入るのは遠慮しておきますよ。

泳ぐのは嫌ですが、こう言う川の風景を眺めるのは好きです。

ここは佐伯市を流れる番匠川の上流に位置する川で、写真からも分かる通り流れの穏やかな清流です。

大雨で増水などしていなければ、そうそう流される心配もないかと思いますが、河童が棲んでいるんじゃあ、なかなか泳ぐのには勇気が必要です(笑)


■すごく狭くてすごく長い鍾乳洞

さあ、水車はなかなかの迫力で見応えはありますが、見所は限られているので、目的もすぐに完了しちゃいます。

ただ、この付近は他にもスポットがあるんですよ。

ホタルのシーズンになると、5月末~6月上旬に掛けて、近所の廃校を利用した「ホタルの学校」がオープンしたり。

上記の期間限定ですが、地元でホタルを研究している方が、ホタルの生態などについて詳しく教えてくれる講義を開いてくれるそうです。

なかなか眺めるだけでは満足できないと言う方は、お話を伺ってみては如何でしょうか。

さあ、大水車を後にしたら、車で更に本匠の奥へ進んでみましょう。

なんだか、凄い雰囲気の岩山に囲まれた道を5分ほど走れば、本匠の名所の1つ「小半(おながら)鍾乳洞」があります!

この鍾乳洞は何が珍しいって、世界的にも珍しい「斜柱石」が見れる事で有名で、国指定の天然記念物となっています。

地質学者ではないのであまり詳しい説明は出来ませんが、斜柱石とは鍾乳洞が形成された後に起こった地殻変動で、鍾乳石が斜めに伸びた状態で見られると言うものだそうです。

通常、石灰分を多く含む水が、長い年月を掛けてつららの様に伸びるため、真っ直ぐ上下に伸びるのが通常の形ですが、見掛け上斜めに伸びて見えると言うのが珍しい斜柱石と呼ばれるそう。

更にもう1つの特徴として、鍾乳洞内部が細長く狭い事と、なんと距離が700m以上とかなり長い事で知られる。

尚、観光用に整備されているのは全長の半分くらいとの事で、ちょっと中途半端な感じはするが、ちゃんと最深部まで行く事は可能なのでご安心を。

さあ、説明はこのくらいにして、到着しましたよ!

あの建物が鍾乳洞の受付をしている案内所です。

確か、大人でも500~600円程度で入場出来るので、結構お手頃なスポットでしょう?

あれ?でも、なんだかちょっと様子がおかしいな。

う、うそだろ…

ここまで来たと言うのに、マジかよ?

閉鎖中だと!?

付近の方に訊ねてみたところ、数年前に落石で案内所の屋根が大破し、その後修復して再開するも立て続けに落石の被害に遭って閉鎖との事。

尚、後の調査で百数十か所にも及ぶ危険個所が見付かり、問題が解決するまで営業再開は出来ないそうだ。

ちなみに、再開の予定は全く目処が立っていないと言う…。

もう二度と鍾乳洞は見れないのでしょうか?

中央の桜の木の辺りに鍾乳洞の入口があるのですが、この距離から眺めるしかない様です。

う~ん、数少ない穴場スポットの1つなので、是非許可を貰って内部を紹介したかったのですが、これでは撮影交渉以前に近寄る事さえ難しいみたいです。

今回は残念ですが、もし営業が再開されたら改めて紹介したいと思います。


■スポットへのアクセス

GoogleMapsで開きます。

本匠 大水車の郷 なのはな

小半鍾乳洞