ちょっと訳あって3月末から代車生活となっております。。。
周りの人からは「事故ったの?」なんて良く聞かれるのですが、もちろんアクシデントなど絶対にないとは言い切れませんが、良い歳してその辺で車を大破させるようなヤバい運転はしませんからね(笑)
理由は後ほどブログでお伝えしますが、マツダ2をお店に預けて作業してもらってます。
ちょうど忙しい時期なのですぐに作業が出来ないと言う事で、急がなくて良いよとは言ったものの、既に3週間が過ぎようとしているので、周りもどうしたんだろう…?と不思議に思うのも無理はないかも。
せっかく代車を借りているので、今日のネタはしばらく乗ってみた感想などを。。。
■代車らしい代車 三菱・ミニカを観察
今時はある程度宣伝媒体も兼ねているので、ディーラーなどでは新しい試乗車みたいな車や、型落ちでも結構綺麗でまともな車を貸してくれる事が多い。
代車…文字通り代わりの車なのだから、通常は預けた車と同じくらいのクラスかワンランク上くらいの車を貸して、次回に検討してみませんか~?みたいな感じだと思うのですが、昔は”代わりの車”と言うより”代わりの足”って考えの方が強く、自営の整備工場はもちろん、ディーラーでさえギリギリ走行に差支えのない程度のポンコツを出して来る事も珍しくはなかった。
それも2000年代初期くらいまでの話ですかね。
最近では街の小さな整備工場でも、クラスやグレードは低くても綺麗な車を貸してくれる事が多くなりましたよね。
んで、今回マツダ2を預けたのは、大分市大在浜にある三菱サテライトショップのダカールさん。
所謂走り屋御用達のチューニングショップとは違うので、ECUの書き換えやハードなエンジンチューンなどはやらないが、ここは昔からラリーやダートトライアルを主に競技車両の取り扱い経験が豊富で、公式競技のレギュレーションにも詳しいので、これからモータースポーツを始めたいと考えている人も安心して相談や作業をお任せ出来るお店。
もちろん三菱のディーラーとしても機能しているので、一般整備から新車・中古車の購入まで相談可能だ。
CMSC大分と言うJAF加盟クラブの本部にもなっていますので、大分県内に在住で、ライセンスを取得して公式戦に挑みたいと考えている方は相談してみると良い。
うちのクラブが解散する前は良くお世話になっていましたが、その後十数年も疎遠になっていたので本当に久しぶりです。
預ける予定の3月末に「予定の代車がまだ戻って来ないから、軽自動車しかないんだけど…日を変える?」と連絡が。。。
軽でも全然問題ないですよね!
「足があるだけでも助かりますから、構わないですよ~!」と伝えたところ。
「ボロなんだけど、大丈夫かな?いや、もちろん不具合はないけど…ね。」
…と、なんだか心配そうに言うのですが、ボロって言っても知れてるでしょう。動くなら全然気にならないですよ。
んで、お店へ行ってみると…
お…、おぉ…(汗) 本当にボロいな!!(超失礼)
まあ、見掛けはボロいが、しっかりメンテナンスされている車なのですこぶる快調。
赤いボディに黒いホイールでオシャレに纏った、最終モデルのH42V型三菱・ミニカだ!
このモデルは1999年頃に発売され、2010年頃まで製造されていたので、モデル末期だとしても既に15年以上が経過した古の軽自動車だ。
軽自動車の本来(?)の役割に終止符を打ち永遠に歴史を変えてしまった元凶は、当時としてはあり得ない200万円オーバーの軽として登場したダイハツ・コペンがあるが、その後も原油価格高騰と不況が影響して軽自動車ブームが訪れる。
その時代に乗用に適した装備を有する軽自動車がバンバン出てきて、150万円超えは当たり前、200万円超えも珍しくはない時代へと移行して行くが、その一世代前の本来の?軽自動車が活躍していた時代の乗り物の1つが、このミニカである。
この頃の軽自動車も同じで、デザインなどどこかで拾ったテンプレートの様で、オーナメントを外してしまえばミラなのかアルトなのか何なのかさえわからない。
全部同じデザインである(暴論)
潔いほどシンプルで、余計な機能や装備を極限まで削ぎ落とした機能美。
この美しさは、勝利と言うただ1つの目的だけを追い求めるフォーミュラカーを彷彿とさせる。
ただ乗ると言うたった1つの目的のためだけに作られた、The 軽自動車。完成されたマシンである。
これほど代車に相応しい車が他にあろうか。
■インテリアの質感や装備をチェック!
古い車なので、やはり現代の車の様なハイテク装備はないが、街で乗り回すと言う目的に於いては十分な機能を備えている。
まずは座席だが、ちゃんと付いている。
助手席やシートベルトも、たぶんオプションではなく標準装備だと思われる。
2000年代初期は馬車が走っていた時代の様に感じるが、それくらいの装備は問題なく付いている世代なので安心してほしい。
しかし、ハンドルを見ると「SRS」の文字は見当たらないし、助手席にも当然無い。
そう、エアバッグだ。エアバッグなど付いていないのだ。
万が一衝突事故を起こした際にハンドルの中身は飛び出して来ない代わりに、しっかりシートベルトを締めていないとハンドルに頭をぶつけて”こちらの中身”が飛び出す恐れがあるので要注意。
ドアも障子紙の様に薄いので、側面からの一撃を喰らうとまず助からない。
内装は全体的に樹脂感丸出しで、部品を留めてあるネジなども隠す気など全くない感じ。
シートからハンドルまで、何とも言えない微妙なグレーで統一されており、見た感じは非常に地味である。
必要最小限にまとめられたメーターパネル。
指針はちょっと安っぽいが、余計な表示はないので見易いし最低限必要な情報を得るには十分だ。
当然だがエンジンスタートはキーを挿して回すと言う儀式が必要。
尚、この車にはキーレスエントリーや集中ドアロックの機能も付いていないので、車を離れる際は助手席のロックを忘れないように注意する必要がある。
恐らくこの辺りはグレードにもよると思うが、この車は最下位グレードの4ナンバー貨物タイプとなっている。
ドリンクホルダーもない。
シガー電源のプラグも付いておらず、代わりにキャップが付いている(笑)
当然カーナビなどの装備は無いが、嬉しい事にエアコンはしっかり装備されていた!
これさえあれば立派な乗用車である。
少なくとも、真夏のドライブでも車内で命を落とす心配はない。
人類の叡智が詰まったオートマチックトランスミッションを搭載。
なんとギアは、遅い・速い・すごく速いの3速もあり、速度に合わせて自動で変速してくれるスグレモノだ。
窓は開閉スピードもミリ単位の調整も自由自在なパワー(人力)ウインドウとなっている。
以上が主な装備である…と言うより、他には何もない。
ただ”乗る”と言う目的のために用意されたエントリーモデルとしては完璧なパッケージである。
ここまで読んで、この車をバカにしてるんじゃないかと思った人がいるかもしれないが、そうではない。
重要なのはここからで、特に最近の軽自動車しか知らない若い世代はよ~く覚えておいてもらいたい。
この車、当時の新車価格は58万円である!
確かに今時の車に比べると装備は乏しいし、本当に乗るだけじゃないかって思うかもしれないが、その”ただ乗るだけ”と言う一定のニーズに応えられる車が現代には無いのだ。
一時は倒産寸前にまで傾いたマツダを救ったのも、必要最小限の装備でリーズナブルに、ただ乗るだけの普通車として投入された名車の初代デミオがバカ売れしたからだ。
ただ乗るだけと言う、限界まで装備を削ぎ落としたチープな車を求める層は、実は我々が考えている以上に多い。
この頃の軽自動車は、そういう意味では完璧なのである。
さすがに物価の上昇が激しい現代に同じパッケージでもここまで価格を抑える事は難しいと思うが、必要最小限の装備で新車価格が乗り出し100万円以下の車をもっとラインナップしても良いんじゃないだろうか。
■エクステリアをチェック!
続いてエクステリアをチェックしてみよう。
これについては冒頭で掲載した通り、この頃の軽自動車は正直言ってどれも同じ様なデザインなので特筆する様な事はほとんどない。
ライトの形状がちょっと違う程度で、シルエットもほぼ同じである(笑)
実際、ミラとアルトを並べられても、オーナメントがなければ自信を持って車名を答えられる気がしない。
まずはこちら。
薄っすら黄金色に輝く美しいヘッドライトは、磨りガラス調の天然加工がオシャレ。
中身はもちろんハロゲンである。
夜間の走行時に久しぶりにハロゲンランプを体験しましたが、本当に真っ暗で何も見えない(笑)
昔はこれが当たり前だったと思うと、よく夜中に運転できてたな~なんて。
今時は球だけ交換可能なLEDバルブもあるので、真っ先に交換したいところ。
極限までコストダウンしているわりには、マフラーのエンド部分にはマフラーカッターの装備されたオシャレ仕様。
一瞬社外品でも取り付けてあるのかと思ったが、しっかりかしめて溶接されているので標準仕様みたい。
こいつを削ぎ落とせば、もう2000円くらい安く作れただろ!何してやがる。
リアハッチの開閉は、飛び出したキーシリンダーがボタンを兼ねている。
隠したりフラットにすると言う考えはなく、思いっきり飛び出しているが、デザイン云々より必要だから付けたと言った潔さが逆に美しくも思える。
リアの三菱オーナメントはステッカーとなっており、こんな部分でもコストダウンの努力が覗える。
素晴らしい。
ちなみに、走行中にリアウインドウが割れるんじゃないかと思う程、ガタガタガタガタ…と凄い異音がしていて気になっていたのですが、どうやらこの黒いパネルがガタついているみたい。
そんな細かい事を気にしていてはとても耐えられないので、そんなモンだと思って気にしない様に。
また、こんなパッケージでもリアウインドウがプライバシー仕様だと思ったら、どうやらこれは後からフィルムを貼っているみたい。
通常は、後続車から中身丸見えの大公開仕様である。
ラゲッジルームは結構広く、フラットになるので見掛けの割に大きな荷物も積み込める。
尚、リアシートは座席と呼ぶには程遠い”板”である。
拷問スペースの様に思えるが、それでもRX-7や86のリアシートに比べれば随分マシだ。
搭載される心臓部は名機3G83エンジン。
とにかく頑丈で故障知らず。そしてパワフル。
最低限のメンテナンスでガンガン酷使しても元気に走り回ってくれるエンジンは、リーズナブルな車両価格に加えてコスパ抜群!
これ、実際に走らせてみて思ったのですが、普通に乗る分にはマツダ2と大差ないくらいしっかり加速もするし、少々の坂道なら難なく上るのでターボ付きかと思ったのですが、なんとボンネットを開けてみるとNAである。
特に低速のトルク感はかなりのもので、発進からグイグイ進んでくれるのでストレスも感じません。
エンジンについては最高ですよコレ♪
■走行レビュー
走行レビューとは言っても普通に乗るだけなので、至って普通の古い軽自動車って感想しか出てこないのですが、そもそも古い軽自動車ってどうなの?って気になるところですよね。
昔はこれが当たり前だったとしても、現代の車の水準で比較するとどうなのか?
お借りした直後は新鮮に感じたものの、時間が経つにつれて古臭い内外装のデザインや快適装備の乏しさは耐え難いとまではいかないが、やっぱり新しい車の方がいいな~と思ってしまうのは仕方がない。
3日も乗れば耐えられなくなって発狂するんじゃないかと思っていましたが、代車だからこんなモンと自分に言い聞かせていれば案外気にならなくなる。
約3週間が経過した現在は半ば無心で乗っているが、これをもし所有するとなると話は別である。
実際、アクセラは結構気に入っていたが、内装の古臭いデザインに耐えられなくなって買い替えたので(笑)
まず車体のサイズですが、小さいです。
まあ、軽自動車ですからね(笑)
この時代の軽だと、既にサイズの規格が現在と同じだと思うので特別小さいって事はないと思いますが、最近主流のトールワゴンタイプに比べて全高が低いためかなり小さく見えます。
近所のガソリンスタンドへ給油に行ったのですが、ぐるりと一周見た後に「これは代車ですか?」と不思議そうに訊ねられたので「ええ、代車です」と答えたところ…
「コレしかなかったんですか??」
コレしかなかったんですか…だと?
何て事言いやがるんですか(笑)
運転席からの視界については、可もなく不可もなく、まあこんなモンでしょって感じ。
ただ、最近の車と違ってピラーなども細いためか、視野は広く感じますし、後方視界も良好です。
なんで最近の車って後ろが見難いんでしょうねぇ。
バックモニターを売るためにわざと設計してんのか?って感じ(笑)
ちなみに、燃費については大雑把な計算ですが16km/L前後とそれ程悪くはないものの、燃料タンクが小さい様でゲージの減りは比較的早いです。
1/4くらいで満タン給油しても18L程度しか入らないので、タンク容量は30L前後かな?
実際に街の中やワインディングを走行していて感じるのは、どう言うわけか曲がらないなって印象。。。
ぶっ飛ばしていてアンダーが~なんて話をしているのではなく、普通に乗っていてハンドルを切り込んで行くのですが、舵角に対してイメージ通りの旋回をしてくれず、少し切り足すイメージ。
これは車自体の造りの問題と言うより、もしかするとステアリングのギア比の関係で舵角に対して実際のタイヤの切れ角が若干浅いのかな?と言った印象なので、メーカー毎のクセや慣れの問題かもしれない。
当然ながらグリップが破綻しているわけではないので、グイグイ切り込んで行けばちゃんと曲がります。
そしてもう1つ、車体が異常に軽い。
車両重量は700kg弱、シャシーに対して上に乗っかっているボディがどれくらいの重量かは不明ですが、真っ直ぐ走っていても風が吹くと車が左右にふらつく。
ノーマルのショックでも固いと感じる程で、普通に走っている分にはロールを感じないのも気になる。
足を固めている私のロードスターやマツダ2の方がぐにゃぐにゃに感じるくらい。
さすがにブレーキを踏んだり、加速させる際には足の伸縮は感じられるものの、車体が軽過ぎるためなのか、一定速で巡航している時やカーブを曲がる時など足がまともに動いている様な感触がなく、遠心力で横に引っ張られているだけの様な体感でグリップ感が掴み難いので、雨の日にスピードを出すとかなり神経を使いそうだ。
乗り心地自体は激しい突き上げ感や振動もなく、それ程悪くはないものの、段差などで車体が持ち上がった際にフロントが左右に振られる様な動きが出るので、なんだか怖いと言うか気色悪いと言うか、フィーリング面では良好とは言い難いのが本音です。
ただ、前述した通りコスパ重視で普段の足として差支えなく動くと言うコンセプトを考えれば、細かいセッティングや些細なフィーリングの改善のために時間やコストを掛けてまで詰めないと言う回答かもしれない。
極端な話、部品を組み立てただけだからこの価格で販売出来ていたのかな?
もちろん、本当に何も考えずに組み立てているだけって事はないと思いますがね(笑)