昨年の10月から密かに準備を進めていましたが、今年の10月15日(水)に、クヌギランナーの会場でもある一本クヌギ・スピードウェイにヨーロッパ各地から集まったクラシックカーをお迎えしました!
今回はクラシックカーのラリーで世界中を回っているイギリスのRally the Globeと言う団体様が計画されたイベントで、インバウンド専門のツアーを扱う旅行会社であるオックスフォード・インターナショナル・エクスチェンジ様を仲介して国内のルートや立ち寄る観光地などのプランが立てられました。
察しの通り一本クヌギはサーキットですから、観光スポットとしてではなく、ラリーのコースの一部として設定されています。
交渉や視察に訪れたスタッフのみなさんと相談しながら、一本クヌギがコースとして決定するまで約2ヶ月ほどやり取りをして、その後も細かい調整なども含めて半年以上の時間を掛けてお迎えする準備を整えました。
日本語の話せるスタッフが数名同行するとは言っても、単純な読み書きと違ってネイティブな英語の発音が聞き取れるのか、こちらの発音で通じるのかなどなど不安もありましたが、滅多にない機会なのでなんだかんだで楽しみの方が上回っていますかね?(笑)
直前での最終調整も行い、いよいよ当日を迎えます!
■続々と集まるクラシックカー
いよいよ当日を迎え、予定時刻の約2時間前に一本クヌギに集合!
本日の一本クヌギのスタッフは、熊本県高森町の黒柴コーヒー様にもご協力いただき、あまり役に立たない私と、全然役に立たない会社の後輩1名も加えたスペシャルメンバーで対応します!!
気休めながら、みんなで段取りについて最終確認を行い、後は待っている間に「大丈夫!なんとかなる!」と互いに励まし合う(笑)

予定時刻の約1時間前、午前9時頃に先行してスタッフのメンバーが到着。
簡単に挨拶を済ませたら、さっそく会場の準備に取り掛かります。
今回のイベントは9月中旬に北海道を出発して、1ヶ月掛けて日本を縦断する旅となっています。
九州へ来るまでの間も目立つ車の大移動となるので黙っていてもみなさん気が付くようで、他県ではニュースや新聞でも話題になっていました。
本日、10月15日は別府から阿蘇へ向かうそうで、翌日16日は旅の最終日となり、阿蘇からゴールの福岡まで走ってから帰国の予定となっています。

予定時刻の午前10時を過ぎた頃、遂にクラシックカーのメンバーが到着!
1台…、また1台と、続々と集まって来ます♪

こちらも配置に付いておもてなしの準備を進めている間、気が付けばあっと言う間に表の駐車スペースを埋めるほどの台数が集まり、その迫力に圧倒されますね~!
日本国内でも旧車イベントなど多数開催されていますが、国内ではなかなか見られない様な車ばかりなので、他のイベントともまた違った雰囲気です。

博物館級の貴重な車が多いので、動いている姿が見られるだけでも驚きなのですが、これからコースを全開でタイムアタックしようと言うのだから目が離せません!!
さすがにクヌギランナーでもここまで古い時代の車が参加した事はありませんから、一体どんな走りを見せてくれるのか楽しみですね♪
■タイムアタックで見せる想像以上の走り!

参加者のみなさんが会場に到着したら、いよいよ本番のタイムアタックがスタート!
最も古いモデルでは100年前の車もありますが、最も新しい車でも約50年前となっているので、現在の車の水準と比較したら性能面で劣るのではないかと思ってしまいますよね。
当然、安全装備や環境性能などは現代の車に及ばないのは事実だと思いますが、走行性能に於いては想像以上の走りを見せてくれました!

車は”旧車”のイメージ通り小さな車もありますが、半数はこんなに大きいの!?って驚くサイズ感だったり。
尚、ラリーのコースとして設定されているのは約3周。
タイムアタックは順番にストップウォッチで秒単位の計測を行っているようで、スタンディングスタート方式となっています。

一応、コース図は確認しているようですが、世界的に有名な大きなサーキットと違って一本クヌギのコースはテレビやレースゲームで見掛ける機会はないと思うので、本当に全く知らないコースを初めて走るわけですよね。(一応、アセット・コルサと言うテレビゲーム用のコースはありますので、興味のある方はご覧ください)
他のサーキットに比べてエスケープも狭いので、通常は慣れるまで様子を見るところだと思いますが、いきなり全開の本気モードでアタック開始です(笑)
古い車って、パワーがなくて、もっと遅い印象だったのですが、1コーナーまでの加速も「この距離でそんなにスピード出るの??」ってくらい普通に加速していきますし、タイヤは日本では見慣れない銘柄を履いていましたがコーナーリング性能も問題なし。

なんだか普段の一本クヌギの様子と違って新鮮に見えますね♪
比較的排気量の大きな車も多いので、加速はパワフルで、重厚感のあるエキゾーストノートも迫力があります!

驚かされるのはみなさんの適応の早さで、わずか1周でコースの特徴を理解した様子。
3コーナーのヘアピンから続く4・5の複合コーナーは難しいエリアですが、まるで常連さんのような綺麗なラインで中ストレートへ立ち上がって行くので、見ていて感心しました!

タイムアタック中にも、次々に参加車両が到着。
こちらも古い映画で見た事があるような車ですが、目の前で動いている姿が見られるのは感動しますね♪

当然、この車もコースを全開で走り回りましたが、約1ヶ月の長距離移動に耐えるばかりか、サーキットの全開走行をしても問題ない抜群のコンディションを保っているのがわかりますね!
ちなみに、単なるロングツーリングではなくラリー競技ですので、ここへ来るまでの間は他県のサーキットや林道も走行しています。
案内役だけでなく、万が一のマシントラブルにも対応できるメカニックのスタッフも同行しているので、遠慮なく走り回れますね♪

中には派手なカラーリングの車もあったり、意外と女性ドライバーも多かったり。
こちらの車は、ここへ来るまでに少しぶつけちゃっているようですが、あまり気にしている様子もなく余裕を感じます(笑)

走行を終えた方は簡単に片付けを済ませた後、黒柴コーヒーさんにご協力いただき、コーヒーとケーキでおもてなしさせていただきました。
本場のコーヒーとの差や、日本人との味の好みの違いなど少し心配でしたが、予想以上に好評だったのでよかったです♪
■博物館級の車を間近で
集まったクラシックカーはいずれも、現存数は年々数を減らすばかりで残っているだけでも貴重な車ばかり。
それを惜しみなく走らせると言うのも凄いですが、過酷なサーキット走行にも使っちゃうなんて恐れ入ります。。。
どの車も時代が古過ぎて、詳しい人でなければ車種まではわからないかもしれません。

正直、私も現代の車でもそれほど車種に詳しいわけではないので、尚更知らない車ばかりが目の前にあるわけですが(笑)
それでも、有名なローバー・ミニやポルシェ・911など、知名度の高い車も見られました。

また、意外な事に日本車の姿も!
こちらは日産・フェアレディZですね。
旧車ブームで、国内でもイベントでは良く見掛ける定番車種ではありますが、なかなかサーキットを走っている姿を見掛ける機会はないですよね。
こちらはコンディション抜群で、オフロードの林道やサーキットなどもガンガン走り回って来たようですが、車も大事に大事にガレージの奥に仕舞ってあるより、元気よく走らせてあげた方が幸せかもしれませんね♪
とは言っても、現実としてクラシックカーのコンディションを維持するのは難しいので、保存と言う意味では無理をさせないと言うオーナーの判断は正しいのかもしれませんが。。。

こちらは滅多に見られない旧車のエンジンルームを拝見させて頂きましたが、手入れが行き届いていてすごく綺麗にしてますね!
聞いた話によると、日本に比べてヨーロッパは車に限らず、手入れしながら古い物を長く大切に使う文化が根強いため、自動車メーカーも旧式の車の部品を長期間供給する体制を取っている事が多く、クラシックカー専門のショップやクラブの活動も盛んなので情報交換や部品の調達もしやすいのだとか。
純正部品だけでなくサードパーティーからの供給も積極的だったりと、クラシックカーを乗り続ける人が多い分ビジネスとしても成り立つそうで、特にイギリス本国やオーストラリアなど右ハンドル車の部品が手に入りやすい国では、日本車向けの部品供給も盛んだそうですよ。

ちなみに、こちらが今回の参加車両の中で最も古い車で、なんと100年前のベントレーだそうです。
100年前って、主流が馬車から自動車に移行し始めてそれ程年数は経っていない時代だと思いますが、そんな時代にここまで洗練された自動車がもう存在したんですね!
自動車史に於いても大変歴史的な価値がある車だそうで、取り引きされる価格は1億円以上、程度の良い車両だと数億円の値が付く事も珍しくはないとか。。。(汗)
これでオフロードや林道もガンガン走って来たそうなので、スケールが違いすぎます(笑)

実物を見られるというだけでも信じられないですが、本当に間近で観察できるので、ほら!
インテリアまでじっくり眺める機会が得られるなんて、この先もうないかもしれません!
エアコンやオーディオなどの装備は一切なく、必要な計器類とハンドルだけのシンプルな内装ですが、部品の一つ一つが結構凝った造りになっていて、コストダウンや生産性重視の現代の車とは全く異なりますね。
化粧ネジやメーターパネル、ペダルの装飾など、単なる部品と言うよりは工芸品、美術品と言っても過言ではないと思います。
走行時間は約2時間と短い時間でしたが、大変貴重なクラシックカーを沢山見られて、本当に充実した時間を過ごす事ができました。
今回一本クヌギへお越しのRally the Globeのみなさんは、参加車両23台、スタッフを含め総勢63名となっております。
この後、林道を走って熊本県の阿蘇の方へ向かうそうで、翌日には阿蘇から福岡県へ向かう最終日となるそうですが、このレポートを書いている現在は、既に無事帰国されたとの報告がありましたので安心しました。
約1ヶ月に及ぶ日本列島縦断の旅、お疲れ様でした!
日本に遊びに来る機会はそう多くはないかもしれませんが、もし近くへお越しの際は是非一本クヌギ・スピードウェイにもお立ち寄りください。
一本クヌギが旅行のツアーに組み込まれるような機会もないので、準備期間も含め、この1年間は予定の調整や交渉などなど大変良い経験になりました。
また何か機会があれば、大きなイベントの開催やお手伝いなど挑戦してみたいですね♪













