今年のゴールデンウィークは10連休となり、最大級の大型連休となりました。
どこも多くの人で賑わっていた様ですが、一本クヌギスピードウェイも、走りに来る車にバイク、そして”ある物”を求めてやって来るお客さんで賑わっていた様です。
今回のレポートは、自動車系サイトとしては異例の”牧場見学”や”食レポ”となりますが、まあまあ、ちょっと待ってください。
ご存知の方もおられると思いますが、クヌギランナーの会場でもある一本クヌギスピードウェイですが、本業は一本クヌギファームと言う養豚場なんですよ。
皆が恐れる第2コーナーの先は崖…と考えている人も多い様ですが、ちょうどその下が牧場となっており、豚が放牧で飼育されています。
冒頭で触れた”ある物”とは、ズバリ、一本クヌギの本業である養豚に関係しているのですが、以前から受付の横にお肉屋さんが併設されており、もちろんファームの豚肉を購入する事が出来るのです。
一部のお客さんは、走った後に買って帰る方もおられる様ですが、正直言ってサーキットのお客さんの購入率は低いです。
そこで、今回は一本クヌギの知名度アップや、ファーム独自のミルキー豊後黒豚を、より多くの方に知ってもらおうと、新商品の開発と、人気自動車漫画とのコラボ企画を立ち上げました!
新商品を紹介する前に、普段見られない一本クヌギファームに潜入してみましょう!
■ミルキー豊後黒豚って何?
黒い豚と言えば、近年流行っていたイベリコ豚ってありますよね?
高級食材の様に語られるので、喜んで食べる人もおられると思いますが、イベリコ豚って言うのはイベリコ種と言う品種です。
どんぐりを食べて育つベジョータが高級食材なのであって、それ以外の飼料で育ったセボは普通の豚肉と差はありません。
激安店や食べ放題のお店でもイベリコ豚が出てくる理由がこれです。
品種ではなく、ブランドで価値が変わるのですが、その理由が味なども含む品質なんですよ。
国内でも鹿児島で有名な「黒豚」ってありますよね。
これも全国でも飼育されているバークシャー種と呼ばれるやや小型で、黒い毛の豚の事なのですが、鹿児島の黒豚はさつま芋を食べて育った「かごしま黒豚」と呼ばれる”ブランド”です。
品種や産地の問題ではないんですよ。
どう言った飼育方法で、どう言った餌を食べて、どんな管理がされているのか、それらの”規格”に沿った物がブランドであり、何故そう言った”規格”があるのかと言うと、飼料の配合やストレスの度合いなどで脂の味や性質、刺しの入り方、赤身の肉質など、一言に豚肉と言っても全く違った物となります。
ノーブランドの豚肉でも、同じ部位なのに硬い肉だなぁって感じる物もあれば、柔らかくて美味しい!と感じる事もあり、そう言った違いが露骨に品質として現れるのです。
故に、規格に沿って飼育された品質の高い豚は”ブランド”を名乗る事ができ、その価値も、味も保証されると言うわけです。
では、ミルキー豊後黒豚とは?
商標登録第5412588号「ミルキー豊後黒豚」と言う、れっきとした一本クヌギファーム独自のブランドの事です。
ミルキー豊後黒豚はバークシャー種の黒豚に、牛乳を混ぜた飼料を与えており、脂の質は甘くしっとり、口の中で溶ける様な味わいを生み出します。
食べてみるとわかりますが、豚肉独特の臭いもほとんどなく、脂もしつこくないです。
こう言った独自の飼料配合は、経験や研究によって編み出した方法を、ブランド毎に規格化しているものです。
そして、ミルキー豊後黒豚の最大の特徴は、これらの豚を”放牧”によって飼育していると言う点です。
豚の放牧と言う飼育方法はあまり聞かないため、私も今回、レポートを書くにあたり調べてみたのですが、全く例がないわけではありません。
ただ、日本国内に於いては積極的に取り組まれていない様で、その例は少なく、珍しい事に間違いはない様です。
メリットは豚にストレスを与えず、健康的に育てる事が出来るため、事実として肉質も良くなり、自ずと品質も向上する様なのですが、デメリットは完全に生産者の都合と言えます。
何しろ放牧には手間が掛かる事と、あまり多くは同時に飼育する事が出来ず、結果としてコストも掛かり、生産性も落ちると言う点が普及しない原因となっている様です。
これらのデメリットを承知で、豚に良い環境と品質に拘って飼育されているのが、一本クヌギファームのミルキー豊後黒豚と言うわけです。
■普段見られない牧場を覗いてみよう!
念のために注意点ですが、牧場と言う場所は、部外者が気軽に足を踏み入れて良い場所ではありません!
飼育している環境も見せられないのか!とネガティブに考える人もおられる様ですが、そうではなく、10年程前に宮崎県で壊滅的な打撃を与えた「口蹄疫」や、2019年5月現在、被害が拡大中の「豚コレラ」など、家畜にとって有害な病気が持ち込まれてしまうリスクを回避するためです。
みなさんの食卓に、安心して食べられる安全なお肉が届けられるのも、徹底した品質管理があって実現できるのです。
どうしても見学してみたいと言う方でも、扉が開いていたからと勝手に入ってはいけませんよ!
必ず管理者の方に許可を得て、消毒など万全な対策をした上で指示に従って見学してください。
さあ、それでは牧場を覗いてみましょう!
お!早速いました。こちらが、一本クヌギファームのミルキー豊後黒豚です。
黒豚は本当に黒かった…(笑)
いや、当たり前か!
ずっと厩舎に閉じ込められている豚と違って、自由に動き回れるからでしょうか?
どこか体の引き締まった感じがしますね。
適度に運動もして、日光浴も出来て健康的です。
初めてみると、なんだか思ったより小さいな…って思うかもしれません。
それもそのはず、日本国内で多く飼育されている豚は薄ピンク色のヨークシャー種と言う、350kg以上にまで成長する種が多い様で、典型的な豚のイメージになっていますが、こちらはバークシャーと言う種類で、ヨークシャー種に比べると小さいそうです。
しかし、本当に豚のしっぽってクルッと丸くなってるんですね。
引っ張ったりすると怒られるかな?(笑)
どうやらおやつを食べている様です。
あ!真っ黒の豚だけでなく、鼻や足の先が白っぽい豚もいる様ですね!
ん?竹林の方にもいるようですよ。
結構な斜面ですが、平気な様です。
放牧なので、与えられる餌だけでなく、敷地内を自由に歩き回りながら餌を探して食べたりするみたいです(笑)
何が埋まっているのかな?
タケノコや草などを見付けて食べている様ですね。
ファーム内では、全部で100頭前後が飼育されているそうです。
薄暗くて窮屈な厩舎に閉じ込められているイメージとは全く異なり、日向で日光浴をしながら昼寝をしたり、自由に走り回って遊んだりと、非常に健康的な印象を受けますね。
食肉になるのだからと、決して酷い扱いを受けているわけではありません。
信憑性のあるもの、ないもの含め、世の中には色々な情報が出回っていますし、事実として世界中を探せば酷い場所もあるのでしょうが、極少数のために業界全体が悪いイメージを持たれてしまいます。
世界中のヴィーガンブームなどの煽りも受け、ネガティブな意見もある中、ファームの管理をしている首藤さんは、SNSでもファームの様子を公開したりと、少しでも多くの方に食肉の安全性や業界の明るい話題を届けられる様に頑張っておられます。
ご覧になれば、愛情を込めて大切に育てられているのが良くわかるのではないでしょうか。