ロードスターと言えばマツダ!

マツダと言えばロードスター!

ギネスブックに載る程の有名な車ですが、勘違いしないでほしいのは最も売れた車ではないし、最も売れたスポーツカーと言うわけでもない。

最も売れた”2人乗り小型オープンカー”と言う、かなり限定的なカテゴリの話であって、人気車種などと言われてはいるが現実として比率は極少数のマニアックな車種である。

世間では二流メーカーとして認識されており、正直言ってマーケティングが上手だとは思えないマツダがしがみついていた唯一の謳い文句であって、お子様連れのファミリーに対しても「ギネスに載りました!」だけで売り抜こうとしていた印象だ。

ロードスターに限った話ではない。

かつて同社から販売されていたMPVのTVコマーシャルでは、ミニバンの売りであるはずの乗車スペースや積載量には一切触れず「ロードスターのハンドリングを!」などと意味のわからない事を猛烈アピールしていたヤバいメーカーである。

尚、マツダに普通の乗用車のラインナップは1台も無いので注意してほしい。

あるのはコンパクトカー風のスポーツカー、SUV風のスポーツカー、大型セダン風のスポーツカー、自動車教習所向けのスポーツカー、福祉車両っぽいスポーツカー、ロードスター、のみである。

今日はその中から、名車ロードスターを紹介したいと思います。

全車にロードスターのハンドリングを!

◆マツダ・ロードスターとは

◆意外とすごいマツダ

◆ロードスターの魅力とは

◆ロードスターは良く曲がる?

◆三代目NCロードスターは不人気?

■マツダ・ロードスターとは

初代のユーノス・ロードスター(NA)

1989年当時、マルチチャンネルの体制だったマツダのユーノスから発売されたユーノス・ロードスター(通称NAロードスター)が初代となる。

初代のNA6CE型は1.6LのNAエンジン、駆動方式はFRの2人乗りオープンカー。

グレードによって差はあるが車両重量1000kg前後のライトウェイトスポーツカーである。

排気量などに違いはあれど、原則としてこのパッケージを現行型まで貫いている。

ちなみに、数年前にトヨタが猛烈にアピールしていた「ドアスタビライザー」なる”ドアを強固に固定してボディ剛性を上げる”手法が、初代ロードスターから既に地味ながら採用されている。

ストライカー付近の黒いゴムの塊と、ドアパネル側のコの字ステーがそれに当たる部品。

ホンダ・S2000などもストライカーを2点式にするなど、オープンカーだからなのかはわからないが、重量増を最小限に抑えながら積極的にボディ剛性を上げる策が施されているのには感心する。

後のマイナーチェンジでは1.8Lエンジンを搭載したNA8Cが登場し、ちょうどこの頃だったろうか?

ユーノスのチャンネルは廃止となってアンフィニと統合、その後現在の”マツダ”一本に統合されて行く。

バブル期とも重なっているので、初代の生産終了までにいくつかの限定車も充実したパッケージで登場しており、その中でも特に良く語られるのがM2シリーズの3種で、1002のみラグジュアリー寄りだが、1001及び1028はメーカーチューンの施された本格仕様となっている。

NAチューンの境地 独立スロットル

その他、マツダスピードからオプションで4連スロットルスーパーチャージャーキット(ジャクソンレーシング製のルーツブロア式)などもラインナップされており、追従する様に社外品でも同様のキットを使ったチューニングなどが流行った時代でもある。

この頃の初代はマツダ・ロードスターとは名乗らず”ユーノス・ロードスター”と名乗っているだけあって、ユーノス店のエンブレムが付くのだが、これが見慣れないとちょっと外車っぽくてカッコイイ!と言う理由からか、2000年代初期の頃に2台目となるNB型への流用などが流行った印象。

FD3S型RX-7のオーナーが、後期型となるマツダ・RX-7にアンフィニ・RX-7のエンブレムを流用するのと似た様な感覚だろう。

その他に面白いギミックとしては、NA8C型が登場した初期の頃に非線形スロットルが採用され、ペダルストロークとスロットル開度が比例しない(スロットル開度に細工をして出力曲線を直線化)と言う凝っているが不評だった装備などもある。

良くも悪くも、結構コストを掛けて大掛かりな実験を行っていた市販のプロトタイプ的な一面もあるユニークなモデルだ。

 

二代目マツダ・ロードスター(NB)

そして1998年に登場するのが二代目となるNBロードスターで、発売当初から1.6L(NB6C)と1.8L(NB8C)のラインナップとなっていた。

幌のウインドウは従来のビニールタイプからガラスに変更され、伴い幌の開閉時にウインドウ部分をジッパーで分離する様な手間が不要な構造へと改善されている。

オープン時の走行で風の巻き込みを抑制するエアロボードが標準装備され、後期型に至ってはスピーカー内臓などと凝った造りも見られた。

ただ、初期のNBはマイナーチェンジに近いと言われており、エアフローセンサーがフラップ式から信頼性の高いホットワイヤー式に変更されたり、エアバッグやABSなどの安全装置が装備されたりと時代に合わせた変化が見られるものの、プラットフォームはほぼNA型のままだとか。

マイナーチェンジ後の通称NB2以降から、フロアにガセットプレートの溶接補強が加わり、1.8Lモデルでは従来のBP-ZEから可変バルブタイミング付きのBP-VEへとエンジンが変更、伴いNB1で採用されていた可変吸気システムが廃止になっている。

尚、NB2型以降のABSはEBDが付いてコンピュータと一体型のアクチュエータに一新されている他、NB3型より燃料計内にエンプティランプの追加やOBD-II端子が装備されて便利になったが、新基準の排ガス規制に対応するEGRが採用されて社外エキマニが高い(笑)…おっと、出力ダウンなどの影響も出ている。

また、1.8LモデルはVSなどもあるが、RS及びRS-IIのみインジェクター容量が大きく高出力仕様となっており、ブレーキサイズも16インチホイールに合わせて大径化されるなどの微妙な違いが見られる。

そのため、初代は最軽量モデルで940kgと言う驚異的な軽さだったのに対し、二代目は前期型のエアコンレス最軽量モデルで990kg、マイナーチェンジ後からはNB6Cが1030kg、NB8Cで1080kgと言った重量増となっている。

その他には初代でも採用されていたが、グレードによってはビルシュタイン製ダンパーが採用されていたりと言った違いもあるが、現行のND型と異なりスプリングレート自体にも差があるため、動きの差が減衰特性の違いなのかスプリングの違いなのか分かり難いし、そもそも言う程拘る理由もないと言うのが個人的な意見です。

尚、NB型はATの他、1.6LにはNA型と同じ5MT、1.8Lには6MTが採用されていたが、6MTは酷評されているアイシンAZ-6型であり、5MTを強引に6MT構造へ改造したと言われる特殊なタイプであったため、とにかくシフト操作が渋い…らしいのですが、実際のところどうなのかと言われると、私自身はそれ程酷いフィーリングとは思わなかった。

ただ…、5MTの方を操作すると、シフトフィールは良いし凄く楽と言った印象は受けますよ(笑)

この6MTは後にトヨタ・アルテッツァニッサン・シルビア(S15 スペックR)などにも採用され、アルテッツァはギア比の問題だと思いますが、シルビアの方はパワーに対して容量不足でブローのリスクがかなり高い様です。

その他で言えば、前期RX-8にもAZ-6型が採用されていますが、こちらは何か改善されているのかNBロードスター程の渋さは感じませんでした。(良好とは言ってない(笑)

少し話は変わりますが、二代目にももちろん限定車があり、スポーツに振ったマツダスピードバージョンが存在しますが、これが初代とは異なり専用カラーとエアロパーツに、吸排気を変更しただけと言うお粗末な物。

他にはロードスター・クーペと言う、エレガントさはあるものの、もはや”ロードスター”ではなくなったただの2シータークーペ、ホットなモデルとしては最後にラインナップされたロードスター・ターボなど。

限定車ではありませんが、パーティーレース向けのモータースポーツ入門グレードNR-Aがラインナップされたのもこの二代目からでした。

尚、ロードスターに多い故障やトラブル例は…

エンジンは意外と頑丈なのでハードなチューニングやECUで大幅にマージンを削っていなければそうそう目立った故障は少ない印象。

やはりオープンカー特有の雨漏りの心配や、強いて言えばパワステポンプ直上のパイプ折損によるオイル漏れなどだろうか。

普通に乗っている分には滅多に発生するトラブルではないものの、スポーツ走行の頻度が多い車両だと振動で折れ易く、私は所有している間に2度経験しました。

後にパイプを支持するステーが対策品番に変わって、薄いゴムブッシュの追加やステー形状が変更されています。

他にはフロントサスペンションロアアームのボールジョイント破断などもNA型を中心に良く効きますが、どちらかと言うと経年劣化でしょう。

NA・NB型のアームはボールジョイント部が単体で交換可能なアームの構造なのでガタが出始めたら比較的気軽に交換は可能である。

また、NB後期のRS用などは前後のアームに補強が入っていたりと、流用部品として定番のパーツである他、NA型にはNB型のダッシュボードを丸ごと移植する様な荒業もある。

NBが恩恵を受けるパターンは少ないが、NAはNBの純正パーツで色々な部分を安価にアップデート可能なので、NAのネガティブな部分はオリジナルに拘らない限り、ほとんど気にする必要はない。


■意外とすごいマツダ

ちょっと初代と比べると限定車のパッケージに勢いはない印象ですが、時代に先駆けた試みを行ったのは、実はNBロードスターが初!

少し前にAmazonでBMWが注文できる!なんて話題になっていた時期がありましたが、2000年代初期はインターネットが家庭に普及し始めて、ようやくADSLなどが登場し始めたか?と言った時代。

Mazda Web Tune Factory

マツダは今後のインターネットの普及を見越してか、なんとホームページから車をオーダーメイドで発注できる「Web Tune Factory」なるサービスを開始したのが2001年。

WEB限定カラーとして、初代で限定色だった「サンバーストイエロー」をラインナップしたり、カタログモデルでは選択出来ない組み合わせでオリジナルのグレード(例:1.6Lに6MTなど)を作成して見積もりができるなど、結構攻めたサービスで、後に発売された新型車種などもラインナップに加わっていきました。

アクセラデミオRX-8などなど…。

ただ、それらがどれくらい売れたのかは不明ですが、ウェブチューンモデルには専用のオーナメントが装備されているので、自分の車や中古車屋に並んでいる車を観察してみてください♪

残念ながら、Web Tune Factoryは2015年に閉鎖となりましたが、改めて考えると比較的最近までやってたんだな…と。


■ロードスターの魅力とは

私がマツダ車を好んで乗る様になる切っ掛けとなった車がロードスターである。

一応、NB8Cを2台乗り継いだが、実は極短期間だがポンコツのNA6CEも2ヶ月ほど所有していた事がある。

どちらも非常に良く似た車であって、普通に乗る分には大きな差はないと思って良いかと。

どうこう言ってもパワーはもちろん1.8Lの方が上ですが、ハンドリングやコーナーリング中のフィーリングなどは非常に良く似ている。

もちろん、基本構造がほとんど同じでフィーリングが良く似ているとは言っても、車両重量の差やボディ剛性の差もあり、NBの方がハンドリングもしっかりしており、NAは軽やかに、NBは機敏にと言った感じだろうか。

エンジンフィールについては旧式のエアフローセンサーの影響なのか、ただボロいからなのか、ちょっとNAの方がザラザラした回り方ではあるが、基本的な動きが近いのでどちらも甲乙付け難い車である。

2021年現在、この2台を比較すると”どちらも古い”ので、NAのデザインがオシャレだなと感じるものの、私が購入した2002年当時、現行モデルだったNBの方が断然新しいデザインだったので当然NBの方が良いと思っていた。

NB後期のテールランプ

デザインは好みの問題なのでお好きな方をと言うのが正しいが、デザイン上の大きな違いはリトラクタブル式のヘッドライトと固定式のヘッドライトかと言った違いである。

また、テールランプは一見そっくりだが、NBの方は後期からレンズカットが変わってクリアになっている。

ダッシュボードはどちらもチープな印象で、当時のマツダ車らしいプラスチック感が漂う。

ただし、優秀なのは”現在のマツダ車と違い”ヘッドライトやテールランプに水が溜まる様な事は全くなく、代わりに新車で買ったのに納車直後からいきなり屋根から雨漏りすると言う素晴らしいクオリティであった。

 

さあ、ご存知の通りロードスターは2人乗りのオープンカーで、屋根を開けて爽快なドライブが楽しめる…なんて言う人もいるが、それはどうだろう?

私はオープンカーが大好きである。

しかし、オープンが大嫌いである(笑)

なので、オープンで走ったのが納車後初めてのデートと、マフラーを買って帰った時と、過去に2回しか経験がないため、この点については詳しく語れない。

おまけに、後にハードトップを装着してオープンと縁を切った(笑)

後部座席はもちろん、後方にスペースらしいスペースは全くないので、荷物はリアウインドウ下に置くか、助手席と言う事になるが、2名乗車の場合は同乗者に窮屈な思いをしてもらう事になる。

また、ドリンクホルダーがセンターコンソール上に配置されており、AT車ならそれ程問題にならないがMT車だとシフト操作の度に肘に当たるので邪魔になる。

グローブボックスの容量は並

グローブボックスは並のサイズだがその他に収納スペースはほぼ無く、大きな荷物を扱う場合はトランクしか選択肢は無い。

よくトランクが狭いなどと言われる事があるが、旅行に行くとしても2名乗車なので3人分の荷物を積む必要はないわけで、2人分と考えれば十分な積載量と言えるだろう。

ただし、お土産を買いこんだり、ロードスターでデパートへ買い物へ行こうなどと言った用途では不向きであるのは言うまでもない。

サーキットを走るユーザーにとっても、ジャッキなどの工具のスペースまで考慮するとタイヤはトランクに1本、助手席に1本が限界なので、4本総交換したいと言う人には少々厳しい。

とは言え、この手の車に積載量を求めるのは酷でしょう。

 

実際のところ、ちょっとオシャレな乗用車に乗りたいと言った軽い気持ちで購入すると後悔するタイプの車種だと思います。

スポーツカーとは言っても、快適かどうかは別として大体の車には後部座席が備わっているし、ドリンクホルダーなども使い易い位置に付いているのが普通ですが、マツダ車の場合は収納やドリンクホルダーを全社員の多数決で使い難い位置を厳選しているのかと疑いたくなる程素晴らしい設計になっている。

そんな不便で快適さにも期待出来ない車であるにも拘らず、ロードスターを選ぶ理由は何か?魅力はどこにあるのか?

それは、ただ只管に運転する事そのものを楽しむ。

そう言ったユーザー、そう言った用途で使うと言う場合に於いては、ロードスター以上に向いている車はないと思う。

よりコアなユーザーなら、オーディオさえも要らない。

ただエンジンの振動を感じ、排気音とロードノイズをBGMにしてワインディングを颯爽と駆け抜ける。

ただそれだけのために作られた車だと思うと良い。

普段使いの乗用車としての価値などほとんど無い、ただのエンターテイメントであり、一般人でも味わえる最高の贅沢、それがロードスターだ。

なので、個人的には是非セカンドカーとして、休日のドライブを楽しむ車として所有するのが理想だと思います。

正直、ロードスターのみと言うのは結構苦痛に感じる人が多いのではないかと言うのが個人的な意見です。


■ロードスターは良く曲がる?

ロードスターに限らずマツダ車全般に良く言われる事ですが、良く曲がると言う話があります。

つまり、ハンドリングに優れ、コーナーリング性能が良いと言う意見ですが、実際のところどうなのか?

ミニサーキットを走るロードスター

まあ、普通に乗る分には気にする必要もないですし、ワインディングを軽く流すにしても危険でなければ少々鈍かろうがクイックだろうが神経質になる必要もないのですが、サーキットやジムカーナなどでスポーツ走行を視野に入れる人なら、やはりコーナーリング性能は気になるところです。

実際ハンドリングはクイックで、インフォメーションに優れ手応えも良く、ハンドルさえ回せば意図も簡単に曲がる…のですが、これはあくまでも並の領域の話。

スポーツ走行を始めて間もない頃は、ハンドルをこじれば簡単に向きを変えてくれるので良く曲がると言う印象を受けていたのは事実ですが、ある程度上達して荷重移動やコーナーリングスピードなどを意識し始めた頃からその印象は真逆となります。

良く曲がると言うより、良く回る車へと表情を変える。

一定速で巡航している際はRX-8などの様にホイールベースの長い車でもハンドルだけで自在に向きを変えられ、ロードスターも同じ事が当て嵌まりますが、ホイールベースの短い車で荷重を載せようとすればより強い力が必要になります。

コーナーのターンインを例に挙げると、RX-8に比べてロードスターは突っ込み気味に進入して強めのブレーキで前のめりにしてやるイメージって事になるわけですが。

実際には当然加減する事で荷重をコントロールするのがテクニックと言う事になりますが、パワーが無いのでなるべく直線はギリギリまで加速したい、コーナーリングのボトムスピードを落としたくない…と詰めて行った場合、ちょっとしたミスやタイミングの違いで強烈なオーバーステアが発生し易いです。

おまけに、短いホイールベースの影響でスライドスピードが速いので、僅かな舵角なのに思った以上にアングルが付き過ぎると言った事態に陥り易く、不慣れな初級者の方だとそのままスピンと言う事も良くあります。

リアショックのストローク不足も弱点と言われており、パワーが無いわりにややテキトーにハンドルを抉ってアクセルをガシガシ踏めば意図も簡単にリアが滑り出したり、怖がって旋回中にアクセルオフなんて操作をすると、軽い車体のデメリットとしていきなり滑り出す危険性も秘めています。

どの程度の領域から嫌な部分が見えてくるかと言うのは車のセッティングや走り方にもよるので一概には言えませんが、慣れて来た辺りが一番危ない印象です。

これらのネガティブな部分をシャシー性能や電子制御でスポイルしてくれるのがNC型以降のロードスターと言う事になるのですが、どう言うわけかNCはロードスターじゃない!なんて仲間外れ意識の強い旧ロードスター乗りも多いですよね。

NA・NBの危うい特性を本気で楽しめるのは慣れた方だけなので、動きを理解するまでは用心して乗りましょう。

まあ、最近はタイヤの性能も格段と良くなっているので、昔の様に酷い動きは出難いと思いますが、安易に縁石を蹴りに行く様なライン取りも要注意です。


■三代目NCロードスターは不人気?

三代目マツダ・ロードスター(NC)

ロードスター乗りの間でも、三代目となるNCEC型だけは別物扱いされる傾向がある。

紛れもなくマツダ・ロードスターの正統な後継車種であり、ボディサイズは初の3ナンバークラスとなり、エンジンは2Lのみのラインナップ。

とは言え、重量増は先代のNB型と比較しても30kg以下の1100kgと言う軽さを維持している点は驚異的である。

シリーズ中、唯一5穴のホイールハブとなっており、標準装備されるのは17インチのアルミホイール。

また、先に発売されたRX-8のプラットフォームをベースに設計された新型シャシーを採用し、フロントにダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンクに変更されるなど、車の安定感、走行性能は格段に増した。

言い換えれば、車としての完成度、安全性はNA・NBの比ではない、現状最良の最新ロードスター(当時)となったわけですが、激変したフィーリングに「こんなのロードスターじゃない!」と言う意見が飛び出してきたのである。

昔からロードスターに乗っている人が言うならまだわかるんですよ。

当時、初心者マークを貼って、さほど多くの車に乗った事もないでしょう?って層まで「NCはロードスターじゃない!」なんて言う人もいたくらいで、影響力のある人の”単なる感想”やメディアの力って恐ろしい物だなと感じるわけです。

激変して当たり前なんですよね。

NAからNBへのモデルチェンジがたまたま大きな違いにならなかっただけで、側だけ変わった同じ車なら単なるマイナーチェンジと変わりません。

みんな大好きハチロクの愛称で親しまれるカローラ・レビンスプリンター・トレノも、AE92型になったらFRからFFに駆動方式が変わってしまうなんてパターンもあるわけで、先代と同等のパッケージと言うだけで正当な後継車種と言えるのではないかと思います。

現実として、フルモデルチェンジって同じ名前の別の車ですから。

時代に合わせて大きく変わるべきです。

実際に乗ってみるとわかりますが、明らかにシリーズ中最速のロードスターであり、RX-8ほど限界は高くないが、NAはもちろんNBロードスターの様な危うさはなく、ハンドリングはクイックで意のままに操ると言う言葉に相応しい仕上がりだと思います。

かと言って、行き過ぎた危うい操作にはEBD付のABSやDSCなどの安全装置も働いてセーブしてくれるので、よりイージーに楽しく走れる車になっていると思います。

もちろん、自信があればDSCをOFFにして振り回すと言うのも、パワーアップした2Lエンジンも加勢して気持ち良い。

また、6MTも後期RX-8と同じマツダ内製のミッションとなっており、かなり操作性が良いのでストレスを感じない。

ただしデザインの好みの問題はあると思います。

NA方はかつてのロータス・エランの様なクラシカルでオシャレな印象があり、NBは少々下品になったものの言い換えればスポーツカーらしいデザイン。

NCは張り出した様なフェンダーに機械的なライトのデザインなど、ちょっと当時としては未来寄りのデザインですが、どことなくNA型に似ています。

ただね、デザインと言う物は”プロ”が設計しているのに、その辺の”素人”が好き放題言うものなんですよ。

実際、NB型もNC型が発売されるまでは人気はイマイチでしたし、NA型に比べるとアフターパーツも少なかったです。

NCロードスターRHT

とは言え、ボディ関係を除けばNAとNBで共通して使える部品は多いので、カスタムやチューニングもさほど困りませんでしたが、NC型はちょっとかわいそうな感じがしますね。

ただ、RX-8から流用できる部品が意外と多いので、シンプルにパフォーマンスを向上させるチューニングは案外幅が広い。

尚、NCロードスターの後期には、幌の痛みや車内の快適性を気にするユーザーでも気軽にオープンが楽しめる電動ハードトップタイプのRHT(リトラクタブル・ハード・トップ)と言うモデルもあります。

見掛けの割に重量増も最小限の抑えられていて、静粛性、耐久性、加えてビジュアル面でも優れる高級感のある仕様となっています。

ベースモデルに比べて少々値は張りますが、限定車ではなく標準ラインナップとなっている点も有り難い。

昔ながらの軽快さとスリルを楽しみたい人はNA・NBを。

ある程度の快適さや速さを求める人はNCがお勧めです。


関連記事