常連さんならサイトのトップページを見て気が付いた方も多いかと思われますが、以前から要望があったので中古車やパーツの個人売買掲示板を作りました。
ただ、作ったとは言っても、本音を言うと自動車の個人売買をお勧めはしていません。
実際のところ、個人売買自体を恐れているわけではなく、リスク回避を怠ったり、売買の金額やお得感など目先の事しか考えない方が意外と多いので、高額な取引をしている事や法的な手続きなどが必要な事をもっと自覚して欲しいのです。
個人売買で最も恐ろしいのは「支払」や「保証」に関する事や「名義変更」などの手続きに関係している部分です。
また、原則として現状渡しとなるため、どう扱われてきたのか正確にはわからないので、故障のリスクや見えない部分の不適切な改造が不安と言った問題も確かにあります。
ただ、これらはちゃんとした知識やしっかり取り決めを行う事で防げる事も多いですし、可能な限り実車を確認したり、許可が得られるなら試乗もしましょう。
お互いに不明な点や気になる点は納得するまでしっかり確認を行い、誠意を持って対応すれば、安心して売り買いが楽しめるはずです。
実際の個人売買に於いて、どう言ったメリット・デメリットがあるのか、必要な手続きや注意点などを見てみましょう。
■個人売買のメリット・デメリット
個人売買は販売店で売り買いするより、互いにお得な場合が多いので、なんだかんだで個人売買サイトやフリマサイトでの自動車売買は絶大な人気があります。
ただ、ヤフオク!やメルカリなどのフリマサイトでは、支払いを仲介してくれるサービスがあるものの、原則一括払いとなるため、車の価格となると一括はキツイと感じる方も多いですよね。
かと言って、個人サイトが運営する個人売買掲示板などで通称「個人ローン」などと言った、個人間での貸し借り、分割払いを希望する方、また、容認する方がおられますが、これは絶対にやめた方が良いです。
数万円程度のパーツの売り買いなら諦めもつきますが、数十万、百万単位と言った場合に分割払いをOKしちゃうと、後々トラブルに発展するリスクが極めて高いです。
次の項で説明しますが、金額や詳細の書かれた売買契約書があれば、個人売買の中古車でも銀行などの金融機関でローンが組めますので、契約書を交して審査に行ってもらいましょう。
実際、ここで相手の問題が発覚する場合もあります。
断る様ならそもそも騙す気満々の買い手だと思って良いでしょうし、銀行には行ったが審査が通らなかったと言う場合はそもそも支払い能力が無いと言う事を意味しているので、分割を承諾していたら早かれ遅かれ支払いは滞り、全額回収は不可能になっていたでしょう。
また、付き合いのあるお店など(店舗によってはガソリンスタンドなどでも可)があれば、商談がまとまった後にいくらか手数料を払って販売の仲介をやってもらえば、銀行で通常の自動車ローン(より低金利のローン)が契約出来る場合もあります。
多くのサイトで解説されているので、今更と言った感じはしますが、個人売買にはどう言ったメリットやデメリットがあるのか確認してみましょう。
・売り主は買い取り店で値の付かない様な車両(極端な改造車など)を高値で売れる可能性がある。
・買い主は市場にはなかなか出てこない車両やパーツ満載の改造車をお得に買える可能性がある。
早い話、売り主はお店の買取や下取より高く、買い主は店頭価格より安く売買が出来る可能性があります。
しかし良い事ばかりではなく、売り主も買い主も支払いや手続きをすぐに行ってくれない、買った車が欠陥車だったと言ったトラブルに遭う可能性があります。
何事も無く取引が完了したとしても、色々と用意しなければならない書類や複雑な手続きなど、全て自分でやる必要があるので、面倒臭いと言うのもデメリットと言えるでしょう。
ただ、予算に余裕があれば、名義変更など一部の手続きは専門の代行業者やディーラーなどでもやってくれるので、費用と手間を天秤に掛けながら判断すれば、思ったより簡単に完了するかもしれません。
しかし、トラブルを避けるための術は別の話です。
■販売店の方が安心とは言えない事実
個人売買のデメリットとして、多くの人が考える故障リスクですが、実は販売店で買っても個人売買で買ってもそんなに大差ないと私は考えている。
ディーラー以外の中古車屋全般は、ほとんどの販売店が個人売買と大差ないと思って良い。
強いて言うなら、販売店で買った場合は故障しても”気持ち程度の保証”が付いてくると言ったところだ。
販売店で購入する場合は、車両本体価格に諸費用が加えられた金額が、所謂「乗り出し価格」となる。
平均して20万円前後の諸費用が上乗せされ、見積書の内訳を見ると大部分を占めるのが納車前の整備費用となっている。(100万円の車を買うなら、実際に支払う金額は120万円と言った感じ)
言い返せば、個人売買と異なり、販売店で買うとしっかり整備された車が買えるので、購入後の故障リスクは低い…って言いたいところだが、本当にそうだろうか?
実際に私が経験している例を挙げてみよう。
若い頃の話ですが、山で知り合った人からシビックを直接買った事があります。
その他、1台目は新車でしたが、2台目のロードスターはヤフオクで中古車を買いました。
どちらも個人売買で買ったわけですが、納車前整備はなし、現状渡しとなりますが、特に目立った不具合もなく、強いて言えばシビックはタイヤの溝が無く交換が必要だった程度です。
その後、トヨタ系のディーラーに併設された中古車コーナーでセリカを買いました。
こちらは当然、納車前の整備までしっかりやってもらえたので、安心して乗り出す事が出来ました。
更に、マツダのディーラーでRX-8の中古車を買いましたが、こちらも乗り出しから現在に至るまで不具合もなく快調です。
さて、比較的最近の話なのですが、カーセンサーで見付けた関東地方のある販売店。
ツイッターなどのSNSでも人気のある結構有名なお店なので、安心して「マツダスピード・アクセラ」を買ったんですがね(笑)
見積りの内訳では、25万円が整備費用と記載されており、電話の口頭説明では「特に不具合はありません。確認もして、悪い部分はきんちと修理してから~」などと言っていたのですが、いざ届いた車はどうでしょうか?
まず、納車されて数分後にエンジンを始動すると、早速VVTアクチュエーターのロックピン不良が放置されている事に気付く。
分かります?私の様な素人がエンジンを始動した瞬間に気付く不具合ですから、気付かなかったなんて有り得ないですし、本当に気付いていないなら整備士としてかなりまずいレベルと言えるでしょう。
これについては納車されて数分後の話なので、ちょっと苦情を入れてみたのですが「エンジンは掛かりますよね?走行に支障はないですよね?」と、保証する気はありませんよと言った雰囲気が伝わってくる。
揉めてもエネルギーの無駄なので、この店はダメだと諦め、さっさと不具合のチェックに取り掛かる。
すると、ラジエターからの冷却水漏れを発見、シフトレバーのガイド破損(バックギアにそのまま入る)が放置されていてスポーツ走行なんてこのままでは無理。
それだけに留まらず、マフラーからの白煙…これはタービンの故障であった。
更に水温計の針が上がって来ないしヒーターONでも冷風しか出ず、どうやらサーモスタットを交換する必要がありそうだ。
どれも、気付かないなんて事は有り得ないレベルの、明らかな不具合ばかりである。
個人売買なら諦めろと言う人もいるかもしれないが、販売店ですからね?
おまけに、乗り出してしばらくして発生した不具合ならともかく、届いて1時間もしない内に判明した欠陥ばかりであり、初期不良以外の何ものでもない。
更に名目上で高額の整備費用を取っているわけですから、仮に直せないにしても説明がないどころか「不具合なし」と言ってる事が問題です。
その他、ちょこちょこと不具合を発見して、結局始動時の異音以外に実害のないVVTアクチュエーター以外の修理を行ったら、納車後1ヶ月の間に30万円を超える自腹出費となってしまったのだ。
そのホームページには「お客様の視点に立ち、良質車を展示販売しております」なんて書いてあるのだから、なかなか見込みのある優良店である(笑)
もちろんそんなテキトーな販売店ばかりではないと思うが、評判などは良く確認し、実際の作業風景などを良く見て決めた方が良いだろう。
うちの近所にも、すっごく評判の悪い中古車販売店がありますが、評判が悪いわりには潰れる事もなく昔からずっと営業していてお客さんも多いです(笑)
上記の様に個人売買と大差ない販売店は、あなたがイメージするより遥かに多いのが現実だ。
私は、ディーラー以外はお勧めしない。
中古車を買う上では、個人売買と中古車屋はイコール。
選択肢は、ディーラーか、それ以外か、である。
■売買契約書を必ず用意しろ!
意外と知らないと言う方が多いですが、売り主に都合の良い「現状渡し」や「ノークレーム・ノーリターン」と言った言葉や、それらの言葉に付け加えて「厳守」だなんて強い主張をする方がいますが、そんなものは免罪符にならない事を覚えておいてください。
説明と異なる物を売り付けられたとか、故障を認識していながら不具合を隠していたとか、欠陥車を騙して売り付けられて泣き寝入りするしかないなんて事になっては、買い主はたまったものではない。
個人売買を怖がり避ける人がいるのも、主にはこの辺りが心配だからでしょう。
しかし、売り主にとって一方的に都合の良い売買契約は法的に成立しないのです。
かと言って、買い主が都合よく「気が変わった」「イメージと違った」などと言った身勝手な理由で理不尽なクレームを付けられては、売り主側はたまったものではないので、ある程度の線引きは必要です。
なので、公平な取引が出来る様に、ちゃんと民法で定められている「契約不適合責任」と言うものがあります。
2020年4月1日に債権法が改正され、内容が旧法の「瑕疵担保責任」より、やや買い主側に有利になっているが誠意ある取引なら大きな差は無いし、そもそも内容を心配する様な必要もない。
基本的に、悪意ある者に対しての牽制や制裁、また、売り主に対しては理不尽なクレームから身を守るためのものであり、買い主にとっても大損させられない様に決められた範囲内での契約解除や補償を認める法律である。
つまり、せこい事を考えている売り主は、現状渡しやノークレーム・ノーリターンなんて言葉で逃げ切れるものではないと言う事を良く覚えておいてもらいたい。
それらの言葉が有効とされ、主張が通用するのは不具合なども含め誠意を持って隠さずしっかり伝えている場合に限られる。(悪意がないと認められる場合や軽微な不具合は責任を問われない)
しかし、逆のパターンも有り得るわけで、売り主が善良でも買い主に問題がある場合。
しっかり説明したにも関わらず、クレームを付けて返金や補償修理を要求してこないとは限らないわけだ。
口頭説明しかしていない場合、後からそれらを言った、言わないの口論になったところで収拾がつかなくなるので、しっかり文章として残しておくのが望ましい、…いや、必ず書き残しておくべきである。
法的に有効な契約書を交す、これを「売買契約書」と言う。
面倒臭そう、堅苦しいと言ったイメージを持つかもしれないが、実はそうでもないし、何よりお互いにトラブルから自分達を守るための書類になるので、必ず書いて欲しい。
これだけで納車前の整備があるか無いか程度の違いで、販売店とほとんど大差ない安心感を得られ、安全に個人売買を進める事ができる。
一番気になる走行距離の改竄や事故車かどうかと言った点についても、相手がどんなに隠していてもJAAI(財団法人日本自動車査定協会)などに頼めば調査してくれますし、グレードなどを偽っていてもディーラーなどで車台番号を照会してもらえば詳細がわかります。
もしもの時に備えて覚えておきましょう。
■売買契約書の書き方や内容は?
法的に有効な書類…と聞くと、まるでコレを弁護士や行政書士に依頼して書いてもらわなければならないと思う人もいるかもしれないが、ディーラーや販売店などに行けば名前と金額だけ書き込めば出来上がるテンプレートのコピーを貰える場合もあるし、文房具店はもちろん、100均ショップなどでも用紙が売っていたりする。
…と言うより、インターネット上で色々なテンプレートが無料で公開されているので、プリンターがあるなら印刷で良い。
私の作った大雑把な物でよければ、以下からダウンロードしたWord用のファイルに、必要に応じた修正を加えてお使いください。
売買契約書サンプル
自動車売買契約書(標準的な売買契約書の参考様式・contract.docx<16.9KB>)
自動車割賦売買契約書(個人分割などを承認した場合の参考様式・contract2.docx<16.6KB>)
少なくとも、署名・押印欄だけは必ず本人の直筆である点、両者保管のために2通印刷してお互いの割り印を押すと言う事だけ注意すれば良い。
ただ、お決まりのテンプレートだと都合の悪い場合もあるので、市販のテンプレート用紙やインターネット上のサンプルを参考にワードなどで作成し、文面の追加や削除で適した契約書に整えよう。
例えば、引き渡しの段階で重大な不具合があり、買い主がそれを了承した上で売るはずなのに、販売店向けのテンプレートのままで「重大な欠陥があった場合に修理費用を全額負担する」なんて文面があった場合、契約上都合が悪いですし、悪意のある買い主なら「法的に有効となった売買契約書」を武器に修理費用の負担を要求してくる可能性もある。
上記の様な例の場合、もし裁判になったら契約書に明記されている以上は恐らく負けますので、出来上がった書類をそのまま使うのではなく、ちゃんと目を通して自分たちの売買契約に沿った形に修正して使いましょう!
細かい取り決めや補償の範囲などを明文化し、お互いにしっかり目を通して納得した上で署名・押印を行う。
これで正式に契約が成立し、お互いの不正防止、お互いの身を守る準備が整うのである。
説明だけではピンとこないと思うので、実際の売買契約書の項目例を見てみましょう。
必要に応じて文面を削除したり、追加したりと、契約内容に沿った取り決めの項目を記載します。
引き渡し前の時点で不具合などについて説明を行い、互いに現状を理解して取引を行う場合など、別紙に保証適用外の不具合内容などを記載するのも有効です。
その他、完全に現状渡しで一切の保証をしないと言う場合は、相手の了承を得た上で契約不適合責任(瑕疵担保責任)の関連項目をごっそり削除するなど。
いずれにせよ、どちらか一方にとって都合よく偏った契約内容にしたり、協議の上で両者が納得しない契約内容とならない様、公平に作成し、当然ながら内容を確認した上で契約内容に納得できない場合は絶対に署名・押印をしてはならない。
① 誰と誰が契約を交わすのか、売主と買主を明らかにします。
署名・押印欄は別にあるので、直筆である必要はありません。
② 引き渡しの時期や名義変更までの期日の取り決め、キャンセル料などについて。
手付金(頭金)を必要とする場合の金額記載や、一方的な都合によるキャンセル時に迷惑料として徴収する金額の取り決めなど。
手付金の目安は車両価格の5~10%、キャンセル料は手付金をそのまま徴収するのが一般的ですが、特に決まっているわけではないので10万円、15万円など安過ぎず、高過ぎずの金額を設定して構いません。
③ 売買する車両の詳細を記載しましょう。
車種名だけでなく、車台番号や走行距離の記載があると、替え玉や距離改竄などが無い事の証明や不正防止となりますので、買い主にとって安心です。
④ 請求金額の他、契約不適合責任の保証期間や瑕疵修理の費用負担割合などの取り決め。
自動車税の月割負担やリサイクル券を車両価格に含んでいない場合は、項目を追加して内訳を記載します。
また、不要な項目を省いても構いませんが、合計金額ははっきりと明記しましょう。
⑤ 手付金の支払い日や残価の支払い期日と金額、その支払い方法や引き渡しの方法や時期について。
支払いが遅れた場合の取り決めなどを明記しておく事も有効です。
⑥ 署名・押印欄です。必ず本人の直筆で署名してください。
売買契約書に良く目を通し、納得した場合に限り署名・押印をします。
不明な点や気になる点は事前に確認を行い、納得できない場合は絶対に署名してはなりません。
⑦ 細かい取り決めや保証、ペナルティなどについて詳細を明記します。
細かい条件は、こうしてくださいと箇条書きして、後は「関連する法律」で対応しますよ、と書いておけばよい。
重要視するべきは、支払い期日、引き渡しの方法と時期、保証の有無や範囲、名義変更手続きまでの猶予期間と期日を守らなかった場合の対応など。
これらの取り決めを正当な理由なく破った場合は、法的措置を取りますよと言う事が明記されているわけである。
ご覧になれば分かると思いますが、冒頭でも言った通り、お互いが誠意を持って取引を行う上では売買契約書の内容に怯える必要は全くないので安心してほしい。
■個人売買で必要な書類や手続きについて
必要書類や手続きについては、書き方なども含め運輸局で確認出来ますので簡潔に。
運輸支局や付き合いのあるディーラーなどでOCRシートや委任状などのテンプレートは簡単に手に入りますし、国土交通省のサイトや各地区の運輸支局のサイトでぜ~んぶダウンロード出来ます。
一部は市役所へ出向いて取得しなければならない住民票や印鑑証明などもありますが、手続きに必要な書類やその入手場所についても、運輸支局のサイトに書かれているのでご確認ください。
ちなみに、九州地区の場合はこちらの九州運輸局のページで確認・ダウンロードする事が可能です。
地区によって微妙に雛形に違いがある書類もありますが、本当に必要な部分は決まっているので、他の地区でも問題なく使えます。
それでも気になると言う場合は、自分の地区の様式をご用意ください。
軽自動車については、普通車とは異なり法律上の財産とならないため、手続きがかなり簡略化されます。
詳しくは軽自動車協会のサイトでご確認ください。
上記の通り、必要書類や書き方は行政機関が分かり易く説明しているので、ここでは、簡単な売買の流れや注意点についてご説明します。
まず、必ずしも必要ではないけど、用意した方が良い物としては、前述した売買契約書と、運転免許証の写しです。
免許証の写しは、お互いに身元を明かして取引すると言う公平を保つ意味と、万が一警察などに相談する必要が生じた場合などに役立つので、互いに牽制する意味もあります。
そしてもう一点が、社外部品の付属書類(説明書や保証書、性能証明など)を必ず車検証と一緒に渡す(受け取る)事です!
説明書や保証書はともかく、強度や騒音レベル、排ガス検査レポートなどの性能証明は必須です。
シートやマフラーに付属する書類を、最近は車検時に必ず提出を求められるため、例え保安基準に適合した部品であっても書類がない場合は不合格となります。
なので、必ず車に付属している事を確認し、もし紛失等の理由で付属しない場合は、売主は買主に対して必ず説明をする必要があります。
言い換えれば、どんなにお得でカッコイイ改造が施されていても、書類が無ければその価値は一気に下がると言うわけです。
パーツによっては、メーカーに問い合わせて保安基準適合証明の書類を購入する事が可能な場合もありますが、大体の場合は結構高いです。
今時は珍しいですが、キャブレターのガス検査レポートなどについては、ペラッペラの紙1枚が10万円以上なんて吹っ掛けられる事もあるので注意しておきましょう。
もちろん、パーツ単体を買う時も同様に、書類が付属するかどうか注意が必要です。
それでは、簡単な個人売買の流れを説明しましょう。
1.売買の話がまとまったら、売買契約書を作成します。
遠方の相手とやり取りする場合は、売主が署名・押印・割印まで済ませた2通の契約書を郵送し、買主はそれにしっかり目を通します。
契約内容に問題がなく、内容に納得した場合は署名・押印・割印を済ませ、1通を売主へ返送してお互いが保管します。
2.売買契約書を交して契約が成立したら、まずは買主の方へ車検証の写しを渡してください。
買主は車検証の情報を基に、まずは車庫証明を申請します。
数日後、車庫証明が無事に取得出来たら、売買契約書の内容に沿って代金の支払いから車両の引き渡しまでの段取りを進めて行きます。
銀行振込の場合はその記録が証明となりますが、もし現金を直接支払う場合は必ず領収証を発行してもらいましょう。
個人間の売買に於いては、収入印紙は不要です。
3.車両の引き渡しが完了したら、買主は速やかに名義変更の手続きを行ってください。
そのまま乗り続けると事故などを起こした際に売主に迷惑が掛かりますし、何より4月1日時点での所有者に自動車税の請求が行きますので、売買の時期によっては急ぐ必要があります。
もし、4月1日以降の売買となった場合、翌年分の税金を売主が負担するか、車両価格に含めて買主に請求するかはともかく、必要に応じて納税証明証を買主に渡してください。
また、買主は名義変更が完了したら、新しい車検証を見せる、または写しを売主へ渡し、名義変更完了を証明しましょう。
以上がざっくりとした個人売買の流れですが、特に名義変更は県外の場合はナンバープレートの変更が伴う事に加え、希望ナンバーや字光式プレートを申請する場合は日数を要する場合があるので、受け取り後は速やかに手続きを進める事が望ましいです。
万が一ナンバープレート発行に時間を要する場合など、約束の期日に間に合わない場合は必ず売主に事情を説明して了承を得ましょう。
いずれの手続きにしても、売買契約が成立した後の陸送の手配や名義変更手続きを代行してくれる業者もいますし、日常の整備などで付き合いがあれば、中には他所で買った車でも手続きの代行を快く引き受けてくれるディーラーもあります。
この辺りも手間と費用を天秤に掛けて、なるべくイージーに済ませられる様に進めると良いでしょう。
上記の手間やリスクを理解した上で、お得な売り買いに期待したい方は、個人売買掲示板を上手く活用されてください。
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