ユースケ@管理人
>ふじたさん
説明書が無いとは、仕様が不明と言う事でしょうか?
まず、A/F計に電源だけ供給して、センサーを取り外してください。
この状態で、内臓ヒーターの抵抗が検知出来ないとエラーを返して来る可能性もありますが、A/F計の表示で0V時の値が読み取れる場合はその値をメモします。
この時の値を5.0と仮定します。
次に、センサーを接続した状態で剥き出しのセンサーにパーツクリーナーなどを吹きかけて値の変化を読み取ります。
この時、極端に高い値を表示したまま、それ以上数値が上がらなくなるポイントがあると思います。
例えば、ここでは20.0と仮定します。
この値が最小値と最大値になりますので、今回の例では20.0-5.0=15.0と言うバイアス値を読み取る事が出来ます。
バイアスがわかれば、次にフリーダムとA/F計を接続し、空燃比制御をONにした状態でモニター画面より空燃比の値を確認してください。
この時、A/F計側との差を読み取ります。
ここではA/F計が15.0に対してフリーダム側では11.5と仮定します。
この時の差は、フリーダム側で3.5低い値と言う事が読み取れますので、ゲイン値には3.5と入力すれば設定が完了となります。
上手くいかない時は出力電圧の特性が異なる可能性がありますので、0-1Vの項目を選んで同じように確認と入力作業を行うと言った形です。
同様に、他のセンサーを使用する際もバイアスを確認してから、計器とフリーダムの値の差を読んでゲイン値で誤差修正と言う方法で対応可能です。
ちなみにアイドル制御については、ISCVは問題なくアップカウント制御が行われているのでしょうか?
エンジンスワップに伴い、ISCVもAE101用に変更されている場合は、AE101用のISCVフラグを立てる必要がありますし、他車からの流用でも流用元のISCVのフラグを使用する事になります。
AE86用をそのまま使用している場合はAE86用と言う事になります。
ISCVフラグの設定項目はアイドルスピードコントロールを使うかおよびアイドルアップ入力の種類と極性(ビット指定)と書いていて、何の事かよくわからないと思いますが、意味する内容は以下の通りです。
ISCVを使用するか否かの設定は極性や信号等の判断を”ビットで指定”します。
入力されている値は一見でたらめな数値ですが、実は環境設定で16進数表示を有効にしていると設定の内容が把握できます。
表示されている10進数の値ではなく、その下段に表示されている16進数表示に注目して判断を行ってください。
マイコンの類では通常末尾に「H」を置くのが16進数の表記ですが、フリーダムではMS系BASICと同表記の「&H」を頭に、以降の英数字が16進数である事を意味しています。
これはユーザーが入力する上で先頭のダミー入力の手間を省くためだと思われます。
例えば「&HABCD」と言う値の場合、&Hの後に続く「ABCD」の部分が「16進数での値」を意味している事になります。
ここからが本題ですが、この16進数の値を2進数に換算すると2バイト型(16ビット)整数(16桁の0と1のコード)の形となり、この各ビットの「オン(1)」「オフ(0)」で各項目のフラグを決定します。
各フラグの内容は以下の通りです。(ビットの順番は左側の1から始まり、右端で16です)
1← 0000 0000 0000 0000 →16
1 ISCVを使用するか否かの設定(1:使用する 0:使用しない)
2 パージコントロールソレノイドバルブを使用するか否かの設定(1:使用する 0:使用しない)
3 電気負荷3(SPL)信号入力極性(1:High 0:Low)
4 電気負荷4(BF)信号入力極性(1:High 0:Low)
5 電気負荷1(HL)信号入力極性(1:High 0:Low)
6 電気負荷2(ELS)信号入力極性(1:High 0:Low)
7 A/Cアップカウント信号入力極性(1:High 0:Low)
8 電気負荷5(A/C2)信号入力極性(1:High 0:Low)
9 A/C負荷信号によるアップカウントの有無(1:あり 0:なし)
10 内部信号3の有無(1:あり 0:なし)
11 FAN2アップカウント 内部信号2の有無(1:あり 0:なし)
12 FAN1アップカウント 内部信号1の有無(1:あり 0:なし)
13 空き
14~16(3ビットを使用して指定) 駆動周波数(011:313Hz 100:156Hz 101:39Hz 110:20Hz 111:10Hz)
ここで組み立てた16ビット整数(16桁の2進数)を10進数に換算し、その値をこの項目の値として入力する。
何故か10進数表示がおかしくなりますが、16進数表示は入力した値で正しく表示されるので気にしなくて大丈夫です。
一例として、確認済み車種のフラグを以下に記載しておきますので、参考にされてください。
AE101系
ISCVフラグ:1100111010000100(入力値:52868)
スレーブ出力:0
回転数フィードバックフラグ:1 or 3
A/C ISC出力フラグ:1
AE111系
ISCVフラグ:1100110010000100(入力値:52356)
スレーブ出力:0
回転数フィードバックフラグ:1 or 3
A/C ISC出力フラグ:1
ロードスター(NA6CE)
ISCVフラグ:1100100010000100(入力値:51332)
スレーブ出力:1
回転数フィードバックフラグ:1 or 3
A/C ISC出力フラグ:0
ロードスター(NA8C)
ISCVフラグ:1110100010110010(入力値:59570)
スレーブ出力:1
回転数フィードバックフラグ:1 or 3
A/C ISC出力フラグ:0
ロードスター(NB8C)
ISCVフラグ:1100100110110010(入力値:51634)
スレーブ出力:0
回転数フィードバックフラグ:1 or 3
A/C ISC出力フラグ:0
ついでに、インジェクタなど変更されている場合は、インジェクタ噴射量の項目が間違いなく設定されているか確認も必要かと思います。
以下に確認済みの一例を記載しておきます。
※ポンプ及びレギュレータ交換時は燃圧で変化しますので注意して下さい。
標準インジェクター噴射量
AE86 182cc/分
AE92前期 185cc/分
AE92後期 235cc/分
AE92 S/Cモデル 365cc/分
AE101 295cc/分
AE111 295cc/分
AW11 182cc/分
SW20 NAモデル(3型) 365cc/分
SW20 ターボモデル(3型) 540cc/分
NA6CE 210cc/分
NA8C(シリーズ1) 250cc/分
NA8C(シリーズ2) 250cc/分
NB6C(シリーズ1) 210cc/分
NB6C(シリーズ2) 220cc/分
NB8C(シリーズ1) 250cc/分
NB8C(シリーズ2) 270cc/分
NB8C(シリーズ2)RSグレード 290cc/分
他車種流用時データベース(各車種標準部品データ)
SXE10(アルテッツァ) 340cc/分
SE3P(RX-8)プライマリー(低速側) 430cc/分
SE3P(RX-8)プライマリー&セカンダリー(高速側) 320cc/分