どんなに車を完成へ近付けても、運転するのは人間である以上、インフォメーションや操作性は無視できない。

何より一番重要なのは、体を支えるシート。
これはスポーツ走行に於いて、強い旋回Gに耐える事に加え、タイトで最小限のクッション材となるバケットシートはインフォメーションに優れる。

次に、操作性の良いステアリングホイールだ。

慣れと言えばそれまでかもしれないが、滑りやすいツルツルのグリップや剛性感に乏しいステアリングは、ジムカーナやラリーなどに於いて、素早く大きな舵角を必要とするシチュエーションで掴み損ねたり、操作性の悪さを実感する事となる。

そして最後にシフトノブだが、これは好みのハッキリ分かれる部分だ。
大別して2種類があり、球型と棒型に分かれる。

掴むと言う意味では棒型に軍配が上がると思うのだが、特に拘りも無く、何にしようか迷っていると言うのであれば、個人的には球型をお勧めする。

とは言っても好みの問題なので、気にせず自分が使い易いと思うシフトノブを選ぶと良いだろう。

◆バケットシート

◆ステアリングホイール

◆シフトノブ

■バケットシート

実際にバケットシートを見た事が無いと言う人もいるかもしれない。

スポーツカーなどは純正でバケットタイプのシートを採用している場合もあるのだが、メーカーがカタログにそう明記してあっても、フルバケットなどとは全く異なる物。

また、純正採用のシートは大変作りが良いのは事実だが、現実としては万人向けの作りで、また、ホールド性よりも座り心地や乗降性を意識した物が多い。
どうしても、本格的に体を支えるには不十分である。

そのため、アフターパーツで買うのが一般的だ。

今、車がどう言う状態にあるのか、アンダーなのかオーバーなのか、まだまだイケるのかどうかと言った判断は、バケットシートを通じて腰や肩で情報を拾うので、単なる座席と言う認識ではなくデバイスの1つとして考えた方が良い。

最近ではYouTubeなどで、プロのドライバーがレースゲームにチャレンジして微妙な結果を残す動画も多いが、ゲームはこれらの情報が欠けており、視覚の情報のみに頼ったドライブになってしまうから起こる事なのだ。

つまり、それくらい実際のドライビングに於いてGやフィーリングと言った情報の占める領域が大きい事を意味している。

そのため、安易に安いからとか貰ったと言うシートを使うのも決して悪い事とは言わないが、本当に速く走ろうと思ったら自分の体に合った物を、実際に座って選ぶのが望ましい。

有名所ではレカロ、国産のブリッドなどがある。

レカロは知名度も高い高級品なので、憧れがあるかもしれない。
だが、個人的にはブリッドの方が好きだ。
と言うのも、痩せ型の自分にはレカロのメジャーなシートは大柄な物が多いと感じるからですが。

もちろんタイトな物もありますが、ブリッドでも作りはしっかりしているので、余程ブランドに拘りがなければ無理に買う理由もないと言った感じ。

自分が過去に採用した物は、レカロのSP-GやブリッドのZETA-III、そして現在使用しているブリッドのストラディアII JAPANと言うモデル。

ちなみに、ストラディアIIはリクライニング可能なセミバケットに分類されるモデルだが、シェルは高剛性のFRPやCFRPで出来ておりシートのクッション材も薄いフルバケに限りなく近い物。

クオリティに関してはお勧め出来るモデルですが、少々値段が問題です。

自分は運転席と助手席に2脚採用したが、シートレール込みで50万円くらいになる。
また、レカロも同様のシートを販売しているが、あちらは2脚買うと80万円を超えるので、相当勇気が必要だ。

ちなみに、買ってから気付いたのですが、リクライニングシートだから便利だと思っていたのに前方にはほとんど倒れないので、使い勝手はフルバケとほぼ変わらない。

フルバケ並のホールド感で背面の角度が変えられる事にメリットを感じないなら、通常のフルバケをお勧めします。



■ステアリングホイール

最近でこそ純正ステアリングも質感が良くなり、不満もそうそう出ないとは思うのだが、なんとなく交換したくなる部品ではないだろうか。

ウレタンハンドルだったら問答無用で交換したいところですが、最近では軽自動車でも本革巻きが多いです。

ただ、最近多くなった楕円やD型ステアリングなど、円形でない物は個人的にはどうかと思う。
メーカーは機能性を謳ったりしている場合もあるが、乗降性の確保のために下端をストレート化している物で、操作性に於いてはデメリットしかない。

レーシングカーなどで上下のカットされた物や、D型ステアリングが採用される理由は、そもそも舵角が少ないから許される事で、本来であれば乗用車に採用する事自体が個人的には信じられないと言うのが本音だ。

有名どころは数社ありますが、スポーツカーで好まれるのは主にMOMOとNARDIの2社になると思います。

モモのステアリングはやや無骨で、色付きのステッチが入ったパンチングレザーやスウェードを採用している物が多く、いかにもスポーツステアリングと言った印象です。
対してナルディはシンプルなデザインで、高級感のある落ち着いた雰囲気の物が多いです。

この辺りは好みがハッキリ分かれる部分ですが、やんちゃでアグレッシブなデザインの車にはモモ、クラシックカーやシャープなデザインの車にはナルディと言ったイメージでしょうか。

個人的にはナルディが好きで、今まで所有したスポーツカーは全てナルディ・クラシックのレザーで統一しています。

 

■シフトノブ

シフトノブは冒頭で述べた通り、棒型と球型に分かれますが、純粋に操作性を考慮すれば球型がお勧めです。

握り込まずに掌で軽く操作するにはこちらの方が向いており、無駄な力が入らない。
また、どの方向からでも均等に力が掛けられるので、最も理想の形ではないかと考えている。

棒型はシーケンシャルシフトに用いられる事が多く、Hパターンを採用する車では、ロータスやポルシェ、フェラーリなど、王道のスポーツカーには漏れなく球型が採用されている事からも、最適な形だと言う答えが出ている様にも思える。

これらもモモやナルディから販売されている物もありますが、バリエーションはかなり限定的なので、あまり流行ってはいない印象ですね。

圧倒的に主流なのはRAZOなどですが、これは外側からイモネジで固定するタイプが多く、あまり理想的とは言えません。

レイルなどから販売されている物がお勧めですが、どちらにしてもシフトパターンが刻印されているタイプは少数なので、別途表示シールが必要になったり、見栄えがあまりよろしくないかと。

Hパターンの配列次第ですが、トヨタ・アルテッツァ(SXE10)の純正部品に、アルミ製のスッキリしたプレートが存在するので、5速・6速共に流用が可能です。

6速の場合は1速側にRギアが存在するので、例えばNB以前のロードスターや前期RX-8などには使えませんが、パターンが合うなら最適な選択になると思いますよ。

ヤフオクなどで500~700円程度で売られているのですが、実際にはトヨタ純正部品として、ディーラーで注文すると200円くらいで買えます。

トヨタ純正品番:33621-53010(5MT)
トヨタ純正品番:33621-53030(6MT)

ちなみに、RX-8にはNDロードスター純正のシフトノブを流用しています。
こちらには後期RX-8と同様のシフトパターンがセットされるので、シールなど貼る事もなく、また本革巻きと見た目もなかなかいい感じです。

直接触れる部品の質感を上げる事で気分も盛り上がりますので、単純な操作性に限らず、交換がお勧めの部品です。
シートを除いては比較的安価に購入出来るので、気が向いたら交換を検討してみてはどうでしょうか。